おがさわらピアノ教室|東京都練馬区

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音楽・美術・文学・映画・自然

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去年の秋、初めてブログを書き出してから1年近くになります。石神井公園の近くに新居ができた際、ピアノ教室のHPを立ち上げ、その紹介と共に始めたものですが、マイペースで自由に日頃の感じたもの、私の頭の中でつながって相互作用があるようなものを記事にしてきました。毎日のように音楽と密接に関わり、ピアノを教えたり、自身の練習をしていますが、音楽は、読譜力が備わり、指の練習だけを勉強しても豊かな世界が広がる訳ではなく、一見、関係のなさそうな美術や文学、自然、映像作品などと深い関連性を持っています。読譜力が備わり、指が思い通りに動くようになった先に、ようやくその豊かな世界が現れます。その領域に到達すると、楽譜の奥を読み解き、ピアノを弾きながら想像力が働くようになり、音楽とそれ以外のものがコラボレーションしていきます。そこがとても自由で楽しく、想像力や感性が広がる世界です。ピアノを習い始めたばかりの小さな生徒さんは少々時間がかかりますが、数年ピアノを続けていると、その領域に少しずつ入っていきます。教える側も、弾いている曲のこの部分はどんな気分かな?、どんな風景かな?、どんな色かな?と子供に尋ね、その反応が楽しいこともあります( ^ω^ )

少し専門的な話になりますが、ロマン派のシューマン、ショパンなど、文学からインスピレーションを受け、音がまるで物語を語るような作品も多々あります。シューマンは、E.T.A.ホフマンという作家の幻想小説に夢中になり、まるでその世界を音で体現させたような作品が多く、話がどんどん飛び、いろんな場面に切り替わる場面展開が、ホフマンの小説とも似ているようにも感じます。同い年のショパンも、ポーランドの詩人ミッケヴィッチの叙事詩からインスピレーションを受けたバラードなど、文学からの影響が見られます。恋人はジョルジュ・サンドですしね♪( ´θ`)音楽史で言う近代のドビュッシーになると、映像的なものを音で表現し始めます。ドビュッシーはエキゾティシムに憧れ、日本の浮世絵や骨董品に夢中になり、古寺にまつわる作品として版画の「塔(パゴダ)」などもあります。画家のモネとは「印象派」のグループで一緒に活動していました。また、音楽が宗教的なものと深く結びつく場合もあり、私の大好きなJ.S.バッハのマタイ受難曲や教会カンタータは、その部類です。因みに教会カンタータBWV182は、高校の時からの精神安定剤です(^。^)

芸術は、日常的に感性を刺激したものが頭の引き出しから飛び出てきて、それらが音や色、文などに反映され、結晶となって生み出されるものです。演奏の世界で言うと、ピアノを弾きながら、ある本の一場面が浮かんだり、絵が見えてきたり、映画のワンシーンが思い出されたり、旅で見た自然の風景や古寺の静けさ、感性を揺さぶられるもの全てが栄養となります。

ヘルマン・ヘッセが「ヘッセの読書術」という本で、芸術の「言葉」について書いています。「羨望の思いで詩人は、画家や音楽家のことを考える。画家は自分の言葉である色で語りかけることができるし、音楽家も、その音で全ての人間の言葉を語り、操ることができる。詩人は、音楽家を特に強く、うらやましく思う。音楽家は自分たちだけが使える言葉を持つからである。ところが詩人は、学校の授業や商売に使われて、電報を打ったり裁判したりする時に使われるのと同じ言葉を使って、自分の仕事をしなくてはならないのだ。自分だけの表現手段を持たないのはなんと貧しいことであろう!」

