おがさわらピアノ教室|東京都練馬区

【東京都練馬区】マンツーマンのピアノレッスン 3歳より入会可能です!まずは無料体験レッスンから!

ホーム ≫ ブログ ≫

ブログ

アレクサンドル・タローのバッハCD

IMG_6305
昨年行ったアレクサンドル・タロー(ピアノ)とジャン=ギアン・ケラス(チェロ)の演奏会で買ったCDが最近とてもお気に入りです。アレクサンドル・タローのピアノソロのCDで、全てJ.S.バッハの曲ばかり、タロー編曲による曲も多く、原曲のジャンルも幅広いものになっています。このCD、冒頭から心に染み入るように美しく、まるで天上の音楽です。伸びやかで、自由に羽搏くような自由さと潤いに満ち、以前覚えた「はるけさ」という言葉が似合います。この「はるけさ」という言葉は、愛読書のフルトヴェングラーの「音と言葉」という本で覚えた、バッハの本質について書かれた記述の中の一節です。高校生の頃に初めて読んだ時、なんてピッタリな言葉かしらん♪( ´θ`)と嬉しくなり、以来お気に入りの言葉になりました。

このCDを聴いていたら、精神安定剤にしている教会カンタータBWV182の中の数曲とか、自分で編曲できたらなぁ......_:(´ཀ`):と思ったりもするのですが、こればかりはうーん何とも.......(˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ 作曲家と違ってこういう時に使えないのがピアノ科なのでして...... もしスコアから頑張ってアレンジできたとしても、いざリサイタルで弾くとなると、編曲⚪︎⚪︎⚪︎と名前を出すなんて恐ろしい事はとてもとても......(˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ といって誰か作曲家に頼むにしても、バッハをちゃんと研究している方でないとなかなか難しく....この企画は葬り去るしかありません(笑)

バッハが生涯で作曲した曲は大変な数で、カンタータだけでも200曲以上だったかな? 高校時代の恩師で芸大の作曲科出身の先生がバッハ大好き人間で、それがカンタータに出会ったきっかけでした。この先生がご自宅で開かれていた教会カンタータのレクチャーに何度となく通ったのを思い出します。小さい頃からバッハは好きでしたが、この先生にマタイ受難曲の色々な場面の説明やら、カンタータの魅力を教わってさらにバッハ好きに......( ´ ▽ ` )。高2の時の学園祭の演奏会では、伴奏法の授業で使っていたチェンバロを借りて、2本のヴァイオリンのための協奏曲を友人2人と演奏しました。あれは練習楽しかったなぁ.....ただ.......( T_T) !!本番の演奏は悲しい結果となりました。チェンバロという楽器、これは古楽器なので、現代の楽器と対等に演奏できるものではないのです。チェンバロの置いてある楽器庫で練習していた時はわからなかったのですが、良く響く演奏会ホールに出した途端、チェンバロの音はヴァイオリン2本の音に完全にかき消され、ほとんど聞こえなかったそうです。経験の浅い未熟な高校生ならではの出来事でした(笑)苦い思い出になりましたが、なかなかチェンバロなんて触れないので良い経験させてもらったなぁ....  社会人になってチェンバロという楽器を少し勉強し、ピアノでの演奏にも繋がっています。これも元を辿れば、高校の伴奏法の試験でチェンバロを使って古楽器の先生(通称ゴッツ)と演奏したバッハのフルートソナタでした。そして更に、そのフルートソナタが演奏したいなぁと思っていたらフルートの今の相棒に巡り合い.....人生、いろいろと数珠繋ぎになるものですね.....
                          


            
                 
