おがさわらピアノ教室|東京都練馬区

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ユトリロ展

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新宿の損保ジャパン美術館で開催されているユトリロ展を見に行きました。ユトリロの描くパリの街や建物は独特の陰鬱さがありますが、同時にとても惹かれます。人をほとんど描かないのに、なぜか建物の中にいる人を想像してしまう、生きた建物というのでしょうか、人の気配があります。ユトリロの絵ばかり、これほどの数を見たのは初めてでしたが、子供の頃からアルコール依存症で幾度となく入退院を繰り返し、苦しい青春時代を送った孤独感がじんわり絵に滲み出ていて、魅力的なのだけれど、ざらりとするものがあります。展覧会で後ろの方に展示された絵は、結婚して幸せ感が出てきますが、苦しい時代に描かれた絵の方に魅力を感じるのは皮肉なものです。

最近の美術展は、スマホで写メを撮って良いものも増え、今回のユトリロ展も殆どの絵が撮影可能でした。絵を見ながら歩く時間は至福の時ですが、自分の心に照らし合わせて、どの絵を
撮って帰ろうかな?と撮影ポイントを探すのも最近のスマホ対応の美術展ならではかもしれません。この日の一番のお気に入りは「ラパン・アジル」、次がちょっと地味目の「サン=ピエール広場から眺めたパリ」

「サン=ピエール広場から眺めたパリ」IMG_0518_コピー

斬新でインパクトのある「マルカデ通り」IMG_0523_コピー



ちょっと怖かった絵が「サン=ディディエの教会、ネイロン」IMG_0530_コピー
この教会はゾゾゾっとします。見ていると吸い込まれそう。一度見たら忘れない感じの絵ですね。

晩年の幸せな時代に描かれた「ボワリエール・エコールの教会と通り」は、とても美しい絵なのだけれど、綺麗すぎてユトリロ独特の魅力が少し薄いような.....

「ボワリエール・エコールの教会と通り」IMG_0534_コピー
 なんて随分勝手なことを一人で考えながら絵に浸った幸せな時間でした。



    


                          


            
                 
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2025年11月05日 22:05

映画「国宝」

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夏頃からずっと気になっていたロングランの映画「国宝」を観てきました。上映時間3時間!という長い映画でしたが、飽きることなく食い入るように見入ってしまい、心にズシンと残る名画でした。吉田修一さんの小説「国宝」の映画化で歌舞伎役者の世界を描いたものですが、芸の道の奥深さ、また恐ろしさも伝わり衝撃的でした。音楽と歌舞伎の世界は違いますが、芸術の本質では共通するものがあり、あぁ私もこういう感情を感じたことがあったなぁと痛感する場面もありました。映画の中で主人公が、ライバルの務める舞台を見て努力では到底敵わない持って生まれた才能、頭で殴られるような衝撃を食らい、自らその世界を去るシーンがあります。世の中にこういう人っているんですよね...... 私も数十年前に一人、そういう異常な才能を持つ人に出会ったことがあります。人の演奏を聴いて、その人の中身が全部透けて見えてしまうような人。自分のそれまで培ってきたものが一瞬で変わり、自分のやってきた事が恥ずかしくてたまらなくなり、自分が嫌になるような、人生がガラリと変わってしまう、そんな一撃でした。ただそこで感じたもの、学んだものが私の原点となり、それまで見えなかったものが見えるようになり、今の自分に繋がっているのですから不思議なものです。あの時間がなければ私は音楽の深淵を知る事もなく演奏を続けていなかったかもしれず、今となっては人生の宝物です。

それにしても「国宝」のキャストの吉沢亮さんと横浜流星さんの歌舞伎の演技は圧巻でした。歌舞伎やお能の仕草や身のこなし、声の出し方など、まるで梨園の家に生まれ育ったような演技で、さぞ凄まじい練習をしたのだろうと想像を絶するものがあります。私は個人的には歌舞伎よりもお能の方が内面的で好きなのですが、歌舞伎も見てみようかなと思わせられました。歌舞伎役者の役者さんがキャストを務められたなら、すぐできるであろう歌舞伎の演技を、全くやったことのない俳優さんがよくもここまで人を感動させられる表現に辿り着けたなぁと感じます。身体の内から滲み出る色気、心の底から感じて役になりきる表現力。映画に圧倒されてガイドブックを買ってしまいました( ´∀`)
                            