音楽は、音を通して人間のあらゆる気分、愛情表現、官能性まで抽象的な言葉で語ります。大学生の時、ヘッセにハマったことがあり、「知と愛(副題 ナルチスとゴルとムント」は愛読書となりました。芸術に向いている人間と精神性を極める人間とが出会い、のちにそれぞれの道を歩む話ですが、この作品の本当の意味がわかったのは、数年後でした。ベートーヴェンの作品109を弾いていた時期、ある日のある瞬間、ヘッセの文学的本質と音楽の本質が結びつく現象が起きました。確かこういう現象を共通感覚と言ったかしらん?今思い出すと懐かしいばかりですが、あの頃の感性を保ちながらこの先も芸術に触れて行きたいなぁと思います♪(´ε` )
                       
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2024年09月19日 00:10

神護寺・特別展

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国立博物館で開催されている「神護寺」展に行ってきました。普段はご開帳されない貴重なものばかりで圧倒される美術展でした。空海が唐から持ち帰った真言密教がどのように日本で広められていったのか?、その原点がわかりやすく解説され、重みのあるご本尊の仏像や曼荼羅に思わず見入ってしまいました。よくこれだけの秘仏や国宝が並べられたなぁΣ('◉⌓◉’)と驚くばかりです。一番初めに弘法大師像の板のレリーフがあり、とても趣きがあリましたが、両界曼荼羅(高尾曼荼羅)に非常に圧倒されました。弘法大師・空海が唐で学んだ密教の内容が4メートル四方の紺の布地に金泥と銀泥で描かれたもので、仏の世界が体現されています。大日如来を中心に、周りに4百数十体の仏様達が、気の遠くなるような精密さで描かれ、大変美しいと同時に何か吸い込まれるような気配があります。4メートルの高さの曼荼羅ともなると大きすぎて、下から仰ぎ見ても詳細が見えません。それを補うために開設されていた8Kの拡大映像や解説が非常にわかりやすかったです。曼荼羅が途方もない労力を尽くして作られたものかを思い知りました。大日如来というと、私の頭に浮かぶのは京都の東寺の立体曼荼羅、奈良の円成寺の大日如来像(若かりし運慶の二十代の作品)ですが、この曼荼羅に描かれた大日如来は、果てしない宇宙の大きさを感じさせます。

後半には、神護寺のご本尊の国宝・薬師如来立像もありましたが、こちらはそのお顔の厳しさに驚きました。奈良の古寺が大好きで今まで多くの仏像を見て来ましたが、薬師如来像というと薬師寺や新薬師寺の穏やかな表情の仏像が頭に浮かびます。神護寺の薬師如来像は、それとは全く違って険しい表情をしておられますが、一度見たら忘れない仏像でした。他にも国宝の虚空蔵菩薩像が五体、面白いポーズを取っている十二神将の展示など、堪能しました。

真言密教など宗教の詳しい知識はありませんが、日本人の原点の心象風景を見た気がします。毎年のように行っている奈良や京都の仏像にまた会いに行きたくなりました(*´◒`*)


                          


            
                 
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2024年08月30日 11:27

戸隠神社

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長野県の戸隠神社に参拝してきました。戸隠神社は5社ありますが、その一番奥にある奥社の参道を進むと隋神門、奥へと続く杉並木がとてもスピリチュアルです(^。^) 高くそびえ立つ杉たちは涼やかで緑を満喫でき、手を触れるとエネルギーをもらえる気がします。太い太い杉に耳をつけると、微かに水の音が聞こえるような......(・・?)  隋神門に行く途中にある苔むした小さな祠は、ジブリの「千と千尋の神隠し」の冒頭に登場する祠を思い出しました。隋神門の屋根には無数の草が伸びており、歴史や神話を感じます。奥社まで続く2キロの杉並木の参道は意外に長いですが、木々に囲まれているため日差しが柔らかく、夏の暑さもあまり気になりません。圧倒されるような緑に囲まれた中にあり、神社の周辺には池や散策路なども多く、信州名物の蕎麦屋さんも沢山あって、1日では到底廻り切れませんでした。またいつか来ようかな?