お問い合わせはこちら
2025年02月05日 23:22

福田美術館 伊藤若冲の激レアな巻物

IMG_6285
年始に行った京都の最終日、以前から行きたかった福田美術館に立ち寄りました。この美術館は5年前にできたばかりで、嵐山の渡月橋が見渡せる位置に立地し、美術館のカフェからは非常に良い眺めです。開館5周年ということで、世界初公開の伊藤若冲の巻物など話題性もあった展示でしたが、なかなか素敵な美術館で面白かったです。伊藤若冲の水墨画も多く展示されており、筆のタッチの見事さに魅入ってしまいました。展示物の撮影は普段は禁止ですが、たまたまお正月だったせいか、全展示物が撮影可能の日でラッキー。若冲は独特のマニアックな観察力で描く動物が面白いですが、今回の目玉の巻物は、なんと野菜ばかり52種類も描いた「果蔬図巻(かそずかん)」という巻物でしたo(≧▽≦)o  しかしこの巻物が面白く、若冲の手にかかると野菜が生き物のようにも見えます。野菜をずらりと延々描くなんて、なんてマニアック!!しかもこれを描いたのは若冲75歳。若々しいというか、執着心や拘りが何とも凄い75歳です。この「果蔬図巻」は、ヨーロッパの個人の所蔵だったものが、日本に里帰りして福田美術館のコレクションに入ったそうです。美術館所蔵となると、また見られる機会もありそうで嬉しい( ´∀`)。他にも鯉が飛び出て来そうな水墨画や、お得意の鶏や鳳凰の絵もありましたが、ちょっと面白かったのが僧侶の托鉢を描いた絵でした。ぞろりと列を成して托鉢する僧侶たちの表情が、それぞれ異なり、和気あいあいと楽しそうです。

     IMG_6281_コピー   IMG_6279_コピー

若冲の他にも竹が描かれた屏風絵もあり、水墨画の一筆書きのほとばしる様な生命力が見事でした。鶴亭浄光(かくていじょこう)という知らない画家の絵でしたが、失敗のきかない墨のタッチのシュッとした伸びやかさ、大胆さに目を奪われます。

鶴亭浄光「梅・竹図押絵貼屏風」IMG_6283_コピー  

京都で素敵な美術館を見つけた喜びに浸りながら、夕暮れ時の渡月橋周辺を散歩して帰途に着きました。またいつか来館することになるでしょう。

IMG_6292_コピー

                          


            
                 
お問い合わせはこちら
2025年01月08日 23:12

京都・奈良 初旅

IMG_6215
明けましておめでとうございます。年末年始に京都奈良で初詣や古寺巡りをしてきました。京都の晴明神社や京都御所、梨木神社、奈良では大好きな秋篠寺、唐招提寺、新薬師寺、東大寺に行き、悠久の歴史を感じる時間を過ごしました。晴明神社は、去年の大河ドラマ「光る君へ」でも登場した安倍晴明が祀られた神社で、鳥居に陰陽師のトレードマークの星型が付いており、お守りやおみくじにも同じく星型がありました。映画「陰陽師」で主演を務められた野村萬斎さんや、陰陽師の振り付けで金メダルを取られた羽生結弦さんもこちらでご祈祷を受けられたようです。京都御所が近かったので散歩をしようと立ち寄ったら、あまりに広くてびっくり\(( °ω° ))/  紫式部が源氏物語を書いていた時代、ここを牛車が行き来していた時代にタイムスリップできました。

奈良では唐招提寺に行き、大好きな千手観音像を拝んで来ました。お正月の三が日だけ無料で配って頂ける千手観音様の小さなお守りを頂けました。手が本当に1000本近くあり、修復の際はとてつもなく大変だったそうです。千手観音像にも色々ありますが、こちらの像は大きくて少し俯き加減、見ていると静かな気持ちになります。境内の御影堂には、東山魁夷画伯の襖絵がありますが、こちらは鑑真の命日前後だけご開帳になるので、普段は見られません。以前、ご開帳になる日に観に行ったことがありましたが、これは日本画好きには一生に一度、必見です。画伯が精魂込めて描いた数十枚の絵で、美しい岩絵具独特の色で描かれた雄大な海、深い山林が描かれたものを、来場者は膝をついて間近でにじり寄りながら見ていきます。


唐招提寺 IMG_6228_コピー

 
唐招提寺から車で20分ほどの所に秋篠寺があり、こちらには日本で唯一存在する芸術の神様の仏像「伎芸天」があります。芸術に関わる者としては奈良に行ったら行かなければなりません。しなやかでふっくらとし、ほのかに色香が漂う仏像で、大変美しい仏像です。お正月だけ許されている境内の鐘をつき、びっしりと生えた苔の庭に佇んでいると静かな気持ちになれます。奈良は、東大寺や春日大社、薬師寺などの大きなお寺や神社以外は、お正月でも人混みにならず、とても静かにゆったりと過ごせます。