          


                          


            
                 
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2025年10月20日 23:18

スーパースタートリオ(パユ、ル・サージュ、ジャン=ギアン・ケラス)の演奏を聴いて

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王子ホールでチェロのジャン=ギアン・ケラス、フルートのエマニュエル・パユ、ピアノのエリック・ル・サージュ、スーパースター三人によるトリオの演奏を聴いてきました。世界のスペシャリストの何とも贅沢なトリオ、パユ&ル・サージュのデュオの一夜についで興奮する演奏会でした。ジャン=ギアン・ケラスは超イケメンの世界的なスーパースターのチェリストですが、ハイドンのトリオではバスをなぞるようなパートを奏でる訳で、こんなことさせて良いの?と思いきや、バスをただなぞるだけの音がゾクゾクするような良い音でした♪( ´θ`)
ピアノトリオの曲は沢山ありますが、フルート、ピアノ、チェロの組み合わせのトリオは少なく、ヴァイオリン、ピアノ、チェロのトリオの曲のフルート版です。でも元々フルートのために書かれた編成なのかと思わせるような、とろけるような調和の取れた演奏でした。

ハイドンのトリオ2曲の後、日本人の作曲家である細川俊夫さんの「レテの響き」という作品が演奏され、この曲がプログラムの中で一番強烈な印象でした。ゾワゾワするような狂気をもつ独特の雰囲気、お能のような幽玄な世界観が見え隠れし、まるで古事記の一場面が目の前で繰り広げられているようでした。目の前にコバルトブルーの空間が現れ、濃い霧が立ち込めた竹藪の中にいるようにも感じました。「レテ」というのはギリシャ神話に登場する忘却の河を指すとのこと、消失の悲しみと生成の希望が同時に存在する世界が表現されているようです。この作曲家の作品を他にも聴いてみたいなぁ.....フルートとピアノのデュオの作品はないかしらん?

王子ホールの会場で販売していたジャン=ギアン・ケラスの著書「バッハ<無伴奏チェロ組曲>との旅」という本が面白そうだったので購入し、読むのが楽しみです。J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲は大好きで、車で移動中によく流しますが、ケラスの<無伴奏チェロ組曲>がとても気になり、CDも買ってしまいました。室内楽はソロと違う難しさや魅力がありますが、スペシャリストの演奏会を2晩も聴けて本当に勉強になりました。


    ジャン=ギアン・ケラス著書 IMG_0466_コピー
           
                            
          


                          


            
                 
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2025年10月03日 22:12

世界のスペシャリスト パユ&ル・サージュのデュオを聴いて

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銀座の王子ホールで世界のスペシャリスト二人の演奏を聴いてきました。フルーティストのエマニュエル・パユとピアニストのエリック・ル・サージュのデュオです。このお二人の演奏は何度も聴いていますが、今年も唸るばかりの演奏で超興奮の時間でした。フルートとピアノ、お互いの心が通じ合っているのが手に取るようにわかり、フルートもピアノも信じられない程、音の色彩が変化します。音には色がありますが、こんなにも変化するものかしらん......多彩な音色を自在に操り、デュナーミクも場面展開の凹凸もドラティック、これ以上ないほど勉強になると同時に、うーん、どうしたらあんなに色彩感溢れる音が出せるのかしら?と驚嘆してしまいます。まぁ世界のスペシャリストなので、それも練ったプログラムを日本に持ってくる筈だし当然なのかもしれませんが、あまりにもレベルの高い演奏で唖然でした…..Σ('◉⌓◉’)

前半はモーツァルトのヴァイオリンソナタのフルート&ピアノ版を2曲でしたが、語り口が美しく、ル・サージュのppが本当に涙が出るほど繊細で、フルコンのスタインウェイを一体どうしたらあんな風に扱えるのかと不思議なくらいです。モーツァルトの影の部分は、本当に心から曲の中に入り、演奏家自身の祈りのような、内面の奥底から出る心情で弾かないと、観客に伝わらないように感じます。どんなに巧みなテクニックをしても、明るいモーツァルトの心の闇のような部分はなかなか......パユもル・サージュも恐ろしく感受性が豊かで、日々その感性を更に磨く毎日を過ごしているに違いありません☆*:. o(≧▽≦)o。.:*☆