 苔むした祠 IMG_5902_コピー   
隋神門 IMG_5904_コピー

もう一つ、小布施にある「岩松院」を訪ねました。晩年の葛飾北斎が4回も東京から訪れた場所で、交流のあった高井鴻山に呼ばれ、その援助で描いた大きな天井画があります。板に描かれた20畳の大きさの鳳凰の絵は迫力でしたが、北斎がこれを描いたのが88~89歳とのこと、仰天です(^◇^;) 東京から片道240キロもある小布施まで、83歳以降に歩いて4回も来たとのこと、北斎の体力もさることながら、なんとも凄まじい生命力ですね。北斎先生、さすが.....!! この岩松院は戦国時代の武将、福島正則の菩提寺でもあると初めて知りました。49万石だった広島から、徳川幕府に睨まれて4万5千石の信越地方に国替えさせられた福島正則の霊廟がありました。また、小林一茶の「やせ蛙 負けるな一茶 是にあり」と詠んだ俳句の蛙池があり、この俳句の本当の意味をお寺の方に教えて頂き、なかなか面白かったです。


岩松院ご朱印 IMG_5927_コピー

                          


            
                 
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2024年08月17日 11:02

ラベンダーの茂る荒野

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7月になると無性に行きたくなる場所があります。と言っても遠くてなかなか行けない土地ですが、この時期になると北海道の富良野が恋しくてたまりません。7月初旬から約3週間、富良野ではラベンダーの花が咲き、あちこちのラベンダー農場が一斉に紫色に染まります。この時期めがけて全国から観光客が押し寄せるわけですが、広い広い北海道の畑に人々が散在するのでひといきれも無く、心が開放されます。20年ほど前、初めてラベンダーの時期に富良野・美瑛に行き、空や雲がこんなに広く見渡せるのかと驚き、ラベンダーの清廉な香りに包まれ、鮮やかなパープルの美しさに感動したのを覚えています。以来、7月になると富良野に思いを馳せます。今年は行けませんでしたが、去年の夏に久しぶりに行った写真を紹介します。

ラベンダーと言えば、似た感じの植物にヒースがありますが、ドビュッシーの前奏曲集2巻の中に、「ヒースの茂る荒野」という曲があります。大好きな曲なのですが、この曲を練習中、ヒースの茂る映像が頭に浮かばず、花をネットで調べた事がありました。ヒースはラベンダーと似ていて、ラベンダーよりもピンク色の花の色をしていますが、富良野のラベンダー畑を見た瞬間、まさに「百聞は一見にしかず!」。あぁ〜こんな光景なんだなぁ、ドビュッシーが描いた光景は......♪( ´θ`)と一人、悦に入ってしまいました。広い空、風になびいて揺れる花、風に運ばれる花の香り.... イメージぴったり✌︎('ω'✌︎ )

富良野に点在するラベンダー農場には、ラベンダー以外の花も植えられてカラフルな層を成している畑もあります。ファーム富田さんなどはその1つで、鮮やかな虹のような植え込みになっています。「かんのファーム」さんのように丘の斜面に植えられたラベンダーと空が一体化する光景の方が、想像の余地があるような気がしますが、どこも大変美しいです......( ´ ▽ ` ) 近年は、旭川から十勝、帯広のあたりに観光ガーデンが幾つもできて、冬以外は美しい庭や自然を満喫することができます。このガーデン巡りもしてみたいのですが、北海道はあまりに広く.....(泣)レンタカーで旭川〜美瑛〜富良野〜十勝〜帯広と結構な距離になるので、2〜3日では到底回り切れません。いつか実現するべし!!╰(*´︶`*)╯♡