秋篠寺 IMG_6232_コピー  IMG_6230_コピー_コピー

 
とは言え、お正月に奈良に来て東大寺の大仏様にお詣りしない訳にも行かないので(笑)、東大寺にもお詣りして来ました。何度行っても、下から見上げる南大門の高さに驚嘆し、運慶や快慶らによって造られた南大門の阿形像、吽形像に見惚れ、大仏様の大きさに圧倒されます。ここから春日大社の方に斜めに歩いていくと、春日大社の本殿の手前から分かれる昔ながらの散歩道があり、こちらを通って新薬師寺に行きました。奈良には数十の古い散歩道があり、山の辺の道、滝坂の道、ささやきの路、などと名前が付いています。今回はあまり時間がなかったので、短い「中の禰宜道」を散歩しながら新薬師寺へ向かいました。「中の禰宜道」は短い散歩道ですが、なかなか風情もあり、森林や木の根に囲まれています。春日大社からショートカットして新薬師寺に辿り着く道です。新薬師寺は、小さいながらも心落ち着くお寺で、日本最古の十二神将像があります。薬師如来像をぐるりと十二神将が取り囲み、回って参拝します。このお寺が登場する、松本清張の「球形の荒野」という小説が好きで何度も読みました。松本清張さんの小説は学生時代にハマりにハマって、60作ほど読んだ記憶がありますが、中でも一番好きなものが、奈良が舞台になった「球形の荒野」です。松本清張さんも古寺巡りが好きだったそうで、各地のお寺や神社が小説に出てきます。
奈良から東京に戻るといつも、行って来たばかりなのにあぁまた奈良に行きたい.....と思うのが自分でおかしくなりますが、また来年も訪ねたいと思います。

中の禰宜道 IMG_6252_コピー 
 新薬師寺 IMG_6257_コピー


                 
お問い合わせはこちら
2025年01月06日 13:02

映画「海の沈黙」

IMG_6163
久しぶりに映画館に行き「海の沈黙」を鑑賞しました。昔からファンだった倉本聰さんが60年も温め続けた集大成の脚本、そして題材が芸術の話となると、劇場で観ない訳にはいきません。北海道が舞台の倉本さんの富良野ドラマ3部作「北の国から」「優しい時間」「風のガーデン」は大好きで何度も録画を見返していますが、今回の映画はそれを上回る渾身の作品かもしれません。「美」というものの価値、芸術の真の評価とは何か?、など中身のある題材がテーマですが、キャストが名優さん達ばかり、その魂のこもった演技に惹き込まれ、こういう映画を多くの人に見て欲しいなぁと切に感じました。美術を題材にした映画なので、さて一体どういう絵が登場するのだろう?と興味深々でしたが、出てきた絵に驚きました。凄みがあり、佐伯祐三を思い起こさせるような荒々しくザラッとした質感、一度見たら忘れない存在感です。高田啓介さんという画家の作品で、見る者をざわざわと揺さぶる厳しい絵でした。実際にあの絵を生で見てみたい......

映画のストーリーとしてはミステリータッチで、人の愛憎、嫉妬心などが美術界に絡んで描かれています。テーマである芸術の評価や価値は、美術だけでなく音楽その他、どの芸術にも共通してつきまとう話です。世間で話題になったり、コンクールで賞を沢山取ったからと言って、その人の表現が人の心を打つかというと、それはまた違う世界です。音楽の演奏会でも、技術的にはとても達者で文句なし、でもなぜか心に響いてこない......ということが良くあります。心の中から感じるものを、素直に感じるまま表現し、イマジネーションに富んでいる人の演奏は、有名人でなくても感動することもあります。画家や作曲家は何もない無から心の生き様を形にしますが、そこには、その人に取ってとても大事な人の存在が潜んでいたり、それが心の根源になり得ることもあります。それらが集約されたような映画作品でした。

倉本聰さんがこの脚本を書きたいと思われたきっかけが、鎌倉時代に作られて重要文化財に指定されていた古陶器の壺が、実は現代の陶芸家の作品だったと分かり、重文から外された、という話だそうです。昨日まで皆が美しい美しいと言っていたのに、時代が違うとわかった途端、評価が一変して価値が下がるのは変じゃないか?と......  ものの価値は、それぞれの人がそれぞれの感性でもって、あぁいいなぁ、これ素敵!と感じることに意味があり、そこに評価がついてくるものですが、悲しくもメディアの報道に振り回されることもしばしば見受けられます。

