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マリー・アントワネット展

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最近、貴族社会を描いた小説や絵画に妙に縁があり、貴族社会の文化にどっぷり浸かっていますが、そのご縁から横浜美術館で開催中の「マリー・アントワネット展」を楽しんできました。当時の宮廷貴族の生活や文化、芸術をリアルに感じ取れて非常に面白く、展示品のほとんどがスマホ撮影可能と言うのも驚き!お陰様で沢山パチパチ....  映画や歴史である程度は知っていても、実際に自分の目で実物を見ると想像力がぐんと広がります。マリー・アントワネットはハプスブルグ家で育てられた教養とセンスがあり、時代の最先端を行くファッションリーダーでもあり、非常に芸術的な才能溢れる女性だったのだなぁと理解できます。それが当時の時代背景的に許されなかっただけで...... 音声ガイドを聞きながら展示を見ましたが、音楽の素養も高く、ハープを弾いて作曲もし、踊りも上手。アントワネット作曲の曲も聴けました。オーストリアで幼いモーツァルトとの対面もあったようですが、当時の名だたる作曲家たちと親交があり、ハープという楽器の発展にも貢献したようです。ハープという楽器は私も好きなのですが、伴奏はおろか近くで見たこともありません。私だって音楽家の一人なのに、ハープを初めて触ったのが去年行った大阪万博のアイルランド館なんて.....(笑)

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ドレスも多く展示されていましたが、貴族が毎日着ていた服装には本当にビックリ( ̄∇ ̄) 演奏会のステージで着るようなドレスが毎日の普段着だとは..... 自分の演奏会前、一度はステージドレスでどこかのホールで練習したりしますが、そんな服装で毎日生活するなんて考えただけでもゾッとしますd( ̄  ̄)  貴族って大変!!そのドレスも、袖につける繊細なレースや帽子、靴のバックルも特注、ネックレスなどの装飾品は言うまでもなく、小物の扇子から食器、家具、楽器、譜面台に至るまで、凝ったデザインのフルオーダー。これは崩壊するよなぁ....と頷けてしまいます。でも驚いたのが、アントワネットが骨董店に発注していた日本の漆工芸でした。ダイヤよりも漆を重んじたアントワネットの母マリア・テレジア譲りのようで、アントワネットは100点以上の漆工芸品を有し、ヴェルサイユ宮殿に飾っていたとか.... センスあるぅ♪(´ε` ) しっとりとした漆の骨董品が宮殿の中で映えたのだとか.......

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展示の中で「あれ素敵!あんなの家にあったら見るだけで楽しい!」と思ったのが楽譜の譜面台。女性なら憧れるダイヤのネックレスや装飾品ももちろん素敵でしたが、皇族ならともかく、一般市民では着ける機会もなく、 譜面台の方が魅力的です。とは言え、とても重そうな譜面台で、動かすには側仕えが必要ですね..... (笑)それこそ小説「本好きの下剋上」で描かれる貴族社会の世界がリアルに目の前に現れたようで我ながら苦笑....o(≧▽≦)o 毎日の身支度、食事、社交、湯浴み、仕事に至るまで、何人もの側仕えが必要だったか想像できました。でも当時の美術品、楽器、音楽など、芸術が発展する背景には貴族社会があり、バッハやヘンデルも宮廷に行く時はカツラを被って正装し(本当はどんな髪型だったのか気になる....)、モーツァルト、ハイドン、ベートーヴェン、リストやショパンも貴族との深い関わりがありました。ミケランジェロやダ・ヴィンチも然り。芸術が発展したのはお貴族様のおかげなのですね.....