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2024年07月24日 23:45

春原恵子ピアノリサイタルを聴いて

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春原恵子ピアノリサイタルを聴いてきました。スカルラッティ、J.S.バッハ、モーツァルト、ドビュッシー、ショパンの5人の作曲家の作品を演奏する多彩な曲目のピアノリサイタルでしたが、偶然、私の好きな曲ばかりのプログラムだったので楽しい晩となりました。J.S.バッハのパルティータ第2番は、アーティキュレーションの作り方をもう少し自由に冒険しても良いのでは?と感じましたが、その直後のモーツァルトのソナタKV576は、とても生き生きとした演奏で、スーッと耳に心地よかったです。後半のドビュッシーの映像第2集の中の第3曲「金色の魚」、「喜びの島」が非常にこなれた演奏でとても印象に残りました。聴きながら瞼に映像が浮かんできて、帰宅後、自宅の画集を2冊引っ張り出してしまいました♪( ´▽`)

以前、ブリヂストン美術館(現在のアーティゾン美術館)で開催されたドビュッシー展で、ドビュッシーが所蔵していた蒔絵の箱の蓋が展示されていましたが、これは直接的にドビュッシーの作品のイメージとなったものです。水中に遊ぶ鯉の姿が描かれており、ドビュッシーが夢中になって集め、影響を受けた日本美術の1つです。金箔を細かくした粉で紋様を描く「蒔絵」は、尾形光琳などの江戸琳派も多くの作品があって私も大好きですが、この金色の鯉がピチピチと動き回る様を連想しながら演奏を聴くのは楽しいものです♪(´ε` )

「喜びの島」は、ヴァトーの絵画がドビュッシーのイメージの霊源と言われていますが、私の持っているヴァトーの画集には、「シテール島の巡礼」と「シテール島への船出」の2つが載っています。ドビュッシーはどちらの絵も見たのかしらん?愛と至福の島であるシテール島をテーマに、恋人たちの様子が描かれています。どちらの絵も、恋人たち以外に沢山のキューピッドがいるのですが、「シテール島への船出」のキューピッドの数があまりに多く.....(笑)一体、何人いるのか?と思って数えてみたら、なんと45人 ('◉⌓◉’)!!1717年に描かれた「巡礼」では15人だったのですが、これでは足りなくて、1年後に描かれた「船出」では45人に増やしたのでしょう(笑)さぞ恋人たちは幸せになることでしょう☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆


<金の魚 蒔絵>IMG_5871_コピー  


 <ヴァトー シテール島への船出>IMG_5873_コピー


      
                          


            
                 
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2024年07月16日 23:40

ケマル・ゲキチ ピアノリサイタルを聴いて

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武蔵野音楽大学のベートーヴェンホールで開催された、ケマル・ゲキチ ピアノリサイタルを聴いて来ました。ケマル・ゲキチ氏は武蔵野音楽大学の客員教授でもあり、毎年のように日本に来日して演奏活動もしていますが、そのピアニズムは非常に強烈で、一度聴いたら忘れない、というインパクトの強さがあります。今までにも何度か聴いており、その強靭なタッチは記憶に新しいですが、非常に納得させられる演奏でした。

かつて、ショパンコンクールで、あまりにも強烈な演奏に審査が分かれてファイナリストに選ばれず、これに抗議した審査員が次々に審査を辞退する、という事件が起きたことは、プロフィールでも紹介されていて有名です。曲の解釈というのは難しく、自分なりの言葉にしたら、いわゆる正統派の演奏ではなくなってしまった、という事があり得ますが、聴衆からは支持され、世界各国を飛び回って活躍しているピアニストの一人です。

今回のプログラムは、ショパン、リスト、ゲキチ氏の作品、で構成されていましたが、前半のショパンは、とても美しいピアニズムでした。極上のピアニッシモのパッセージなど、非常に高い技術が根底にあることは勿論なのですが、自分の眼で作品を精緻に見極めているなぁ、というのが全体を通しての驚きでした。ショパンの中でも一番有名なノクターン作品9−2、華麗なる大円舞曲、子犬のワルツ、幻想即興曲、など、一見して大衆受けするようなプログラムになりがちですが、非常に客観的で静謐な、でも聴き手に語りかけ、心に沁みいる演奏でした。ショパンという作曲家の内面性が、さらに一層吟味され、深淵をみつめているような姿勢が、前半を通してずっと貫かれていたように感じます。