芸術の価値とは何なのか、真の美を見極めるとはどういうことなのか?、こういう中身の濃い本物の映画が日本アカデミー賞の最優秀作品賞を取って欲しいです。私自身も芸術に携わる人間として、自分の感性でものを感じ、真の美を理解できる人間でいたいものです。そうそう、映画を見ながら「このチェロいいなぁ.....」と思っていたら、間接的に知っていて何度か演奏を聞いたことのあるチェリストの奥泉貴圭さんでした。音楽は住友紀人さん。

倉本聰さんの書く脚本にはいつも色々考えさせられますが、録画した以前のドラマがまた見たくなりました。画質の良い「優しい時間」の再放送を長年待っているのですが...... このドラマで登場した窯元「皆空窯」には何度も足を運び、少しずつ食器を集めて日々使っています。


    皆空窯「優しい時間」マグカップ   IMG_6165_コピー
  
           
                          


            
                 
お問い合わせはこちら
2024年12月09日 11:15

ジャン=ギアン・ケラス&アレクサンドル・タロー デュオを聴いて

IMG_6145
王子ホールで開催されたジャン=ギアン・ケラス(チェロ)とアレクサンドル・タロー(ピアノ)のデュオを聴いてきました。以前から行きたいと思いながら今回初めてでしたが、何とも興奮した夜になりました。ジャン=ギアン・ケラスの何とパワフルなこと!チェロってこんなに鳴る楽器だったかなぁ('◉⌓◉’) 楽器も相当なのだと思いますが、パワフルさだけでなく、囁くような音、想いの籠った音、多彩な音色を自在に操る様を堪能しました。そしてピアノのアレクサンドル・タローのピアニズムがこれまた素敵......(*´◒`*) チェロに寄り添い、この二人はもしかして恋人かしらん?と思わせるような絶妙なコミュニケーションでした。小鳥のさえずりを思わせるようなピアノで、高音のppの何と美しいこと!!王子ホールのスタインウェイは何度か弾いた事がありますが、うーん、これ同じピアノよねぇ(^◇^;)とため息です。

プログラムは、前半がマラン・マレというフランスの作曲家のヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)曲集の組曲、第3巻と第4巻より。後半がフォーレのエレジー、夢のあとに、蝶々と、プーランクのソナタでした。前半の曲は初めて聴きましたが、マラン・マレは17世紀半ば〜18世紀にフランスで活躍したヴィオール弾きだそうで、バッハのパルティータの組曲と似た形式でした。プレリュード、アルマンド、サラバンドなど。古楽器の曲ですが、そこに現代の楽器でケラスとタローの演奏では斬新さが加わり、フレンチバロックと現代が融合され色鮮やかに甦った印象でした。手持ちのお気に入りCDに、カザルスがピアノのバウムガルトナーと録音したJ.S.バッハのヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ集がありますが、これは古めかしくて渋く、特に3番が素敵です。ケラスとタローの演奏は、これとは全く違い、いつか見た平等院鳳凰堂が、昔は古くて色褪せていたのに、数年前に当時の彩色に塗り直したら鮮やかでびっくり!!そんな感じかなぁ.....

フォーレの3曲は色っぽさが際立ち、うるうるする演奏でしたが、個人的にはもう少し渋くて懐古的な方が好きかも? でも最後のプーランクのチェロソナタは圧巻でした。これも好きな曲の1つですが、プーランクの軽妙さ、お洒落な色彩感、超弩級のリズム感、全てがセンス抜群で唸ってしまいました o(≧▽≦)o リズムに身体がついつい動いてしまい....(笑)あの曲、いつか演奏してみたいなぁ......アンコールの2曲も素敵で、特に2曲目のハイドンは、タローのピアノが凄すぎて仰天でした...... 速い小刻みの連打をどうしたらあんな軽やかに、まるで鳥の爪先立ち走りみたいに弾けるのかしらん? 違うプログラムの第2夜のチケットも取れば良かったとちょっと後悔......このお二人、超イケメンなのでチケットすぐ売り切れちゃうのです。きっと来年また来日してくれることでしょう。


      アンコール曲 IMG_6144_コピー


                          


            
                 
