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ラベンダーの茂る荒野

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7月になると無性に行きたくなる場所があります。と言っても遠くてなかなか行けない土地ですが、この時期になると北海道の富良野が恋しくてたまりません。7月初旬から約3週間、富良野ではラベンダーの花が咲き、あちこちのラベンダー農場が一斉に紫色に染まります。この時期めがけて全国から観光客が押し寄せるわけですが、広い広い北海道の畑に人々が散在するのでひといきれも無く、心が開放されます。20年ほど前、初めてラベンダーの時期に富良野・美瑛に行き、空や雲がこんなに広く見渡せるのかと驚き、ラベンダーの清廉な香りに包まれ、鮮やかなパープルの美しさに感動したのを覚えています。以来、7月になると富良野に思いを馳せます。今年は行けませんでしたが、去年の夏に久しぶりに行った写真を紹介します。

ラベンダーと言えば、似た感じの植物にヒースがありますが、ドビュッシーの前奏曲集2巻の中に、「ヒースの茂る荒野」という曲があります。大好きな曲なのですが、この曲を練習中、ヒースの茂る映像が頭に浮かばず、花をネットで調べた事がありました。ヒースはラベンダーと似ていて、ラベンダーよりもピンク色の花の色をしていますが、富良野のラベンダー畑を見た瞬間、まさに「百聞は一見にしかず!」。あぁ〜こんな光景なんだなぁ、ドビュッシーが描いた光景は......♪( ´θ`)と一人、悦に入ってしまいました。広い空、風になびいて揺れる花、風に運ばれる花の香り.... イメージぴったり✌︎('ω'✌︎ )

富良野に点在するラベンダー農場には、ラベンダー以外の花も植えられてカラフルな層を成している畑もあります。ファーム富田さんなどはその1つで、鮮やかな虹のような植え込みになっています。「かんのファーム」さんのように丘の斜面に植えられたラベンダーと空が一体化する光景の方が、想像の余地があるような気がしますが、どこも大変美しいです......( ´ ▽ ` ) 近年は、旭川から十勝、帯広のあたりに観光ガーデンが幾つもできて、冬以外は美しい庭や自然を満喫することができます。このガーデン巡りもしてみたいのですが、北海道はあまりに広く.....(泣)レンタカーで旭川〜美瑛〜富良野〜十勝〜帯広と結構な距離になるので、2〜3日では到底回り切れません。いつか実現するべし!!╰(*´︶`*)╯♡


                      ファーム富田  IMG_4890_コピー


                          


            
                 
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2024年07月24日 23:45

春原恵子ピアノリサイタルを聴いて

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春原恵子ピアノリサイタルを聴いてきました。スカルラッティ、J.S.バッハ、モーツァルト、ドビュッシー、ショパンの5人の作曲家の作品を演奏する多彩な曲目のピアノリサイタルでしたが、偶然、私の好きな曲ばかりのプログラムだったので楽しい晩となりました。J.S.バッハのパルティータ第2番は、アーティキュレーションの作り方をもう少し自由に冒険しても良いのでは?と感じましたが、その直後のモーツァルトのソナタKV576は、とても生き生きとした演奏で、スーッと耳に心地よかったです。後半のドビュッシーの映像第2集の中の第3曲「金色の魚」、「喜びの島」が非常にこなれた演奏でとても印象に残りました。聴きながら瞼に映像が浮かんできて、帰宅後、自宅の画集を2冊引っ張り出してしまいました♪( ´▽`)

以前、ブリヂストン美術館(現在のアーティゾン美術館)で開催されたドビュッシー展で、ドビュッシーが所蔵していた蒔絵の箱の蓋が展示されていましたが、これは直接的にドビュッシーの作品のイメージとなったものです。水中に遊ぶ鯉の姿が描かれており、ドビュッシーが夢中になって集め、影響を受けた日本美術の1つです。金箔を細かくした粉で紋様を描く「蒔絵」は、尾形光琳などの江戸琳派も多くの作品があって私も大好きですが、この金色の鯉がピチピチと動き回る様を連想しながら演奏を聴くのは楽しいものです♪(´ε` )