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2026年10月08日 23:08

シルバーウィーク美術館巡り「藝大式 美術のミカタ」展と「大英博物館日本美術コレクション」展

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シルバーウィークを使って美術館巡りをしてきました。この9月は30日間雨続きというニュースに驚きですが、美術館は天候に左右されず楽しめるので久しぶりに美術館にどっぷり浸かり、心の栄養をたっぷり補給しました。

藝大美術館で開催されていた「藝大式 美術のミカタ」展、他にはない視点の展覧会で、芸大生になった気分で12の講義内容を勉強してみようという面白い展示です。1限目〜12限目という設定で芸大の美術科の学生がどのように学び、どのような過程を通るのかなど、頭の柔らかい芸大ならではの見せ方。西洋画の模写の仕方に始まり、日本画研究、彫刻保存の修復など、専門的な部分の裏側を垣間見ることができて楽しかったです。個人的に印象深かったのは、1限目の西洋画の模写、5限目の古典模写の仕方、6限目の彫刻のコーナー。

1限目の会場では現役の芸大生が実際に模写をしていて、うわぁ~やはり上手!!現在何日目の行程であるか明示されており、この日数でここまで描くのかぁ....とビックリ。そのコーナーの模写は、模写をされる絵と模写をしている絵が全く異なり、自分のやりたい方向性で描く個性的なものでした。こちらは撮影禁止でしたが他の会場は撮影可。
5限目では古典絵巻などの模写の「上げ写し」という技法が紹介されており、全く違う模写のスタイル。こちらは1日の作業がわずか500円玉程度の範囲にしかならず、かつ正確で緻密な技術が求められ、恐ろしく根気のいる作業....。なるほど〜こうやって修復や研究がなされていくのかぁと興味深かったです。音楽を子供に教える行程も、模写と同じく口伝えのように師の音色を真似て弾くところが基本で似ていますが、1限目の模写に近いかな?同じように教えても全く同じ歌い方にはならず、感じ方やイメージの違いで違うものに変化し、そこから自分の音楽にするべく掘り下げる経緯は美術も音楽も同じですね。

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6限目の彫刻部門では、模刻から学ぶ仏像の保存修復がテーマで、奈良が大好きで相当数の仏像を見てきた私には親密さを感じてしまう会場でした。仏像は東大寺の盧舎那仏のように巨大なものから小ぶりのものまでありますが、私のお気に入りはやはり秋篠寺の「伎芸天」と室生寺の十一面観音像。どちらも柔らかなお顔でちょっと色気があります。唐招提寺の千手観音像、興福寺や円成寺の運慶の力強い仏像も好きですが..... 今回の藝大展では、彫刻科の新納忠之助さんと言う方の、当時の卒業制作「渡海達磨像」がすごかった.....これを20代前半の学生が作ったのかと思うと口あんぐりです..... 生命力のある達磨像が波の上に佇み、その姿は風や波に揉まれている様を想像させ、生き生きとした生命力を持ち、遠くを見る視線は強い意思があり、人を惹きつけて止まない魅力がありました。

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同じく上野にある東京都美術館で開催中の「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱」展、こちらでも日本美術を堪能しました。大英博物館から里帰りした日本美術の逸品がずらりとありましたが、中でも写真撮影OKだった必見の襖絵が、狩野宗眼重信の「秋冬花鳥図麩」。青森の旧家・宮越家とロンドン、シアトルに分かれて保存されていた襖絵が、実は1枚の襖絵だったということが近年わかり、150年ぶりに再会して1つの絵として展示されたものです。あまりに大きい絵でガラスケースに入っていた為、写真は上手く撮れませんでしたが、とても美しい狩野派の絵でした。日本画を描く母に連れられて幼い頃からよく上野の美術館に行ったものですが、当時は日本画の良さがわからず、年を経て美術館をめぐるようになって日本画の素晴らしさを感じるようになりました。西洋音楽を専門としている事もあり、自宅のリビングやレッスン室は西洋画の複製画ばかりですが、日本画を飾る畳の部屋も欲しかったなぁ..... それに加えて実家の母が描いた絵も、そのうち持って行ってねと言われたりして、どう飾ろうかしらん....