後半、ライネッケの「ウンディーネ(水の精)」は、来年の2月にゆめりあホールで開催予定のデュオリサイタルで私もプログラムに入れる曲なので、全身全霊の全集中!!で聴き入りました。弱音ペダルの使い方、ドラマの作り方、色の変え方、全てが新鮮でショッキング!!練習中のこの曲がガラリと変わるような目の覚めるような演奏でした。ドイツ文学の小説家フーケが書いた「ウンディーネ」からインスピレーションを受けてドイツのライネッケが作曲した作品ですが、パユとル・サージュの演奏は水の精と人間とのドラマが目の前で繰り広げられているかのよう、非常にドラマティックで水しぶきが飛んできそうな感じ!!うーん、あんな風に弾いてみたいものだわぁ.....(T ^ T) 聴いている観客が、まるで映像を見ているような、場面展開に吸い込まれてどうにかなっちゃうような、そんな演奏でした。あぁ〜練習を一からやり直さなきゃ......ʅ(◞‿◟)ʃ でも何と素敵な一夜だったことでしょう。来年も、何が何でも日本に来てもらわなくちゃ.....♪(´ε` )  演奏会後、二人のサイン会が1階ロビーであり、出待ちをしてちょっと写真を撮らせて頂き、でもCDは既に家に沢山あるので買わず.....でも同じCDをもう1枚買ってでもサイン貰えば良かったかしらん?なーんて幸せな悩みを抱えながら浮かれ気分で帰途につきました♪( ´θ`)ノ


サイン会場で IMG_0159_コピー     IMG_0160_コピー


                          


            
                 
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2025年09月28日 23:12

田代慎之介ピアノリサイタルを聴いて

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上野の東京文化会館小ホールで開催された「田代慎之介ピアノリサイタル」を聴いてきました。今回のプログラムは何とリストの超絶技巧練習曲を全曲!!今まで数々の演奏会に行きましたが、リストの超絶技巧練習曲を全て聴くリサイタルは初めてです。演奏会までの練習過程を想像するだけでなんて恐ろしい.....Σ('◉⌓◉’) プログラム冒頭はモーツァルトの短調のロンド、これはスーッと心地よく胸に響く前菜。その後、リストの超絶技巧が12曲、休憩を挟んで演奏されました。よくありがちなリストの演奏は、名人芸的ピアニズムが「これでもかぁ〜」と全面に出て、時に強過ぎるエネルギーがギラギラとキツく感じられる場合もあるのですが、昨夜の演奏会では全くそんなことは無く、ずうっと聴いていられるリストでした。何と言っても「超絶技巧」ですからピアノの最高峰のメカニックを駆使した難曲ばかり。全曲通すだけでもゾッとしますが、その中で今回の演奏会は、リサイタルを通して何か一貫した信念があるように感じました。

リストはスーパースター的ピアニストの華やかな面が有名ですが、哲学的、宗教的な面や深い思索もあります。昨夜の演奏会では、超絶技巧の作品ながらもリストのそういったコアの部分を壮大な歌に仕上げようとしていたように感じました。以前、ゴーギャンの<我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか>という絵が日本に来た時、見に行った会場で動けなくなるような、何かを突きつけられるような衝撃がありましたが、その絵を見ていた時にふと、リストのロ短調ソナタや「ダンテを読んで」とリンクするような錯覚があったのを思い出します。人間の人生とは何か?を問う姿勢のような...... 私の大好きなミレーの「羊飼いの少女」と言う絵も、少女と広い草原と羊たちを描いているのに、その絵の向こうに神への敬虔な祈りや感謝の心を感じます。一本貫く信念のようなものが根底にあると、それが演奏や作品を通して滲み出てくると言うことなのかもしれません。

リストのロ短調ソナタは憧れですが、私の小さな手では到底無理な話で......(T ^ T) だってリストは小指がなんと8センチ!!私の中指より長い!とんでもない指の長さですo(`ω´ )o 顔が超イケメンなのは知っていますが、きっと手足も長かったんでしょう。万博で見た足が1メートル以上あるチェコスロバキア館のお兄さんみたいに....