お問い合わせはこちら
2024年11月30日 23:45

「モネ 睡蓮のとき」展

IMG_6140
上野の西洋美術館で開催中の「モネ 睡蓮のとき」展を見に行きました。睡蓮やモネの庭にまつわる絵ばかりが一同に展示されるという特殊なテーマの美術展です。モネが自身で造ったフランスのジェヴェルニーの庭の睡蓮を描いた絵は数百点あり、その一部が展示されていました。モネは印象派のドビュッシーとも深い関係があり、私の大好きな画家の一人です。お気に入りの複製画も3点ほど持っていますが、個人的には睡蓮のモティーフより、違う風景の作品に惹かれます。ただ、今回の睡蓮の絵ばかりを展示した美術展はなかなか面白く、モネの制作過程も良くわかり、惹かれる絵もありました。睡蓮の絵は数百点も描かれているだけに、あぁすごくいい!と思う絵もあれば、う〜んこれはイマイチ、と思う絵もあるように思います。ただ、確実に言えるのは、モネの睡蓮に対する執着心の凄まじさで、視力が衰えてからも抽象画のように具象化された睡蓮の庭を描き続け、最後の方は異様な妖気さえ感じます。

睡蓮の絵は個人的にそれほど好みでないとは言え、昔一度だけ行ったことのあるフランスのオランジュリー美術館の楕円形の睡蓮の間は、感性を刺激される圧倒的な作品群で、あれを見ずにモネの睡蓮は語れないなぁと思います。その部屋に入った途端に身体の深奥にあるものを揺さぶられ、ツーと涙がこぼれてしまったのでした(T . T) ふと異次元の世界に連れて行かれ、天井からの柔らかい日差しの中で睡蓮の花がまるでその場に溢れ出すような感覚というのでしょうか。本物の睡蓮よりも迫力や妖気のようなものが匂ってくる感じです。今回のモネ展を見ながら、モネのジヴェルニーの庭には一度絶対行かなければ.....と再認識しました(笑)

今回のモネ展では、オランジュリー美術館の睡蓮の間に似せた部屋があり、色々なタイプの睡蓮の絵が点在する形で展示されています。これはこれで趣向を凝らしたもので、素敵な睡蓮の絵があり、写真を撮っても良い部屋だったので人で溢れかえっていました。時期的にテレビで色々と話題になってしまった直後で多くの人が写真を撮ったりと、あまり落ち着いて見れる環境ではなかったのがちょっと残念ですが、幸せな時間を過ごせました。複製画の1つにちょっと興味を惹かれましたが.......今回はお預けかな.... 余談ですが、山形美術館で見た吉野石膏コレクションのモネの「サンジェルマンの森の中で」複製画を、どこか日本の会社が作ってくれないかしらん?と長年心待ちにしています。以前、山形美術館でその絵に惹かれて買った複製画はあまり良い出来ではなく......(>人<;) 最近の技術開発された複製画が欲しい.....(^◇^;) あの絵にもう一度会いたいなぁ......山形はちょっと遠いのだけど....

                 IMG_6142_コピー   



                          


            
                 
お問い合わせはこちら
2024年11月26日 23:40

平泉「中尊寺」

IMG_6079
以前から行きたいと思っていた岩手県平泉の中尊寺を訪ねてきました。今年は金色堂が建立900年の節目の年です。中尊寺金色堂は建造物としての国宝の第1号であり世界遺産でもありますが、やはり「百聞は一見にしかず!!」。今年の3月に上野で中尊寺展が開かれ、美しい仏像群だけ先に見ていましたが、やはり岩手の地に赴いて金色堂の中に納められた仏様を見ると、あるべく場所にあると感じます。凛とした時が止まったような独特の世界観は一見の価値があります。金色堂内の螺鈿が施された柱などの細工も大変細やかで、900年前によくもこのような芸術性の高いお堂が建てられたものだと圧倒されました。松尾芭蕉の有名な「五月雨の 降残してや 光り堂」という句が正に言い得て妙、ピタリとハマります。広い境内をゆっくり歩きながら藤原三代の栄華、源義経や源頼朝との歴史に想いを馳せ、その儚さに物悲しさを覚えました。もし藤原四代目の泰衡公が、父・秀衡の遺言通り、義経を守っていたら歴史はどうなったのでしょう...... 芭蕉の「夏草や 兵どもが 夢の跡」の句が余韻を生みますね。この金色堂に藤原氏の遺骨と一緒に埋められていたハスの種が、昭和の調査で発見され、800年という長い時を経て、現在花を咲かせるまでになったそうです。これにはとても驚きました☆*:. o(≧▽≦)o 自然の生命力ってすごい!!