中でも驚いたのは、舟歌でした。左手の波を表す音形が、普通なら揺れるような感じで演奏される事が多いのですが、水の動きは感じるのだけれども、限りなく静かに水面が震えるような、まるで夢の中の遠い出来事を話しているような錯覚に捉われました。個性的な解釈にもかかわらず、スッキリと聴こえ、静かな映像作品を見せられているようでした。美しかったです♪(´ε` )

後半は、ショパンと対照的な個性のリストと、ゲキチ氏の作品でした。どれも聴衆が一体になるような演奏でしたが、ゲキチ氏の「対話」という曲が個人的に印象深かったです。この人は心の中に、神秘的な深淵を持っているんだなぁ、と感じました。ここまで音楽を追求して掘り下げるのか.....と非常に勉強になり、同時に自己反省もさせられた晩でした(-_-b)


                          


            
                 
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2024年07月04日 13:08

「出光佐三、美の交感」展

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出光美術館で開催されている「出光佐三、美の交感(波山・放庵・ルオー)」展に行ってきました。出光美術館の初代館長の出光佐三さんが、同時代の3人の作家たちと関わった軌跡をもとに企画された美術展です。陶芸家の板谷波山のやきもの、小杉放庵とルオーの絵画の3種類の作品で構成されており、とても楽しめました。

2年ほど前、板谷波山という陶芸家のやきもの展が、しもだて美術館、廣澤美術館などで開催されている情報を知り、車を飛ばして見に行った事がありました。その時初めて見た板谷波山の美しい焼きものの驚きと感動は、今でも強く印象に残っています。板谷波山の生涯を描いた映画「HAZAN」も廣澤シティで同時に上映されており、この映画も印象的でした。波山の焼きものに対する一途で厳しい姿勢は、長年の極貧生活の中でも揺るがず、ようやく奇跡のような陶芸作品が生まれたその行程は、想像を絶する世界です。映画の終わりで、波山の陶芸の真髄を認めて高く評価し、これから先、作品を買い取るというスポンサーが登場しますが、その人物が出光佐三さんだったのだ、と繋がりました。あの映画をもう一度見れないかしらん?

今回の出光美術館では、波山の小ぶりな作品が多く、個人的に好きな作品がたくさんありました。掌にすっぽりと入ってしまうような美しい香炉や花瓶、一輪挿しは独特の世界観があり、惹き込まれてしまいます。中でも、出光佐三さんが初めて見て感動した「葆光彩磁葡萄文香炉」、「葆光彩磁花卉文花瓶」→漢字が難しい!(ほこうさいじはなくさもん)と読むのかな?(>人<;)、「葆光彩磁紅禽唐草小花瓶」(掌に乗る一輪挿しの小さな花瓶)が素敵でした。波山の「葆光彩磁(ほこうさいじ)」というのは、白地で光沢がなく、ヴェールをかけたような感じで、でも涼やかでしっとりしており、何とも言えない幽玄さがあります。やきものについては全く知識がありませんが、一目見て、とてつもない時間と行程をかけて、奇跡のような瞬間に生まれる焼きものなのだろう......φ( ̄ー ̄ )と想像がつく感じです。私の好きなロイヤルコペンハーゲン、エミール・ガレなどにも影響を受けたようだとの解説がありました。

小杉放庵は、どの作品にもおおらかさを感じます。風景の中に小さく描かれた人物は愛嬌があり、思わず心が緩みます♪(´ε` )。油彩画と日本画で自身の理想像を追求した画家のようですが、個人的には水墨画がお気に入りとなりました。ルオーは、ステンドグラスの職人だったこともあり、窓枠の中にハマっているように感じる宗教画でした。どれも独特の色使いやタッチで面白いのですが、宗教画ということもあり、ルオーばかりダーッと沢山並んでいたら、キリスト教徒でない私には少し息苦しいかも.....?