昨夜のコンサート、個人的には後半の8番〜12番がとても印象に残りました。8番「死霊の狩り」では独特の世界観に浸り、9番「回想」は繊細な美しさに魅了され、10番は非常に完成度が高くて壮大なスケールの歌に聴こえ、11番、12番は癒され...... 演奏会前、冷房の効きすぎた場所にいたせいか、気圧のせいか、軽い頭痛がしていたのに、なぜか演奏会が終わったら治っていました。音楽に惹き込まれて癒されたからかしらん?♪(´ε` )


                          
            プログラム IMG_0116_コピー

            
                 
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2025年09月04日 11:05

万博から得る豊かな世界

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今年の夏は猛暑どころか酷暑となっていますが、万博熱は高まっているようですね。かく言う私も万博の面白さにすっかりハマってしまい......思えば1889年のパリ万博でドビュッシーが東洋の楽器や美術品に衝撃を受け、夢中になってしまったエキゾティシズムからドビュッシーの名曲がたくさん生まれた訳ですが、ちょっとその気持ちがわかったかも?今回の万博は音楽と映像が一体になったものが多く、視覚からも聴覚からも刺激をたくさん受けます。

万博会場の海に面したウォータープラザで毎日開催されている噴水ショーでは、数十メートルの幅で水が相当な高さまで噴き出て、壮大な音楽に合わせて右へ左へと踊り回り、音楽を水で表現していました。リストの作曲の源となった「エステ荘の噴水」の噴水はどんなだったかしらん?と想像しながら、爽快な気分に......
ベトナム館では、3人の奏者による民族音楽の実演があり、名前も知らない楽器の音が新鮮でした。琵琶に似たもの、太鼓、もう1つは竹でできた楽器です。ヨルダン館では、ヨルダンから運ばれてきたサラっサラの砂場に裸足で入り、360度ぐるりと張り巡らされた砂漠の夜空を見ました。非常に美しかったです。夜の砂漠というと、生徒のレッスンで教えているカバレフスキーのソナチネ第1番の第1楽章の第2主題や第2楽章は、なぜか目の前に夜の砂漠の景色が浮かびます。正にその世界..... ヨルダン館の2階では天然石を使ってコースターを作るコーナーがあり、記念に作ってみました。アイルランド館では来場者が触れられる小さめのハープがあり、ハープに初めて触り..... 意外に柔らかい弦の感触でした。

  ベトナム館民族音楽 IMG_9028_コピー       
 ヨルダン館で作ったコースターIMG_0118_コピー

ウズベキスタン館ではサマルカンドブルーの建物の映像が美しく、ネパール館では曼荼羅を細工した彫刻に目を見張り、ペルー館ではナスカの地上絵の研究を山形大学が行なっていることに驚き.....ナスカの地上絵ってなんと893点もあるんですね!! トルクメニスタンなんてどこにあるかも知らなかった国の展示も面白く...... トルクメニスタン料理、レストランが行列で入れませんでしたが、食べてみたかったなぁ.....ʅ(◞‿◟)ʃ カタールやオマーン、サウジアラビアなどのアラブ系の国は、おもてなしの心が伝わってくるパビリオンでした。砂漠の国に共通した感覚のような気がします。   
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イタリア館は芸術を前面に出した展示で、共同開催でバチカンから持ってきたカラバッジョの名画、古代ローマ時代の彫刻「ファルネーゼのアトラス」、ミケランジェロの彫刻「キリストの復活」に暫く魅入ってしまいました。「ファルネーゼのアトラス」のような名品は、なかなか美術展でも日本に来ないので、さすが芸術大国は凄いものを持ってくるなぁという感じです。腕の血管まで詳細に彫られていました。絵と違って彫刻は非常に重いので、なかなか日本まで来てくれないんですよね..... 酷暑で行列だらけの万博、朝から晩までの滞在は疲れますが、知的好奇心を満たすには余りある世界でした。

  イタリア館「ファルネーゼのアトラス」IMG_7383_コピー_コピー_コピー




            
                 