「喜びの島」は、ヴァトーの絵画がドビュッシーのイメージの霊源と言われていますが、私の持っているヴァトーの画集には、「シテール島の巡礼」と「シテール島への船出」の2つが載っています。ドビュッシーはどちらの絵も見たのかしらん?愛と至福の島であるシテール島をテーマに、恋人たちの様子が描かれています。どちらの絵も、恋人たち以外に沢山のキューピッドがいるのですが、「シテール島への船出」のキューピッドの数があまりに多く.....(笑)一体、何人いるのか?と思って数えてみたら、なんと45人 ('◉⌓◉’)!!1717年に描かれた「巡礼」では15人だったのですが、これでは足りなくて、1年後に描かれた「船出」では45人に増やしたのでしょう(笑)さぞ恋人たちは幸せになることでしょう☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆


<金の魚 蒔絵>IMG_5871_コピー  


 <ヴァトー シテール島への船出>IMG_5873_コピー


      
                          


            
                 
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2024年07月16日 23:40

ケマル・ゲキチ ピアノリサイタルを聴いて

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武蔵野音楽大学のベートーヴェンホールで開催された、ケマル・ゲキチ ピアノリサイタルを聴いて来ました。ケマル・ゲキチ氏は武蔵野音楽大学の客員教授でもあり、毎年のように日本に来日して演奏活動もしていますが、そのピアニズムは非常に強烈で、一度聴いたら忘れない、というインパクトの強さがあります。今までにも何度か聴いており、その強靭なタッチは記憶に新しいですが、非常に納得させられる演奏でした。

かつて、ショパンコンクールで、あまりにも強烈な演奏に審査が分かれてファイナリストに選ばれず、これに抗議した審査員が次々に審査を辞退する、という事件が起きたことは、プロフィールでも紹介されていて有名です。曲の解釈というのは難しく、自分なりの言葉にしたら、いわゆる正統派の演奏ではなくなってしまった、という事があり得ますが、聴衆からは支持され、世界各国を飛び回って活躍しているピアニストの一人です。

今回のプログラムは、ショパン、リスト、ゲキチ氏の作品、で構成されていましたが、前半のショパンは、とても美しいピアニズムでした。極上のピアニッシモのパッセージなど、非常に高い技術が根底にあることは勿論なのですが、自分の眼で作品を精緻に見極めているなぁ、というのが全体を通しての驚きでした。ショパンの中でも一番有名なノクターン作品9−2、華麗なる大円舞曲、子犬のワルツ、幻想即興曲、など、一見して大衆受けするようなプログラムになりがちですが、非常に客観的で静謐な、でも聴き手に語りかけ、心に沁みいる演奏でした。ショパンという作曲家の内面性が、さらに一層吟味され、深淵をみつめているような姿勢が、前半を通してずっと貫かれていたように感じます。

中でも驚いたのは、舟歌でした。左手の波を表す音形が、普通なら揺れるような感じで演奏される事が多いのですが、水の動きは感じるのだけれども、限りなく静かに水面が震えるような、まるで夢の中の遠い出来事を話しているような錯覚に捉われました。個性的な解釈にもかかわらず、スッキリと聴こえ、静かな映像作品を見せられているようでした。美しかったです♪(´ε` )

後半は、ショパンと対照的な個性のリストと、ゲキチ氏の作品でした。どれも聴衆が一体になるような演奏でしたが、ゲキチ氏の「対話」という曲が個人的に印象深かったです。この人は心の中に、神秘的な深淵を持っているんだなぁ、と感じました。ここまで音楽を追求して掘り下げるのか.....と非常に勉強になり、同時に自己反省もさせられた晩でした(-_-b)


                          


            
                 
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2024年07月04日 13:08

「出光佐三、美の交感」展

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出光美術館で開催されている「出光佐三、美の交感(波山・放庵・ルオー)」展に行ってきました。出光美術館の初代館長の出光佐三さんが、同時代の3人の作家たちと関わった軌跡をもとに企画された美術展です。陶芸家の板谷波山のやきもの、小杉放庵とルオーの絵画の3種類の作品で構成されており、とても楽しめました。

2年ほど前、板谷波山という陶芸家のやきもの展が、しもだて美術館、廣澤美術館などで開催されている情報を知り、車を飛ばして見に行った事がありました。その時初めて見た板谷波山の美しい焼きものの驚きと感動は、今でも強く印象に残っています。板谷波山の生涯を描いた映画「HAZAN」も廣澤シティで同時に上映されており、この映画も印象的でした。波山の焼きものに対する一途で厳しい姿勢は、長年の極貧生活の中でも揺るがず、ようやく奇跡のような陶芸作品が生まれたその行程は、想像を絶する世界です。映画の終わりで、波山の陶芸の真髄を認めて高く評価し、これから先、作品を買い取るというスポンサーが登場しますが、その人物が出光佐三さんだったのだ、と繋がりました。あの映画をもう一度見れないかしらん?