3人の作家の作品が、心地良い配置で展示されていましたが、こういう配置って、どうやって決めていくのでしょうね...?以前、「ぶらぶら美術館」という美術番組があり、肩肘を張らない、美術展の裏側なども垣間見えるお気に入りの番組だったのですが、なぜか突然、打ち切りとなってしまいました。10年も続いていたのに......  また復活してくれないかしらん♪( ´θ`)



                          


            
                 
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2024年06月28日 23:35

大河ドラマ「光る君へ」テーマ音楽

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時代劇好きで大河ドラマは良く見ていますが、現在放映中の「光る君へ」も毎週楽しみにしています。このドラマのテーマ音楽は、冬野ユミさんという女性の作曲家の書かれたピアノ協奏曲ですが、聴く度にラフマニノフのピアノ協奏曲が思い起こされてしまいます。毎週「あぁ〜ラフマニノフのピアノ協奏曲みたいだわぁ♪(´ε` )」とほくそ笑んでいます。もちろんラフマニノフの曲とは全く別物なのですが、華やかでドラマティック、繊細でロマンティック性もあり、特に最後のコーダの部分、ピアノが高音部から両手の和音で「ジャカジャカジャカ〜」と一気に降りてきて、オーケストラが「ジャンジャンッ! ジャンジャンッ!」と終わる部分など、ラフマニノフの匂いがします。テーマ音楽の楽譜を見たことはありませんが、ピアノ譜はとても難しそう〜( ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

今週5月26日(日)の放送の後半、主人公のまひろと藤原道長のラブシーンで使われた音楽は特に、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の第2楽章のように聴こえました(*´◒`*)その部分を聴いて、あぁ〜やはりこれはラフマニノフを意識して書かれているに違いない....と確信してしまいました。最近のNHKは以前よりも大胆になってきて、大河ドラマ史上、非常に珍しいキスシーンo(≧▽≦)o でしたが、そういう場面の音楽は大事ですよね.....(笑)

今回の「光る君へ」は平安時代の設定なので衣装も雅で美しく、ヒロインの紫式部(まひろ)と藤原道長との関係も濃厚に描かれてロマンティックな場面も多いので、女性に人気のようです。戦国時代の武将のような勇猛果敢さや合戦シーンこそありませんが、朝廷内での政権争いの様や、歴史には付きもののブラックな部分もわかりやすく描かれており、歴史ドラマならではの内容の濃さを堪能しています。しかしあの十二単、一体何キロあるのでしょう?あれを毎日着て生活していたなんて、歩くだけで重労働のような..... お手洗いは一体どうするのかしらん(・・?)

このドラマに感化され、登場人物の一人、清少納言の枕草子をちょこちょこ読んでいますが、パッと開けたページをちょっと読んでも面白く、楽しい読み物です。もっとも現代語訳と一緒に読まないとわかりかねますが......(>人<;)
枕草子:第六十四段「草の花はススキが一番」で、「夕顔は花の形も朝顔に似て、朝顔、夕顔と続けていうようなしゃれた花の姿なのに、あの実と言ったらもう、ぶち壊しだ。なんであんなに不恰好に育ち過ぎてしまったのだろう」とあったので夕顔の実の写真を調べてみたら、吹き出してしまいました(笑)確かにねぇ..... 白く優雅な夕顔の花とは雰囲気が相反する感じで....(^。^) ドラマも後半にさしかかる頃なので、紫式部が源氏物語を書き始めるシーンが楽しみです。そろそろ「あさきゆめみし」を引っ張り出して読み直そうかしらん?

