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田代慎之介ピアノリサイタルを聴いて

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上野の東京文化会館小ホールで開催された「田代慎之介ピアノリサイタル」を聴いてきました。今回のプログラムは何とリストの超絶技巧練習曲を全曲!!今まで数々の演奏会に行きましたが、リストの超絶技巧練習曲を全て聴くリサイタルは初めてです。演奏会までの練習過程を想像するだけでなんて恐ろしい.....Σ('◉⌓◉’) プログラム冒頭はモーツァルトの短調のロンド、これはスーッと心地よく胸に響く前菜。その後、リストの超絶技巧が12曲、休憩を挟んで演奏されました。よくありがちなリストの演奏は、名人芸的ピアニズムが「これでもかぁ〜」と全面に出て、時に強過ぎるエネルギーがギラギラとキツく感じられる場合もあるのですが、昨夜の演奏会では全くそんなことは無く、ずうっと聴いていられるリストでした。何と言っても「超絶技巧」ですからピアノの最高峰のメカニックを駆使した難曲ばかり。全曲通すだけでもゾッとしますが、その中で今回の演奏会は、リサイタルを通して何か一貫した信念があるように感じました。

リストはスーパースター的ピアニストの華やかな面が有名ですが、哲学的、宗教的な面や深い思索もあります。昨夜の演奏会では、超絶技巧の作品ながらもリストのそういったコアの部分を壮大な歌に仕上げようとしていたように感じました。以前、ゴーギャンの<我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか>という絵が日本に来た時、見に行った会場で動けなくなるような、何かを突きつけられるような衝撃がありましたが、その絵を見ていた時にふと、リストのロ短調ソナタや「ダンテを読んで」とリンクするような錯覚があったのを思い出します。人間の人生とは何か?を問う姿勢のような...... 私の大好きなミレーの「羊飼いの少女」と言う絵も、少女と広い草原と羊たちを描いているのに、その絵の向こうに神への敬虔な祈りや感謝の心を感じます。一本貫く信念のようなものが根底にあると、それが演奏や作品を通して滲み出てくると言うことなのかもしれません。

リストのロ短調ソナタは憧れですが、私の小さな手では到底無理な話で......(T ^ T) だってリストは小指がなんと8センチ!!私の中指より長い!とんでもない指の長さですo(`ω´ )o 顔が超イケメンなのは知っていますが、きっと手足も長かったんでしょう。万博で見た足が1メートル以上あるチェコスロバキア館のお兄さんみたいに....

昨夜のコンサート、個人的には後半の8番〜12番がとても印象に残りました。8番「死霊の狩り」では独特の世界観に浸り、9番「回想」は繊細な美しさに魅了され、10番は非常に完成度が高くて壮大なスケールの歌に聴こえ、11番、12番は癒され...... 演奏会前、冷房の効きすぎた場所にいたせいか、気圧のせいか、軽い頭痛がしていたのに、なぜか演奏会が終わったら治っていました。音楽に惹き込まれて癒されたからかしらん?♪(´ε` )


                          
            プログラム IMG_0116_コピー

            
                 
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2025年09月04日 11:05

万博から得る豊かな世界

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今年の夏は猛暑どころか酷暑となっていますが、万博熱は高まっているようですね。かく言う私も万博の面白さにすっかりハマってしまい......思えば1889年のパリ万博でドビュッシーが東洋の楽器や美術品に衝撃を受け、夢中になってしまったエキゾティシズムからドビュッシーの名曲がたくさん生まれた訳ですが、ちょっとその気持ちがわかったかも?今回の万博は音楽と映像が一体になったものが多く、視覚からも聴覚からも刺激をたくさん受けます。

万博会場の海に面したウォータープラザで毎日開催されている噴水ショーでは、数十メートルの幅で水が相当な高さまで噴き出て、壮大な音楽に合わせて右へ左へと踊り回り、音楽を水で表現していました。リストの作曲の源となった「エステ荘の噴水」の噴水はどんなだったかしらん?と想像しながら、爽快な気分に......
ベトナム館では、3人の奏者による民族音楽の実演があり、名前も知らない楽器の音が新鮮でした。琵琶に似たもの、太鼓、もう1つは竹でできた楽器です。ヨルダン館では、ヨルダンから運ばれてきたサラっサラの砂場に裸足で入り、360度ぐるりと張り巡らされた砂漠の夜空を見ました。非常に美しかったです。夜の砂漠というと、生徒のレッスンで教えているカバレフスキーのソナチネ第1番の第1楽章の第2主題や第2楽章は、なぜか目の前に夜の砂漠の景色が浮かびます。正にその世界..... ヨルダン館の2階では天然石を使ってコースターを作るコーナーがあり、記念に作ってみました。アイルランド館では来場者が触れられる小さめのハープがあり、ハープに初めて触り..... 意外に柔らかい弦の感触でした。