今回の出光美術館では、波山の小ぶりな作品が多く、個人的に好きな作品がたくさんありました。掌にすっぽりと入ってしまうような美しい香炉や花瓶、一輪挿しは独特の世界観があり、惹き込まれてしまいます。中でも、出光佐三さんが初めて見て感動した「葆光彩磁葡萄文香炉」、「葆光彩磁花卉文花瓶」→漢字が難しい!(ほこうさいじはなくさもん)と読むのかな?(>人<;)、「葆光彩磁紅禽唐草小花瓶」(掌に乗る一輪挿しの小さな花瓶)が素敵でした。波山の「葆光彩磁(ほこうさいじ)」というのは、白地で光沢がなく、ヴェールをかけたような感じで、でも涼やかでしっとりしており、何とも言えない幽玄さがあります。やきものについては全く知識がありませんが、一目見て、とてつもない時間と行程をかけて、奇跡のような瞬間に生まれる焼きものなのだろう......φ( ̄ー ̄ )と想像がつく感じです。私の好きなロイヤルコペンハーゲン、エミール・ガレなどにも影響を受けたようだとの解説がありました。

小杉放庵は、どの作品にもおおらかさを感じます。風景の中に小さく描かれた人物は愛嬌があり、思わず心が緩みます♪(´ε` )。油彩画と日本画で自身の理想像を追求した画家のようですが、個人的には水墨画がお気に入りとなりました。ルオーは、ステンドグラスの職人だったこともあり、窓枠の中にハマっているように感じる宗教画でした。どれも独特の色使いやタッチで面白いのですが、宗教画ということもあり、ルオーばかりダーッと沢山並んでいたら、キリスト教徒でない私には少し息苦しいかも.....?

3人の作家の作品が、心地良い配置で展示されていましたが、こういう配置って、どうやって決めていくのでしょうね...?以前、「ぶらぶら美術館」という美術番組があり、肩肘を張らない、美術展の裏側なども垣間見えるお気に入りの番組だったのですが、なぜか突然、打ち切りとなってしまいました。10年も続いていたのに......  また復活してくれないかしらん♪( ´θ`)



                          


            
                 
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2024年06月28日 23:35

大河ドラマ「光る君へ」テーマ音楽

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時代劇好きで大河ドラマは良く見ていますが、現在放映中の「光る君へ」も毎週楽しみにしています。このドラマのテーマ音楽は、冬野ユミさんという女性の作曲家の書かれたピアノ協奏曲ですが、聴く度にラフマニノフのピアノ協奏曲が思い起こされてしまいます。毎週「あぁ〜ラフマニノフのピアノ協奏曲みたいだわぁ♪(´ε` )」とほくそ笑んでいます。もちろんラフマニノフの曲とは全く別物なのですが、華やかでドラマティック、繊細でロマンティック性もあり、特に最後のコーダの部分、ピアノが高音部から両手の和音で「ジャカジャカジャカ〜」と一気に降りてきて、オーケストラが「ジャンジャンッ! ジャンジャンッ!」と終わる部分など、ラフマニノフの匂いがします。テーマ音楽の楽譜を見たことはありませんが、ピアノ譜はとても難しそう〜( ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

今週5月26日(日)の放送の後半、主人公のまひろと藤原道長のラブシーンで使われた音楽は特に、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の第2楽章のように聴こえました(*´◒`*)その部分を聴いて、あぁ〜やはりこれはラフマニノフを意識して書かれているに違いない....と確信してしまいました。最近のNHKは以前よりも大胆になってきて、大河ドラマ史上、非常に珍しいキスシーンo(≧▽≦)o でしたが、そういう場面の音楽は大事ですよね.....(笑)

今回の「光る君へ」は平安時代の設定なので衣装も雅で美しく、ヒロインの紫式部(まひろ)と藤原道長との関係も濃厚に描かれてロマンティックな場面も多いので、女性に人気のようです。戦国時代の武将のような勇猛果敢さや合戦シーンこそありませんが、朝廷内での政権争いの様や、歴史には付きもののブラックな部分もわかりやすく描かれており、歴史ドラマならではの内容の濃さを堪能しています。しかしあの十二単、一体何キロあるのでしょう?あれを毎日着て生活していたなんて、歩くだけで重労働のような..... お手洗いは一体どうするのかしらん(・・?)