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2025年08月05日 11:05

北海道ガーデン巡り

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以前から行きたかった北海道のガーデン街道巡りをしてきました。北海道と言えども夏はやはり暑いんですね、帯広はなんと36℃!! 帯広〜旭川方面にガーデンが点在し、車で移動しながら7つのガーデンを散歩。お菓子の六花亭が経営する六花の森と中札内美術村や、十勝ヒルズ、真鍋庭園、柴竹ガーデン、十勝千年の森、そして富良野のファーム富田です。六花の森では青い空と小高い丘のコントラスト、美しい白樺のトンネルがとても印象的でした。丘の上にドーンと置かれたロダンの「考える人」に似た丸っこい石像が、妙に風景にマッチしてクスッと笑えます。

    六花の森 IMG_6946_コピー  IMG_6923_コピー
少し離れたところに、同じく六花亭の経営する中札内美術村があり、小さな美術館7軒を歩いて回ります。静かで人気も少なく、絵もなかなか見応えがありました。個人的には百瀬智宏さんの絵に一番惹かれ、最初は写真かと見まごうほどでした。北海道の風景の描写が本当に美しく、絵を見ていると木の葉が川に舞い落ちる音や、雪のサクサクした音が聞こえて来そうです。東大寺の襖絵を手がけた小泉淳作画伯の絵も印象的でした。襖絵の題材にもなったハスの絵は、ちょっと狂気を感じるほど。帯広駅に程近い真鍋庭園は、大きな森を切り取った感じの庭園で、木陰がたくさんあって癒されます。大きな樹木がこんなにあるガーデンもあるのだと驚きながら散策していくと、日本庭園だったりヨーロッパ風庭園だったりと景色が映り変わります。ドーンと広い丘も気持ちいいですが、木々に囲まれているとエナジーを感じます。

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十勝千年の森は、あまりに広大でビックリΣ('◉⌓◉’) 山まであって、この暑さでなければ登ってみたいですが、今回は平地のみに.....( ◠‿◠ )青い空と草原と山が広がる光景を、大きな木の下に座ってのんびり眺める時間は至福です。ものすごい数の蝶が飛び回り、東京では見たこともない黒地にロイヤルブルー模様のアゲハ蝶も見かけました。なんていう蝶かしらん?ただ、蝶の写真を撮るのは至難の業で、止まっていても近づくと飛んでいってしまうし、飛んでいると焦点を絞れないし......悪戦苦闘の末、諦めました(笑)木々にガラスの風鈴が無数に掛けてある「涼を呼ぶ庭」という庭があり、カラカラと鳴る涼やかな音色がなんとも心地良く......広すぎて全部回りきれないほどでしたが、ここはまたいつか来てみたい.....

       十勝千年の森 IMG_7067_コピー   IMG_8118_コピー

富良野に移動して最後に立ち寄ったのは、ラベンダーで有名なファーム冨田です。6月下旬〜7月末にラベンダーの紫一色に染まる農園で、全国からこの時期めがけて観光客が集まります。美しい紫の畑の周りを散歩していると、ラベンダーの香りが風に乗って漂ってきます。お土産屋さんもラベンダー尽くし.....紫色のものばかりが並ぶお土産屋さんは、全国でもここだけじゃないでしょうか.....( ´∀`)

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帰りがけに、富良野に行くといつも立ち寄るニングルテラスというお土産屋さんで木彫りの人形を1つ買いました。「森の楽団」シリーズで、それぞれ楽器を手にしています。行く度に1つずつ集めていて、またレッスン室に1人増えました。そろそろケースがいっぱいかも.....?北海道は何度行っても良いですが、次はいつかしらん?

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2025年07月18日 11:05

ル・カインの額絵&さくらももこ「憧れのまほうつかい」

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楽しみに待っていた絵が美術館から届きました。先月行ったエロール・ル・カイン展で購入した「いばらひめ」の額絵です。2ヶ月ほどかかる予定だったのが随分早く届き、嬉しくてすぐレッスン室に飾ってみました。ル・カインの絵本は既にコレクションしていますが、原画は絵本より深みがあり、丹精込めて描いた心の息吹が感じられます。数十年前、この絵本に出会った時の感動は現在も変わらず続いており、何度見ても癒されます♪( ´θ`)特にお気に入りなのは「いばらひめ」「おどル12人のおひめさま」「キューピッドとプシケー」。「シンデレラ」の挿絵もとても素敵で、馬車でお城に向かう場面など、河に映って馬車が逆さまになっているアイデアが素晴らしい!!