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2026年09月29日 23:08

ドビュッシー「喜びの島」の風景

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ドビュッシーの作品に「喜びの島」というピアノ曲があります。この曲を弾いている生徒のレッスン中にふと、作曲家の頭に浮かぶ光景や世界は本当にすごいなぁとその世界観に今更ながら驚嘆してしまいました。ピアノの先生という職業は、生徒のレッスン中、レッスンしている曲のイメージを一緒に思い浮かべたり説明したり、「ここはどんな場面だと思う?」と質問をしながら、同時に自分も作品を楽しんでいる事が良くあります(^。^) 「喜びの島」は冒頭、物語が 始まってから場面が次々展開して時間が進み、まるでオペラや映画を見ているような感覚がありますが、表現されている世界を自分がリアルに感じ、映像や色が目の前に浮かんでくるまで突き詰めないと人に伝わる音にならないところが難しい....  ドビュッシーが感じたものを実際に体感する事はできないわけで、四苦八苦して頭で想像してみたり、イメージになる映像を探したり、本を読んだり...... 演奏する側の頭の中にどれだけの引き出しがあるか、感性がどれだけあるかが音に生かされます。

ドビュッシーは眼で見たものからインスピレーションを感じて作品を創ることが多い作曲家ですが、「喜びの島」もヴァトーの絵からインスピレーションを受けて作曲されました。つい絵を見たくなりヴァトーの画集を引っ張り出してパラパラめくると、「シテール島への船出」「シテール島の巡礼」という似た絵が2つあります。アントワーヌ・ヴァトーはフランスのロココ美術の画家で、ドビュッシーが見たのはルーブル美術館所蔵の「シテール島の巡礼」でしょうか? ギリシャ神話の美と愛の女神ヴィーナスが辿り着いた島の風景が描かれています。独身者がその島に行けば伴侶が得られ、恋人たちが行けば幸せになれる、という世界観。宮廷貴族のような服装の恋人達、たくさんのキューピッド、ヴィーナスなど、幸せなカップル達が過ごす一場面が切り取られています。ヴァトーは他にも似たような絵が多く、もしかして病弱だった自身の夢の世界を求めてこんな絵を描いたのかしらん?

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「喜びの島」の冒頭、フルートを思わせる旋律に始まり、揺れ動く波のような音型が現れて場面が広がります。時々波がザブ〜ン!と来たり.... 曲が進むと幸せ感あふれる和音とメロディが5連符に乗っかって登場し、恋人たちのワクワク感を感じます。次に速いパッセージが現れ、背中に羽のついたキューピッドが飛び回っているよう..... 「おぉ!島が見えた!」と思わせる和音と大波が来たり、島に近づいて行く時間の動きが見えたり、帆が風を受けて進み、天からキラキラと金粉が降り注ぎ..... いよいよ島に上陸か?と思わせるG♯音に乗ってドキドキ感が増し、船のスピードが速まり、最後は高揚感が高まって幸せの絶頂へ...... あれ?この世界観、今読んでいる「本好きの下剋上」の女神のシーンや登場人物の感情と似てる?....... ちょうど読み終えたばかりの本のクライマックスと重なってしまいました.... ☆*:.(≧▽≦)。.:*☆ 音楽は自由なので、音を聴きながら本で読んだ一場面がふと出てきたり、映画のワンシーンが見えたりすることもよくあります。ドビュッシーの音楽は色も沢山見えてきますが、この人、もしかして色聴を持っていたのかしらん? 昔、色聴を持っている作曲家が知り合いに一人だけいたけれど、音が色に見える感覚ってどんな感じなのか、話を聞いてみたかったなぁ.... シベリウスの第1番の交響曲の出だしはブルーグレー、3番の交響曲の冒頭は黄緑かな?ぐらいの感覚は私にもありますが、色調を持っている作曲家って、どんな風に見えるのでしょうねぇ。スクリャービンがハ長調が赤に見える、という感覚は同感できないけれど....ハ長調ってやっぱり白じゃない?