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2024年05月30日 12:12

遠藤周作「深い河」

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家の本の整理をしていたら、ふと遠藤周作の小説「深い河」が目に留まり読んでみました。はるか以前に遠藤周作さんの本を数冊読みましたが、時を経てまた読むと違った印象に感じます。数人の登場人物の生き様や生き方が描かれ、それぞれの人生の意味や苦悩を見せられながら、読者にじんわりと問いかけてくる感がありました。登場人物たちがインドへ旅し、ガンジス河にたどり着くのですが、文化や宗教や価値観の違い、貧富の差など、平穏な生活とは異なる世界が描かれ、この世の理不尽さや生きる意味を突きつけられるズシンと重みのある小説でした。久しぶりに重量級の小説を読んだので、色々と考えさせられてしまいます(( _ _ )) インドへは行ったことがありませんが、ガンジス河の光景を現実に目の当たりにしたらどう感じるのだろう?と自問自答してしまいます...d( ̄  ̄)

遠藤周作さんの小説でもう一つ、強烈な記憶が残る作品が「沈黙」でした。これも若い頃に読んだものですが、作曲家の松村禎三さんがオペラ化し、その初演を観に行った時のことが鮮明に蘇ります。「沈黙」は、キリスト教の弾圧を通して神の存在意義が問われるような非常に重い内容で、読んだ当時、胸が苦しくなるように感じた小説でした。その小説を元に、松村禎三さんが長い年月をかけて練りに練って作曲されたオペラ「沈黙」も、小説の内容をよりリアルに音楽で感じさせられる作品でした。初演の後、舞台に集中しすぎたのか、若かりし身のひ弱だったせいか、とても疲れて帰宅したのを覚えています。

オペラ「沈黙」は、その後も何度か上演されているようですが、時間が経った今、もう一度観たらどう感じるのだろう?と、ふと観たくなりました。

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2024年05月15日 23:35

二条城と廬山寺

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京都の二条城を一度見ておこうと思い、雪舟伝説展の帰りに立ち寄りました。一番有名な観光地の一つで、京都に幾度も足を運んでいるのにもかかわらず、中学の修学旅行以来でした。大人になってから訪れると、その凄さがわかりますΣ('◉⌓◉’)  広大な敷地もさることながら、内装の襖絵、天井、部屋の仕切り板の彫り物に至るまで、細部に豪華絢爛な装飾が施され、改めて徳川家康の絶大な力の大きさに驚かされました。何度も繰り返し全話見ている大河ドラマ「葵〜徳川三代〜」の世界が目の前に現れ、ドラマのシーンが沢山思い起こされます。地方から来た武士達が袴を着け、控えの間で面会の待ち時間をこんな部屋で過ごしていたら、さぞ肝をつぶしただろうと古き時代に想いを馳せるのは楽しいものです。将軍が面会の武士に謁見する一段高い御座所、将軍のプライベートな寝室など、TPOに合った部屋の作りが印象的でした。御座所では、天井まで面会する武士との格の差を感じさせるような作りになっており、なるほどね〜という感じです。ただ、広いこと広いこと......!!ちょっと方向音痴のケがある私には到底覚えられなさそうな部屋の数々、迷路のようでした( ̄^ ̄)ゞ

もう一つ、紫式部の生家だったという廬山寺にも足を運んでみました。廬山寺は小さなお寺ですが、今放送中の大河ドラマ「光る君へ」で脚光を浴びています。紫式部が育ち、生活した跡地で、静かで素朴なお寺でした。源氏庭と呼ばれる庭が、ちょっと腰掛けて静かに時を過ごすのにちょうど良い大きさです。6月頃から桔梗が咲きほこるとのことで、桔梗で一杯になる庭を見れなかったのが残念でした(T ^ T) 桔梗やリンドウ、藤など、うすい紫やブルー系の色に心惹かれることが多く、清楚で凛とした桔梗の花が咲く庭にまた訪れてみたいです。

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2024年05月09日 23:10

おがさわらピアノ教室

【電話番号】 080-8132-4676

【住所】 〒177-0044
東京都練馬区上石神井3丁目

【営業時間】 <レッスン時間>13:00-20:30
<受付時間>11:00-21:00

【定休日】 不定休

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