近くの厳美渓や毛越寺、「えさし藤原の郷」も見甲斐がありました。厳美渓の名物「空飛ぶだんご」は、河岸の向こうから結構な速さでロープを滑り降りてくる愉快なもので( ^ω^ )、毛越寺の庭園も美しかったです。少し離れた水沢江刺の「えさし藤原の郷」は、大河ドラマや時代劇のロケ地として名高く、「光る君へ」の五節の舞のロケにも使われています。お城の城柵や矢倉など、こういう場面があったあった,,,(^。^)と思い出しました。過去の大河ドラマ「麒麟がくる」「利家とまつ」「真田丸」「風林火山」「天地人」等々、ロケ現場では岩手県に住んでいる方が多数エキストラとして参加され、そのエピソードや動画の紹介もあり、時代劇ファンとしては面白かったです。龍笛の演奏体験ができるイベントもあったようですが、今回は日が合わず、ちょっと残念( ̄ー ̄ )龍笛、吹いてみたかったなぁ.....寝殿造の建物にピタリとハマることでしょう。はるか遠い時代の文化が垣間見え、歴史に想いを馳せる時間となりました。
    

中尊寺紅葉 IMG_6080_コピー

金色堂建立900年記念ご朱印 IMG_6099_コピー


えさし藤原の郷 IMG_6050_コピー

                          


            
                 
お問い合わせはこちら
2024年11月11日 22:32

シューベルト「冬の旅」

IMG_6083
サントリーホールで開催されたマティアス・ゲルネ(バリトン)とマリア・ジョアン・ピリス(ピアノ)のデュオリサイタルを聴いてきました。普段、声楽の演奏会を聴く機会は少ないのですが、非常に勉強になりました。シューベルトの「冬の旅」を休憩なしで90分、通して演奏する形のプログラムでしたが、最初のワンフレーズから魅了されました。私がピアノ科なので、どうしてもピリスのピアノの方に耳が吸い付いてしまうのですが、ピアノの音がこれほど色が豊かで色彩が変化するのか.....Σ('◉⌓◉’)と驚嘆するばかりです。音数が少ない曲ほど、一音一音に込められた音への想いや内容の濃淡の違いが現れますが、ピリスのピアノは音数の少ない曲ほど、物言うものでした。歌の内容に応じて、一つの和音でガラッと雰囲気が変わり、シューベルトの悲哀さや人生観が伝わってきます。ドイツ語の歌詞の内容が私にはわからなかったのが残念でしたが、どういう音を語ろうとしているのか、何を思って演奏しているのかが手に取るように伝わるものでした。ピリスは現在80歳、最近は体調が優れない時もあるようですが、90分通しの演奏は本当に見事でした。

学生の時、シューベルトのハ短調のソナタを試験に弾いたことがありますが、ヴァシャヘーリ先生という外人の先生に、「死の舞踏」という言葉を何度も言われました。20代の学生にその内容を想像しろと言われても到底難しく、非常に苦労した覚えがあります。シューベルトは極貧生活を送る中、死の世界が理想郷、という面があります。普通にのうのうと生きている人間には想像すらできない環境から生まれた音楽ゆえに、人の心に響くのでしょう。シューベルトの即興曲でもまた弾いてみようかしらん....._(´ཀ`」)

                  
                          IMG_6084_コピー


            
                 
お問い合わせはこちら
2024年11月04日 23:02

凪良ゆう「私の美しい庭」

IMG_6044
ちょっとほんわかした読み物が読みたくなり、凪良ゆうさんの「私の美しい庭」を読みました。心がふわっと解放され優しい気持ちになれる本でした。読み始めは軽やかなタッチですが、だんだんと内容が濃くなり、人の生き様や心の機微が葛藤が描かれています。クスッとなったり、こういう事あるよね、と共感したり。人の心というのは不思議なものですね。何かに対してで怒ったり悲しんだり笑ったりする事が、時が経つにつれ変化して全く違う感情に化けたりします。物の見え方がだんだん変化するのは、心が自由で変幻自在なものである証拠ですが、自分で自分の心の変化が面白いなぁと感じることがあります。逆にひょんなことで心が束縛されることもありますね。そんな諸々を考えさせられた本でした。