このドラマに感化され、登場人物の一人、清少納言の枕草子をちょこちょこ読んでいますが、パッと開けたページをちょっと読んでも面白く、楽しい読み物です。もっとも現代語訳と一緒に読まないとわかりかねますが......(>人<;)
枕草子:第六十四段「草の花はススキが一番」で、「夕顔は花の形も朝顔に似て、朝顔、夕顔と続けていうようなしゃれた花の姿なのに、あの実と言ったらもう、ぶち壊しだ。なんであんなに不恰好に育ち過ぎてしまったのだろう」とあったので夕顔の実の写真を調べてみたら、吹き出してしまいました(笑)確かにねぇ..... 白く優雅な夕顔の花とは雰囲気が相反する感じで....(^。^) ドラマも後半にさしかかる頃なので、紫式部が源氏物語を書き始めるシーンが楽しみです。そろそろ「あさきゆめみし」を引っ張り出して読み直そうかしらん?

         源氏物語コミック「あさきゆめみし」 IMG_5806_コピー


            
                 
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2024年05月30日 12:12

遠藤周作「深い河」

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家の本の整理をしていたら、ふと遠藤周作の小説「深い河」が目に留まり読んでみました。はるか以前に遠藤周作さんの本を数冊読みましたが、時を経てまた読むと違った印象に感じます。数人の登場人物の生き様や生き方が描かれ、それぞれの人生の意味や苦悩を見せられながら、読者にじんわりと問いかけてくる感がありました。登場人物たちがインドへ旅し、ガンジス河にたどり着くのですが、文化や宗教や価値観の違い、貧富の差など、平穏な生活とは異なる世界が描かれ、この世の理不尽さや生きる意味を突きつけられるズシンと重みのある小説でした。久しぶりに重量級の小説を読んだので、色々と考えさせられてしまいます(( _ _ )) インドへは行ったことがありませんが、ガンジス河の光景を現実に目の当たりにしたらどう感じるのだろう?と自問自答してしまいます...d( ̄  ̄)

遠藤周作さんの小説でもう一つ、強烈な記憶が残る作品が「沈黙」でした。これも若い頃に読んだものですが、作曲家の松村禎三さんがオペラ化し、その初演を観に行った時のことが鮮明に蘇ります。「沈黙」は、キリスト教の弾圧を通して神の存在意義が問われるような非常に重い内容で、読んだ当時、胸が苦しくなるように感じた小説でした。その小説を元に、松村禎三さんが長い年月をかけて練りに練って作曲されたオペラ「沈黙」も、小説の内容をよりリアルに音楽で感じさせられる作品でした。初演の後、舞台に集中しすぎたのか、若かりし身のひ弱だったせいか、とても疲れて帰宅したのを覚えています。

オペラ「沈黙」は、その後も何度か上演されているようですが、時間が経った今、もう一度観たらどう感じるのだろう?と、ふと観たくなりました。

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2024年05月15日 23:35

二条城と廬山寺

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京都の二条城を一度見ておこうと思い、雪舟伝説展の帰りに立ち寄りました。一番有名な観光地の一つで、京都に幾度も足を運んでいるのにもかかわらず、中学の修学旅行以来でした。大人になってから訪れると、その凄さがわかりますΣ('◉⌓◉’)  広大な敷地もさることながら、内装の襖絵、天井、部屋の仕切り板の彫り物に至るまで、細部に豪華絢爛な装飾が施され、改めて徳川家康の絶大な力の大きさに驚かされました。何度も繰り返し全話見ている大河ドラマ「葵〜徳川三代〜」の世界が目の前に現れ、ドラマのシーンが沢山思い起こされます。地方から来た武士達が袴を着け、控えの間で面会の待ち時間をこんな部屋で過ごしていたら、さぞ肝をつぶしただろうと古き時代に想いを馳せるのは楽しいものです。将軍が面会の武士に謁見する一段高い御座所、将軍のプライベートな寝室など、TPOに合った部屋の作りが印象的でした。御座所では、天井まで面会する武士との格の差を感じさせるような作りになっており、なるほどね〜という感じです。ただ、広いこと広いこと......!!ちょっと方向音痴のケがある私には到底覚えられなさそうな部屋の数々、迷路のようでした( ̄^ ̄)ゞ