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2026年08月28日 11:18

北川村〜モネの庭 マルモッタン

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高知県の北川村「モネの庭」マルモッタンに行ってきました。パリ・ジヴェルニーにあるモネの家の庭を模したものです。数えきれないほどスイレンの絵を描いたモネの庭はどんな感じだったのだろうかと思いつつ、なかなかパリまで飛んで行けないので北川村をまず見ようと思ったのですが、スイレンの絵の風景は再現されていて雰囲気が伝わります。赤や黄色、そして珍しいブルーのスイレンが咲いている時期で、水の中にポコっと浮いている花が印象的でした。土に咲く花と違って水に浮かぶ花は涼しげで、屋外の暑さも少し癒える気がします。こんな庭が家にあったら毎日庭ばかり眺めて描きたくなるだろうなぁ....と思いながら、結構お手入れも大変なのでは?なんて余計な事も考えてしまいます。水と緑が豊かなので、東京では見たこともない大きなトンボに出会いました。体がブルーのトンボと黄金色のつがいのトンボがぶんぶん飛び交い、ちょっと苦労しながらシャッターに収めましたがトンボの種類はわからず....笑。昆虫に詳しい友人に写メを送って聞こうかしらん?

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高知は初めて行ったのですが、NHKの朝ドラの主人公にもなった植物学者・牧野富太郎博士の業績を顕彰する施設「牧野植物園」、高知城、龍河洞(鍾乳洞)、四国のお遍路さんが巡る八十八ヶ所霊場など、見るところ満載でした。牧野植物園は広大で、面白い植物が沢山。袋の中に落ちる虫を栄養にする食中植物を初めて目にしました。日本三大鍾乳洞の1つ「龍河洞」は、かなり長いコースを上に行ったり下に行ったり...... 小柄な私でも通り抜けるのに気をつかう場所もあり、ひょっとして立派な体格の人はお断りするのかなぁ?と思ったり.....( ̄∇ ̄)
偶然通りかかったお遍路さんの霊場第36番札所「青龍寺(しょうりゅうじ)」は風情のある静かなお寺で、年代を感じさせる石段や五重塔も見事、とても印象的なお寺でした。四国の他の霊場も歩いてみたいかも?
最近興味を持ち始めた戦国時代の城の1つ、高知城にも足を伸ばしました。戦国武将の山内一豊が築城したお城ですが、お城に登ると毎度のことながら、昔の人はこんなに急な建物で生活していてさぞ足腰強かったのだなぁと現代人の軟弱さを感じますo(≧▽≦)o ほんの三日間でしたが満喫できる旅となりました。


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2026年08月12日 13:12

ウジェーヌ・ブーダン展〜瞬間の美学、光の探究

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新宿のSOMPO美術館で開催されている「ウジェーヌ・ブーダン展」に行き、ちょっと疲れた脳細胞をリフレッシュしてきました((^。^) 静かな美術館で絵を眺め、想像力を膨らませる時間は至福の時です。ブーダンは一人の画家の絵画展としては珍しいですが、印象派の先駆者となった画家で以前から好きな画家の一人でした。若い頃は宗教画も描いていたようですが、ブーダンは断然風景画が素敵!!印象派の画家にも多大な影響を与えたと解説で知り、モネにを初めて外に引っ張り出したのもブーダンだったとは.... 最近の美術展らしく、5階の展示室の絵は撮影OKなものもあり、その中では「トゥーク川」がお気に入りとなりました。ブーダンは空を描くのが本当に上手です。不安定な空模様、今にも雨が降り出しそうな雲、水面の陰影。この絵を見ていたら大好きなシベリウスの交響曲第1番の1楽章が頭の中でふと鳴り出しました。シベリウスの交響曲はどれも大好きで第1番から第7番までドライブ中のお供になっています。交響曲第1番の冒頭は少し陰鬱な曇り空が広がり、私の一番好きなブルーグレー色を想わせます。曲が展開していくにつれ、大空に向かって両手を広げ伸び上がって行くような.... シベリウスの交響曲はどれも大自然の壮大さが感じられ、深呼吸で胸いっぱい新鮮な空気を送り込まれたような、押し付けがましくない説得力を感じます。第2番の1楽章、これまた大好きなシベリウスの名曲ヴァイオリン協奏曲の甘いフレーズが何度も登場したり、最後は大空に羽ばたいて行くよう....  第3番の1楽章は、自分の演奏会本番の日、ホールに向かう道中で聴くのにちょうどよく.....(笑)サクサクと軽い足取りで「今日は本番、よし頑張ろう!!」という気分にさせてくれます♪(´ε` )