タイトルにある「美しい庭」。実際に育てる土の庭、ベランダガーデン、或いは人の心にある幻影を意味しているのかもしれませんが、緑や花を見ると癒されますね♪(´ε` ) 去年までベランダガーデンでゴーヤやバジルを育てていましたが、住まいが変わってからベランダがまだ手付かずです。シェフレラという観葉植物を育てていますが、観葉植物なので成長は遅いだろうと思いきや、夏にどんどん葉が増え、早くも鉢が狭くなりそうな......(>人<;) 気に入った柄の鉢なのでもう少し頑張って欲しいところです(笑)北海道のガーデン巡り、来年は行きたいものです( ˊ̱˂˃ˋ̱ )



      

                          


            
                 
お問い合わせはこちら
2024年10月30日 22:08

小説「1Q84]

IMG_5988
自宅の本棚を整理していて、さてこの本はどうしよう、本棚に全部入りきらないし、電子本も出ているし....._:(´ཀ`):と悩ましい選択を迫られる中、以前買った話題の本を見つけました。村上春樹さんの「1Q84」です。この本は発売当初、話題になったのを記憶しています。冒頭にヤナーチェク作曲の「シンフォニエッタ」という音楽がある場面で出てきますが、音楽関係の友人と「ヤナーチェクのシンフォニエッタって知ってる?」という会話が飛び交いました。村上春樹さんは音楽に相当お詳しいのでしょう。小説の節々に音楽の専門的要素が出てきます。この本をふと手にし、買ったのに読んでいなかったなぁと気になって読み始めたら、独特の世界に引き摺り込まれてしまいました。紙の本で1巻の前篇しか持っていなかった為、文庫本6冊分の合本版の電子本を購入してiPadで読み進めたらなんと長いこと!ようやく読破しました╰(*´︶`*)╯ 電子本は以前は少し抵抗があったのですが、両手が空いて腕組みしながらでも読める上、どこに持ち運ぶにも重くない、文字の大きさも調整でき、こちらの方が楽だわぁ....(^◇^;)となりつつあります。

「1Q84」、個人的には好きなタイプの小説ではなく、人に勧められるか?と言われても難しいものがありますが、読み始めたら止まらなくなり、また構成力の巧みさに圧倒される作品でした。小説は作家の頭の中で起こる想像の物語ですが、こんな世界が世の中に実はあったりして?.......とリアル感さえ感じます。

読書後、人と人の縁、というものを考えさせられました。一口に縁といっても様々ですが、人生の中でその人の一生を左右する出会い、というものが時にあります。今は音信不通でも、その人に出会わなかったら今の自分は無かっただろう、と影響を受けた人。そういう出会いは、心の奥底にズシンと一生棲みつくものです。既に亡くなった過去の芸術家から多大な影響を受けることもしばしばです。人との出会いは、神様がどのようにして引き合わせているのかわかりませんが、会うべくして会うこともあるのでしょう。

京都のあるお寺の高名なお坊様の言葉に「座っていても世界が見える人がいる。世界中飛びまわっていても自分さえ見えない人がいる」となかなか痛烈な言葉があります。世界が見えるところまでは無理としても、人の本質や物事がよく見える人間になりたいものです。読書は、その世界にどっぷり浸って想像力を広げたり、ゆっくりものを考える時間でもありますが、そこから何を読み取るか?、物事の本質を見極める訓練をしているような面もありますね.....

最近、読書時間にお気に入りの飲み物があります。「カフェロワイヤル」( ^ω^ )。 アルコール分微量のカクテルです。コーヒーを入れたカップに、ロワイヤル用のスプーンを置き、スプーンの中にブラウンシュガーとブランデーを入れて火をつけます。ブランデーがフランベされて青い小さな炎となり、シュガーが溶け出します。ほんのり甘く、酔うようなアルコール度数でもなく、雰囲気もあって良い感じ。シュガー無しのブランデーだけでも美味しく飲めます。夜、照明を落とすと青い炎が良く見えておすすめです♪(´ε` )
                     


            
                 
お問い合わせはこちら
2024年10月03日 23:10

おがさわらピアノ教室

【電話番号】 080-8132-4676

【住所】 〒177-0044
東京都練馬区上石神井3丁目

【営業時間】 <レッスン時間>13:00-20:30
<受付時間>11:00-21:00

【定休日】 不定休

教室概要はこちら

サブメニュー

月別ブログアーカイブ

2025 (3)

モバイルサイト

おがさわらピアノ教室スマホサイトQRコード

スマートフォンからの
アクセスはこちら