もう一つ、紫式部の生家だったという廬山寺にも足を運んでみました。廬山寺は小さなお寺ですが、今放送中の大河ドラマ「光る君へ」で脚光を浴びています。紫式部が育ち、生活した跡地で、静かで素朴なお寺でした。源氏庭と呼ばれる庭が、ちょっと腰掛けて静かに時を過ごすのにちょうど良い大きさです。6月頃から桔梗が咲きほこるとのことで、桔梗で一杯になる庭を見れなかったのが残念でした(T ^ T) 桔梗やリンドウ、藤など、うすい紫やブルー系の色に心惹かれることが多く、清楚で凛とした桔梗の花が咲く庭にまた訪れてみたいです。

   廬山寺「源氏庭」IMG_5746_コピー

       


                          


            
                 
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2024年05月09日 23:10

雪舟伝説展

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京都の国立博物館で開催されている「雪舟伝説展」を見に行ってきました。雪舟の絵は、以前から一度しっかり見てみたいと思いつつも機会がなく、ようやくお目にかかれましたが、一目見たら忘れられない強烈なインパクトを受け、衝撃的でした。非常に見応えのある美術展で、京都まで行って良かった)^o^( 〜。この美術展は巡回がなく京都でしか見られないのでした。雪舟はなんと6点もの絵が国宝に指定されている日本画家の祖とも言える画家ですが、その国宝全てがこの展覧会に集結しており、生の絵からしか感じ取れない凄み、強靭な世界を満喫できる秀逸展でした。後の日本画家たちがこぞって模写したのが頷ける水墨画は、墨だけでこれほど強い絵が描けるものなのか......と、絵を前にしても驚くばかりです。

以前、京都の智積院で、田淵俊夫画伯の描いたなんとも美しい水墨画に感動したことがありました。桜を描いた田淵画伯の水墨画は、墨なのにほんのり桜色を感じる本当に美しいもので、もう一度見に行きたいと思いますが、雪洲の水墨画はそれとは全く逆の強烈さ、アクの強さがあります。特に国宝の「天橋立図」「四季花鳥図屏風」では釘付けになり、見たままではなく画像を組み合わせ構成する独特の世界観に惹き込まれました。また、中国の画家の画風を真似て描いた連作は、全く異なる画風なのに雪舟の絵になっており、僕はどうにでも描けるんだよ....と言わんばかりの感性の柔軟さに驚きました。この展覧会は、雪舟だけでなく、狩野探幽、曾我蕭白、長谷川等伯など、雪舟を尊敬して学んだ画家達の水墨画も数多く展示され、このレベルの展覧会には、なかなかお目にかかれないだろうと感じます。家の本棚は埋まっているのに、ついまた雪舟展の画集を買ってしまいましたΣ(-᷅_-᷄๑)

雪舟は「画聖」と呼ばれて尊敬されましたが、音楽にも「音楽の父」や「楽聖」と呼ばれる作曲家が存在し、芸術の世界は似ているなぁと感じます。「音楽の父」はJ.S.バッハ、「楽聖」と呼ばれるのはベートーヴェンですが、シューベルト、シューマン、ブラームス、ブラームスなど、多くの作曲家が研究し、学びました。ただ、音楽でも美術でも、「祖」となる芸術家は何もないところから独りで生み出した訳で、一体どれほどのエネルギーの強さや想像力の豊かさを持っていたのだろうか.....?と驚嘆するばかりです。