すっかり脱線しましたが、ブーダンの絵からなぜシベリウスにリンクしたのだろう?と思ったら、あぁ空を描いているからだなぁ.....と一人で納得( ̄∇ ̄) ブーダンの絵は空の面積が多く、開放感に満ちています。展示の中で一番のお気に入りは「干潮」。撮影許可のない絵で写メはできませんでしたが、夕暮れ時の海辺の一瞬を捉えた素敵な絵。この1枚に会いにもう一度行ってもいいくらい☆o(≧▽≦)o  海に沈む夕日の色が柔らかくて美しく、右下の杖を突く人は何をしようとしているのだろう,,,?と入り込んでしまいます。風景画に豆粒大の人物が描かれるだけで人々の生活の一端を感じます。ブーダン展ショップにこの絵の複製画があったら絶対欲しい!!と期待したのですがあえなく撃沈。紙のポスターを買ってはみたものの複製画に比べ質は劣り、色もだいぶ薄く.....複製画が欲しかった.....( T_T)

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2026年05月27日 23:18

ユトリロ展

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新宿の損保ジャパン美術館で開催されているユトリロ展を見に行きました。ユトリロの描くパリの街や建物は独特の陰鬱さがありますが、同時にとても惹かれます。人をほとんど描かないのに、なぜか建物の中にいる人を想像してしまう、生きた建物というのでしょうか、人の気配があります。ユトリロの絵ばかり、これほどの数を見たのは初めてでしたが、子供の頃からアルコール依存症で幾度となく入退院を繰り返し、苦しい青春時代を送った孤独感がじんわり絵に滲み出ていて、魅力的なのだけれど、ざらりとするものがあります。展覧会で後ろの方に展示された絵は、結婚して幸せ感が出てきますが、苦しい時代に描かれた絵の方に魅力を感じるのは皮肉なものです。

最近の美術展は、スマホで写メを撮って良いものも増え、今回のユトリロ展も殆どの絵が撮影可能でした。絵を見ながら歩く時間は至福の時ですが、自分の心に照らし合わせて、どの絵を
撮って帰ろうかな?と撮影ポイントを探すのも最近のスマホ対応の美術展ならではかもしれません。この日の一番のお気に入りは「ラパン・アジル」、次がちょっと地味目の「サン=ピエール広場から眺めたパリ」

「サン=ピエール広場から眺めたパリ」IMG_0518_コピー

斬新でインパクトのある「マルカデ通り」IMG_0523_コピー



ちょっと怖かった絵が「サン=ディディエの教会、ネイロン」IMG_0530_コピー
この教会はゾゾゾっとします。見ていると吸い込まれそう。一度見たら忘れない感じの絵ですね。

晩年の幸せな時代に描かれた「ボワリエール・エコールの教会と通り」は、とても美しい絵なのだけれど、綺麗すぎてユトリロ独特の魅力が少し薄いような.....

「ボワリエール・エコールの教会と通り」IMG_0534_コピー
 なんて随分勝手なことを一人で考えながら絵に浸った幸せな時間でした。



    


                          


            
                 
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2025年11月05日 22:05

田代慎之介ピアノリサイタルを聴いて

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上野の東京文化会館小ホールで開催された「田代慎之介ピアノリサイタル」を聴いてきました。今回のプログラムは何とリストの超絶技巧練習曲を全曲!!今まで数々の演奏会に行きましたが、リストの超絶技巧練習曲を全て聴くリサイタルは初めてです。演奏会までの練習過程を想像するだけでなんて恐ろしい.....Σ('◉⌓◉’) プログラム冒頭はモーツァルトの短調のロンド、これはスーッと心地よく胸に響く前菜。その後、リストの超絶技巧が12曲、休憩を挟んで演奏されました。よくありがちなリストの演奏は、名人芸的ピアニズムが「これでもかぁ〜」と全面に出て、時に強過ぎるエネルギーがギラギラとキツく感じられる場合もあるのですが、昨夜の演奏会では全くそんなことは無く、ずうっと聴いていられるリストでした。何と言っても「超絶技巧」ですからピアノの最高峰のメカニックを駆使した難曲ばかり。全曲通すだけでもゾッとしますが、その中で今回の演奏会は、リサイタルを通して何か一貫した信念があるように感じました。