  ベトナム館民族音楽 IMG_9028_コピー       
 ヨルダン館で作ったコースターIMG_0118_コピー

ウズベキスタン館ではサマルカンドブルーの建物の映像が美しく、ネパール館では曼荼羅を細工した彫刻に目を見張り、ペルー館ではナスカの地上絵の研究を山形大学が行なっていることに驚き.....ナスカの地上絵ってなんと893点もあるんですね!! トルクメニスタンなんてどこにあるかも知らなかった国の展示も面白く...... トルクメニスタン料理、レストランが行列で入れませんでしたが、食べてみたかったなぁ.....ʅ(◞‿◟)ʃ カタールやオマーン、サウジアラビアなどのアラブ系の国は、おもてなしの心が伝わってくるパビリオンでした。砂漠の国に共通した感覚のような気がします。   
              ウズベキスタン館映像 IMG_8980_コピー
                  
イタリア館は芸術を前面に出した展示で、共同開催でバチカンから持ってきたカラバッジョの名画、古代ローマ時代の彫刻「ファルネーゼのアトラス」、ミケランジェロの彫刻「キリストの復活」に暫く魅入ってしまいました。「ファルネーゼのアトラス」のような名品は、なかなか美術展でも日本に来ないので、さすが芸術大国は凄いものを持ってくるなぁという感じです。腕の血管まで詳細に彫られていました。絵と違って彫刻は非常に重いので、なかなか日本まで来てくれないんですよね..... 酷暑で行列だらけの万博、朝から晩までの滞在は疲れますが、知的好奇心を満たすには余りある世界でした。

  イタリア館「ファルネーゼのアトラス」IMG_7383_コピー_コピー_コピー




            
                 
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2025年08月05日 11:05

イメージの魔術師エロール・ル・カインの世界

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子供の頃、趣味で絵を描く母が「ステキな本があったよ!」と見つけてきた本に魅入られたことがありました。エロール・ル・カインという挿絵画家の描いた絵本です。大人になってから偶然その絵本に再会し、日本語で出版されている本を少しずつ集めて20冊余りになります。イメージの魔術師と言われる「エロール・ル・カイン」は1989年に若くして亡くなった挿絵画家ですが、イギリスを代表する絵本作家として現在でも高い評価を受けています。絵本の挿絵と言っても非常に芸術性の高いもので、描かれた人物、模様、風景を見ているとその世界に惹き込まれ、想像が広がります。先日、八王子夢美術館で「エロール・ル・カイン展」が開催されているのを知り、出かけてきました。挿絵の原画、スケッチなどが展示されていましたが、絵本とは違う奥行きや深みがあり、ステキなひとときを過ごしました。量販される本の紙質はテカるものが多い為、絵の具の陰影まではなかなか全て出しきれない部分もあるようです。日本では出版されていない本の挿絵も多数あり.......あの本買えないかしらん?☆*:.(≧▽≦)..:*☆

エロール・ル・カインの絵は、物語の内容によって全く違うタッチに変幻自在で、一人の画家がこんなにも変身するのかと驚かされるばかりです。ギリシャ神話の「キューピッドとプシュケー」などは挿絵が全てモノクロ。でもギリシャ神話のように内容の深い物語には、白黒だけの世界が非常に似合います。お姫様ストーリーの「シンデレラ」は、シンデレラのドレスの模様が芸術的すぎて格調高い作品になり、一般的に連想されるストーリーとはかけ離れてしまう程です。他にも「ハーメルンの笛吹き」などはブリューゲルのような感じになり、インドを舞台にした物語ではアラブ系の絵に、東洋のお話はエキゾチックに変身します。私の一番のお気に入りは「いばらひめ」で、この絵を見るとラヴェルの音楽が浮かびます。内容は「眠りの森の美女」なので、チャイコフスキーのバレエ音楽が浮かんできそうなものですが、なぜかラヴェルの世界観に思えてなりません。

音楽と絵と物語は密接な関係があり、音楽を聴いて絵が浮かぶこともあれば、絵を見て音楽が浮かぶこともあり、音楽は常に何かしら物語を語っています。何年か前、レッスンしていた子供の生徒さんが雪の情景の曲を弾いている時、ルカインの「雪の女王」の挿絵を見せたらイメージが繋がって表情がとても豊かになったことがありました。正に百聞は一件にしかず、ですね。雪がもうもうと降る中をソリで果敢に進むような場面の曲、子供が雪景色を見上げている様子を描いた曲。作曲家の頭の中の光景やお話を、音として紡いでいくのは楽しいものです。