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2024年05月05日 13:05

門下の発表会コンサートを終えて

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毎年1度、自宅で教えている生徒さん達の発表会コンサートを開催していますが、先日、このコンサートが終わり、ホッと一息です(^ ^) 演奏は、ピアノを始めたばかりのお子さんから大人まで、ピアノの先生をしていらっしゃる方も数人いらっしゃり、幅広い層の出演者となっています。皆さん頑張って練習を積んできていますが、当日、思った通りに弾ける時もあれば、納得行かなかった..... という場合もあり、それぞれ色々あります。練習ではいつも弾けていたのに本番だけ上手く行かなかった.....(u_u)、本番の時だけ上手く弾けてしまった✌︎('ω'✌︎ )、あんなに練習したのに間違えてしまって悔しい(@ ̄ρ ̄@)  などなど。でも舞台での演奏というのはどんな本番であれ、非常に勉強になるものです。目標に向かって積み重ねる時間、時間をかけてじっくり曲に取り組む姿勢、人前で演奏の本番に臨む緊張感など、その舞台でしか体験できないことが多く、人生経験の1つとして必ず学びがあります。

もう長年このコンサートに出て舞台に慣れている方も多いのですが、教えている生徒さん達の本番の時間は、先生という立場からするとドキドキはらはら連続の時間となります( ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾  自分の演奏会の本番よりもエネルギーが要るような.....(笑)私も最後にスクリャービンのソナタ第2番「幻想」を演奏しましたが、頭が生徒さん達の演奏の方に行っている為、いざ自分の弾く番になってギアチェンジするのに一苦労ですᕦ(ò_óˇ)ᕤ

ともあれ、コンサートが終わると、あぁ今年も開催して良かったなぁ♪( ´▽`)と感じます。音楽の中身を想像して表現する豊かな世界を、これからも沢山の方に知って欲しいと思います。




                          


            
                 
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2024年04月25日 23:11

芝木好子「光琳の櫛」

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芝木好子さんという女流作家の小説が好きで、数年ごとに幾度も繰り返し読んでいる本があります。芝木好子さんは、芸術に携わる人を描いた作品が非常に多く、日本の伝統美の世界を担っている職人さん、日本画家、華道家、陶芸家、染色家、芸術的なものをこよなく愛するコレクターなどをモデルにした、いわば芸術オタク気質の作家さんです。少し前の世代の作家さんのせいか、今は本屋さんの店頭に並んでおらず、古本屋さんでしか売っていない本も多いのが寂しいところです。ただ最近、昔の本も電子化されつつある時代なので、電子化してくれないかしらん?と熱望しています♪(´ε` )

江戸時代の文化で広がった女性の櫛は、当時、芸術的な作品も多数作られました。「光琳の櫛」という小説は、尾形光琳の櫛に出会うまでの櫛コレクターの女性が主人公ですが、この小説から色々な江戸時代の文化に触れることができ、源氏物語、伊勢物語、あるいは尾形光琳、原羊遊斎(蒔絵師)の世界が垣間見え、なかなか楽しいです。

20年以上前でしょうか、たまたま職場の交流会で行った奥多摩の「櫛かんざし美術館」で、この小説に描かれている櫛たちが展示されているのを見て非常にびっくりした('◉⌓◉’)、という体験をしました。小説に登場する芸術的な櫛たちが実際に目の前に現れたのですから、何だか狐につままれたような心地がしたのを覚えていますϵ( 'Θ' )϶

それ以後、櫛かんざし美術館のカタログを横に置き、「光琳の櫛」を読み進めながら、小説で描写されている櫛の写真をカタログから探し出し、「あ〜これだこれだ......」とリアルに小説を体験する遊びをするのが、数年ごとの癖になっています(^。^)  なかなかこんな事ができる小説は他にありません。蝶のコレクターの「黄色い皇帝」という小説でも、この遊びを実施するべく、世界の蝶🦋のカタログを片手に、この描写の蝶はどれかしらん?などと探して読みながら、その蝶が空に舞う姿を空想しています(^ー^)

小説に描かれた世界を体験する、映画のロケ地を巡る、これらは演奏とも似ている気がします。楽譜の奥に描かれた世界を想像して表現するのが演奏ですが、リアルに感じられてこそ、より自分の世界を体現するものになリますね.......



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2024年04月04日 11:02

おがさわらピアノ教室

【電話番号】 080-8132-4676

【住所】 〒177-0044
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