リストはスーパースター的ピアニストの華やかな面が有名ですが、哲学的、宗教的な面や深い思索もあります。昨夜の演奏会では、超絶技巧の作品ながらもリストのそういったコアの部分を壮大な歌に仕上げようとしていたように感じました。以前、ゴーギャンの<我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか>という絵が日本に来た時、見に行った会場で動けなくなるような、何かを突きつけられるような衝撃がありましたが、その絵を見ていた時にふと、リストのロ短調ソナタや「ダンテを読んで」とリンクするような錯覚があったのを思い出します。人間の人生とは何か?を問う姿勢のような...... 私の大好きなミレーの「羊飼いの少女」と言う絵も、少女と広い草原と羊たちを描いているのに、その絵の向こうに神への敬虔な祈りや感謝の心を感じます。一本貫く信念のようなものが根底にあると、それが演奏や作品を通して滲み出てくると言うことなのかもしれません。

リストのロ短調ソナタは憧れですが、私の小さな手では到底無理な話で......(T ^ T) だってリストは小指がなんと8センチ!!私の中指より長い!とんでもない指の長さですo(`ω´ )o 顔が超イケメンなのは知っていますが、きっと手足も長かったんでしょう。万博で見た足が1メートル以上あるチェコスロバキア館のお兄さんみたいに....

昨夜のコンサート、個人的には後半の8番〜12番がとても印象に残りました。8番「死霊の狩り」では独特の世界観に浸り、9番「回想」は繊細な美しさに魅了され、10番は非常に完成度が高くて壮大なスケールの歌に聴こえ、11番、12番は癒され...... 演奏会前、冷房の効きすぎた場所にいたせいか、気圧のせいか、軽い頭痛がしていたのに、なぜか演奏会が終わったら治っていました。音楽に惹き込まれて癒されたからかしらん?♪(´ε` )


                          
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2025年09月04日 11:05

万博から得る豊かな世界

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今年の夏は猛暑どころか酷暑となっていますが、万博熱は高まっているようですね。かく言う私も万博の面白さにすっかりハマってしまい......思えば1889年のパリ万博でドビュッシーが東洋の楽器や美術品に衝撃を受け、夢中になってしまったエキゾティシズムからドビュッシーの名曲がたくさん生まれた訳ですが、ちょっとその気持ちがわかったかも?今回の万博は音楽と映像が一体になったものが多く、視覚からも聴覚からも刺激をたくさん受けます。

万博会場の海に面したウォータープラザで毎日開催されている噴水ショーでは、数十メートルの幅で水が相当な高さまで噴き出て、壮大な音楽に合わせて右へ左へと踊り回り、音楽を水で表現していました。リストの作曲の源となった「エステ荘の噴水」の噴水はどんなだったかしらん?と想像しながら、爽快な気分に......
ベトナム館では、3人の奏者による民族音楽の実演があり、名前も知らない楽器の音が新鮮でした。琵琶に似たもの、太鼓、もう1つは竹でできた楽器です。ヨルダン館では、ヨルダンから運ばれてきたサラっサラの砂場に裸足で入り、360度ぐるりと張り巡らされた砂漠の夜空を見ました。非常に美しかったです。夜の砂漠というと、生徒のレッスンで教えているカバレフスキーのソナチネ第1番の第1楽章の第2主題や第2楽章は、なぜか目の前に夜の砂漠の景色が浮かびます。正にその世界..... ヨルダン館の2階では天然石を使ってコースターを作るコーナーがあり、記念に作ってみました。アイルランド館では来場者が触れられる小さめのハープがあり、ハープに初めて触り..... 意外に柔らかい弦の感触でした。