ル・カインの挿絵はどれも美しいですが、この「いばらひめ」の1枚はとりわけイメージに満ちて雰囲気抜群!!ル・カインは東洋風、中国風、日本風、アメリカ風、中東アラビア風など、本の中身に応じて全く違うイメージの絵を描く挿絵画家ですが、この絵はヨーロッパのクラシカルな感じです。「眠りの森の美女」と内容は同じで、王女の誕生を祝うパーティーに招かれた仙女たち一行が、夜の森を抜けてお城に向かう一場面です。この12人の仙女たち、とっても素敵な衣装に身を包み、ユニコーンの背に乗ったり、鳥に乗っていたり、自身の翼で飛んでいたり、籠に乗っている二人を3人が運んでいたり、孔雀に乗っていたり..... よくもまぁこんな想像力豊かな空間が浮かんでくるなぁと魅入ってしまいます。パーティーに招かれなかった仙女が恨めしげに木陰から覗いていたり..... 御伽話の絵本と言えども侮るべからず!見る人がその世界に入り込んで想像力を膨らませることのできる芸術性の高い作品で、こんなに夢中になったり童心に帰れるものは幾つになっても大事にしたいものです。

エロール・ル・カイン展では、私と同じくこの画家に夢中になった「さくらももこ」さんが執筆した「憧れのまほうつかい」も展示してありました。「ちびまる子ちゃん」で有名な漫画家さんですね。この本は、若かりし頃のさくらももこさんがエロール・ル・カインの本に出会って夢中になり本を買い集め、原画の蒐集家と出会い、ル・カインの絵をもっと普及させるべく、その軌跡を追って渡英したりと、とてつもないル・カインへの情熱愛を極めた体験談の本で大変面白かったです。こんなにル・カインの絵に惚れ込む人がいたんだわぁ( ´∀`)と嬉しくなりました。ももこさん独特の小気味よい文体で面白おかしく語るイギリスでの体験談は、ひと息に読めてしまいます。爆笑シーンもあり.....)^o^(  ただ、命を削って絵の仕事に打ち込むル・カインの妻が芸術に何の理解もない女性だったと知って悲しくもなり..... 芸術家の妻たる者、その芸術の価値を一番理解して応援する存在となるべし!o(`ω´ )o エロール・ル・カインの絵本が日本で知られるようになったのは、実はさくらももこさんのお陰もあったと知り、ももこさんにも個人的親近感を覚えてしまいました。日本未発売のル・カインの「グランマ」、英語版でもいいので近々出版してほしい.... ♪(´ε` ) 
            
                 
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2025年06月25日 11:45

「藤田嗣治」展

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新宿のSONPO美術館で開催されている「藤田嗣治」展に行きました。数ある展示の中で人物画が圧倒的に多く、自画像をこんなに描く画家がいるのだと驚きましたが、そのデッサンの上手さにビックリ!人の身体の柔らかさを線ひとつでこんなに描けるものかと思ってしまいます。個人的には人物画よりも風景画の方に惹かれるせいか、一番気に入った絵は「ヴォジラール、パリ」という作品でした。建物の巧みさに驚嘆するばかりでなく、1階の出入り口からひょいと人が出てくる気配、年数の経った建物で人が生活している様子が想像でき、その地域の雰囲気が漂ってきます。人物画が圧倒的に多い画家ですが、風景画をもっと見てみたいなぁ.....♪( ´θ`)ノ人物画は乳白色のような色がベースとなり、この何とも言えないほのかな乳色が印象的でした。モディリアー二とも親交があったようで、「あれ?これはモディリアーニの人物画に似ている?」と思わせる作品もありました。 