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 ヨルダン館で作ったコースターIMG_0118_コピー

ウズベキスタン館ではサマルカンドブルーの建物の映像が美しく、ネパール館では曼荼羅を細工した彫刻に目を見張り、ペルー館ではナスカの地上絵の研究を山形大学が行なっていることに驚き.....ナスカの地上絵ってなんと893点もあるんですね!! トルクメニスタンなんてどこにあるかも知らなかった国の展示も面白く...... トルクメニスタン料理、レストランが行列で入れませんでしたが、食べてみたかったなぁ.....ʅ(◞‿◟)ʃ カタールやオマーン、サウジアラビアなどのアラブ系の国は、おもてなしの心が伝わってくるパビリオンでした。砂漠の国に共通した感覚のような気がします。   
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イタリア館は芸術を前面に出した展示で、共同開催でバチカンから持ってきたカラバッジョの名画、古代ローマ時代の彫刻「ファルネーゼのアトラス」、ミケランジェロの彫刻「キリストの復活」に暫く魅入ってしまいました。「ファルネーゼのアトラス」のような名品は、なかなか美術展でも日本に来ないので、さすが芸術大国は凄いものを持ってくるなぁという感じです。腕の血管まで詳細に彫られていました。絵と違って彫刻は非常に重いので、なかなか日本まで来てくれないんですよね..... 酷暑で行列だらけの万博、朝から晩までの滞在は疲れますが、知的好奇心を満たすには余りある世界でした。

  イタリア館「ファルネーゼのアトラス」IMG_7383_コピー_コピー_コピー




            
                 
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2025年08月05日 11:05

北海道ガーデン巡り

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以前から行きたかった北海道のガーデン街道巡りをしてきました。北海道と言えども夏はやはり暑いんですね、帯広はなんと36℃!! 帯広〜旭川方面にガーデンが点在し、車で移動しながら7つのガーデンを散歩。お菓子の六花亭が経営する六花の森と中札内美術村や、十勝ヒルズ、真鍋庭園、柴竹ガーデン、十勝千年の森、そして富良野のファーム富田です。六花の森では青い空と小高い丘のコントラスト、美しい白樺のトンネルがとても印象的でした。丘の上にドーンと置かれたロダンの「考える人」に似た丸っこい石像が、妙に風景にマッチしてクスッと笑えます。

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少し離れたところに、同じく六花亭の経営する中札内美術村があり、小さな美術館7軒を歩いて回ります。静かで人気も少なく、絵もなかなか見応えがありました。個人的には百瀬智宏さんの絵に一番惹かれ、最初は写真かと見まごうほどでした。北海道の風景の描写が本当に美しく、絵を見ていると木の葉が川に舞い落ちる音や、雪のサクサクした音が聞こえて来そうです。東大寺の襖絵を手がけた小泉淳作画伯の絵も印象的でした。襖絵の題材にもなったハスの絵は、ちょっと狂気を感じるほど。帯広駅に程近い真鍋庭園は、大きな森を切り取った感じの庭園で、木陰がたくさんあって癒されます。大きな樹木がこんなにあるガーデンもあるのだと驚きながら散策していくと、日本庭園だったりヨーロッパ風庭園だったりと景色が映り変わります。ドーンと広い丘も気持ちいいですが、木々に囲まれているとエナジーを感じます。

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十勝千年の森は、あまりに広大でビックリΣ('◉⌓◉’) 山まであって、この暑さでなければ登ってみたいですが、今回は平地のみに.....( ◠‿◠ )青い空と草原と山が広がる光景を、大きな木の下に座ってのんびり眺める時間は至福です。ものすごい数の蝶が飛び回り、東京では見たこともない黒地にロイヤルブルー模様のアゲハ蝶も見かけました。なんていう蝶かしらん?ただ、蝶の写真を撮るのは至難の業で、止まっていても近づくと飛んでいってしまうし、飛んでいると焦点を絞れないし......悪戦苦闘の末、諦めました(笑)木々にガラスの風鈴が無数に掛けてある「涼を呼ぶ庭」という庭があり、カラカラと鳴る涼やかな音色がなんとも心地良く......広すぎて全部回りきれないほどでしたが、ここはまたいつか来てみたい.....