SONPO美術館には、特別に場所が設置されて鎮座ているゴッホの「ひまわり」があります。この日もお目にかかることができました。ただ......ゴッホのひまわりは、個人的にはちょっと....(^.^) 今まで何度も見ていて、見る度にすごいなぁと存在感と迫力に圧倒され、決して嫌いではないのですけれども.....「ひまわり」の圧が強すぎて、美術館で椅子に座って観るのなら安心して見れますが、例えレプリカだったとしても家に飾ったら気持ちが落ち着けない気がします。まるで見られているような......ゴッホの絵は以前、運動靴を描いた作品で、その靴が絵から飛び出て歩き出してくるようなゾッとするリアル感を感じたこともありましたが、異常にこちらに出てきます。パリの夜のカフェを描いた絵などは好きですが、「ひまわり」はその存在感が強烈なんですもの......('◉⌓◉’) 凄いなぁと尊敬するけれど、隣にいるのは無理....って感じかしらん。でもSONPO美術館の次の展示が秋のユトリロ展なので、また近々会うことになるでしょう。


            
                 
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2025年06月17日 23:12

プレトニョフ ピアノリサイタルを聴いて

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サントリーホールで開催されたミハイル・プレトニョフのピアノリサイタルを聴いてきました。毎回行く度に音楽の意味や深さを思い知らされ、これほど心に染み透る演奏が存在することに感動します。今回のプログラムは、前半がベートーヴェンのソナタ「悲愴」と「月光」の2曲、後半がグリーグの抒情小品集からの16曲でしたが、ベートーヴェンでは衝撃を受け、グリーグでは時間が止まっているような美しい光景が目の前に浮かびました。プレトニョフの弾くベートーヴェンは、テンポの運びなども自由でみずみずしく、全てが言葉に聞こえてきます。どこをどう感じ「これはこういう話をしているのです」というのが手に取るように伝わる演奏でした。いわゆる正統派のかっちりしたベートーヴェンを聴き慣れているとギョッとしますΣ('◉⌓◉’) しかし自由でありながらもベートーヴェンの持つ圧倒的な説得力や深い沈静があり、プレトニョフの真の言葉でした。「悲愴」の冒頭・導入部が特に印象的で、疑問提起と納得感、心の揺れ幅の大きさに心を打たれました。「月光」の1楽章の達観した静寂、2楽章の木漏れ日のような穏やかな時間、3楽章の怒涛は意外に静けさも存在し、ベートーヴェンとプレトニョフの人生観が重なるようにも聞こえました。あんなベートーヴェンもいいなぁ......♪(´ε` )
                                                
グリーグの抒情小曲は、日記のように37年間に渡って書き続けられた珠玉の作品集です。ショパンのマズルカの在り方と似ているかも.....? グリーグが、ある日のふとした感情、ある日の光景、ふとした瞬間などを切り取って形にしたものを、プレトニョフが追体験して見えた光景を映像化しているかのように感じました。それはそれは美しかった........ ♪( ´θ`)観客がプレトニョフの世界にワープして同じ光景を見ているようで........ 行ったこともないノルウェーの大自然が浮かびます。客席の真っ暗に近い照明の中でプログラムの曲名と照らし合わせるのが大変でしたが(笑)、「小鳥」「郷愁」「過ぎ去った日々」「夏の夕べ」が特に印象に残りました。「過ぎ去った日々」は、痛みを伴う過去の思い出、心の底にじんわり存在する後悔、そんなものが垣間見られ、シュトルムの小説「みずうみ」がふと浮かんだり...... 誰しも心の中に「あの時違う行動をしていたらどうなっていただろう....」という想いを持っているものですが、プレトニョフも、ロシアを深く愛しながらも脱出せざるを得なかった芸術家であり、重なるものがあるのかもしれません。

聴く人の音楽に対する姿勢をガラリと変えてしまうような影響力を持つプレトニョフ。こんな人が世界に他にいるかしらん? 帰り道に偶然、東フィルの友人に会い、プレトニョフがオケのリハでどんな指示をするのか尋ねたら、「ほとんど何も言わないの。でも自然に良い音楽になっていくのよねぇ」とのことでした。なるほど......同じプログラムを二度でも三度でも聴きたくなる演奏をする芸術家とはそういうものかもしれません。

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2025年06月05日 23:15

おがさわらピアノ教室

【電話番号】 080-8132-4676

【住所】 〒177-0044
東京都練馬区上石神井3丁目

【営業時間】 <レッスン時間>13:00-20:30
<受付時間>11:00-21:00

【定休日】 不定休

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