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富良野に移動して最後に立ち寄ったのは、ラベンダーで有名なファーム冨田です。6月下旬〜7月末にラベンダーの紫一色に染まる農園で、全国からこの時期めがけて観光客が集まります。美しい紫の畑の周りを散歩していると、ラベンダーの香りが風に乗って漂ってきます。お土産屋さんもラベンダー尽くし.....紫色のものばかりが並ぶお土産屋さんは、全国でもここだけじゃないでしょうか.....( ´∀`)

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帰りがけに、富良野に行くといつも立ち寄るニングルテラスというお土産屋さんで木彫りの人形を1つ買いました。「森の楽団」シリーズで、それぞれ楽器を手にしています。行く度に1つずつ集めていて、またレッスン室に1人増えました。そろそろケースがいっぱいかも.....?北海道は何度行っても良いですが、次はいつかしらん?

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2025年07月18日 11:05

ル・カインの額絵&さくらももこ「憧れのまほうつかい」

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楽しみに待っていた絵が美術館から届きました。先月行ったエロール・ル・カイン展で購入した「いばらひめ」の額絵です。2ヶ月ほどかかる予定だったのが随分早く届き、嬉しくてすぐレッスン室に飾ってみました。ル・カインの絵本は既にコレクションしていますが、原画は絵本より深みがあり、丹精込めて描いた心の息吹が感じられます。数十年前、この絵本に出会った時の感動は現在も変わらず続いており、何度見ても癒されます♪( ´θ`)特にお気に入りなのは「いばらひめ」「おどル12人のおひめさま」「キューピッドとプシケー」。「シンデレラ」の挿絵もとても素敵で、馬車でお城に向かう場面など、河に映って馬車が逆さまになっているアイデアが素晴らしい!!

ル・カインの挿絵はどれも美しいですが、この「いばらひめ」の1枚はとりわけイメージに満ちて雰囲気抜群!!ル・カインは東洋風、中国風、日本風、アメリカ風、中東アラビア風など、本の中身に応じて全く違うイメージの絵を描く挿絵画家ですが、この絵はヨーロッパのクラシカルな感じです。「眠りの森の美女」と内容は同じで、王女の誕生を祝うパーティーに招かれた仙女たち一行が、夜の森を抜けてお城に向かう一場面です。この12人の仙女たち、とっても素敵な衣装に身を包み、ユニコーンの背に乗ったり、鳥に乗っていたり、自身の翼で飛んでいたり、籠に乗っている二人を3人が運んでいたり、孔雀に乗っていたり..... よくもまぁこんな想像力豊かな空間が浮かんでくるなぁと魅入ってしまいます。パーティーに招かれなかった仙女が恨めしげに木陰から覗いていたり..... 御伽話の絵本と言えども侮るべからず!見る人がその世界に入り込んで想像力を膨らませることのできる芸術性の高い作品で、こんなに夢中になったり童心に帰れるものは幾つになっても大事にしたいものです。

エロール・ル・カイン展では、私と同じくこの画家に夢中になった「さくらももこ」さんが執筆した「憧れのまほうつかい」も展示してありました。「ちびまる子ちゃん」で有名な漫画家さんですね。この本は、若かりし頃のさくらももこさんがエロール・ル・カインの本に出会って夢中になり本を買い集め、原画の蒐集家と出会い、ル・カインの絵をもっと普及させるべく、その軌跡を追って渡英したりと、とてつもないル・カインへの情熱愛を極めた体験談の本で大変面白かったです。こんなにル・カインの絵に惚れ込む人がいたんだわぁ( ´∀`)と嬉しくなりました。ももこさん独特の小気味よい文体で面白おかしく語るイギリスでの体験談は、ひと息に読めてしまいます。爆笑シーンもあり.....)^o^(  ただ、命を削って絵の仕事に打ち込むル・カインの妻が芸術に何の理解もない女性だったと知って悲しくもなり..... 芸術家の妻たる者、その芸術の価値を一番理解して応援する存在となるべし!o(`ω´ )o エロール・ル・カインの絵本が日本で知られるようになったのは、実はさくらももこさんのお陰もあったと知り、ももこさんにも個人的親近感を覚えてしまいました。日本未発売のル・カインの「グランマ」、英語版でもいいので近々出版してほしい.... ♪(´ε` ) 
            
                 
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2025年06月25日 11:45

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