著作権の問題があるので本の中身はお見せできませんが、表紙だけなら良かろうと思うので、いくつかご紹介したいと思います。エロール・ル・カインの挿絵をたくさん載せた集大成のような本も出ています。このイメージ豊かな絵本を生徒さん達にも見て欲しいと思い、自宅のレッスン室の一角に並べることにしました(^ ^)

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2025年05月26日 23:22

大阪万博の民族音楽

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以前から楽しみにしていた大阪万博に行ってきました。3日間の滞在でしたが、世界各国の文化、芸術、最先端技術、郷土料理などに触れられる楽しい体験となりました。日本の企業が力を尽くしてのパビリオンはさすがに内容が濃く、普段はあまり興味を持たない分野にも視野が広がりました。2ヶ月前までの抽選予約や追加予約などで、日本館、住友館、三菱未来館、大阪ヘルスケア館を体験できましたが、どこのパビリオンも驚きや感動があって刺激だらけです。大阪ヘルスケアパビリオンでは25年後の自分が映し出され、実家の母に似ていて大笑い、そして昨今の技術の凄さにビックリ('◉⌓◉’) 個室ブースで5分程立ってデータを取るだけなのに、これほどの事がわかるのかと仰天です。日本館では微生物がゴミをエネルギーに変える様を目の当たりにし、三菱未来館では宇宙の神秘を考えさせられ、住友館では自然を模した空間の幻想美に癒されました。

そして個人的に一番目的だった海外パビリオンの民族音楽や民族舞踊などの催しは、音楽を専門にしている者としては非常に楽しく勉強になりました。ハンガリー館では美しいハンガリーの民族衣装を着た女性の歌と踊りが見られ、おぉ〜ハンガリー舞曲だぁ....と納得♪(´ε` ) トルコ館主催の催しはトルコ行進曲の元になった軍隊行進曲を思わせる演奏で、民族衣装を纏った大きな男性達が大音量で奏でる音楽が強烈でした。サウジアラビア館ではクラシック楽器でアラブの民族音楽が奏でられ.....  万博会場の屋外あちこちにちょっとした舞台があり、ワンピースのような衣装を着たサウジアラビアの男性達が民族音楽に乗って踊っていたり、マレーシア館前ではマレーシア人の民族舞踊に一般人も混じって踊るなど、普段見られない芸術文化に触れられました。会場が広すぎて3日間とも11〜13キロ歩いて足が棒になりつつ、まだまだ他に見たいものが山積みでした。ミニミニ世界旅行のような体験ができる機会は他にないので、また行ってしまうかも?
                          

トルコの民族音楽IMG_5788_コピー      IMG_6524_コピー_コピーサウジアラビア館

マレーシアの民族舞踊IMG_6921_コピー       IMG_6927_コピー_コピーサウジアラビアの民族舞踊

            
                 
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2025年05月02日 23:12

カルク・エラート「シンフォニック カンツォーネ」

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フルートとピアノのデュオコンサートに、カルク・エラート作曲の「シンフォニック・カンツォーネ」を入れてみようか?と練習を始めました。フルートはロマン派の作品が非常に少なく、他の楽器に比べるとプログラミングに苦労します(´ε` )  カルク・エラートはドイツ生まれ、私は初めて接する作曲家です。練習しながら楽譜を丹念に見ていくと、んん?なんじゃこれ?という妙な楽語やら記譜をたくさん発見しました。ちょっと変わった作曲家のようです⊂((・x・))⊃ 曲を練習する時、楽譜の奥に何があるのか?、どんな話なのか?と想像力をふくらませて音を作りますが、この作品を練習していると妙に可笑しくてニヤけてしまいます。楽譜のあちこちに、普通はあまり見かけない細かい指示があり、「ここは絶対こういう風に弾いて欲しいのね、僕としては....」「ここはこんなふうにイメージしてね」という声が聞こえてきそうなくらい、細かすぎる楽語の指示や変わった記譜があります。要するに、他の作曲家なら演奏する側に任せるであろう余白部分を、任せきれなくて書き込んじゃった、という感じでしょうか(笑)2つの和音をなめらかに繋ぐ(スラー)の最後、左手だけスタッカティッシモが付いていたり..... 妙にこだわりがある作曲家のようです( ^∀^)  
                            
           面白い記譜 IMG_6389_コピー_コピー

ただ、この作品はとても自由で、演奏側がどこでどうテンポを動かすかなど、色々な料理の仕方もあります。名曲と言えるところまでは行かずとも、プログラムに1曲こんな作品を入れても良いかな? フルートとの初合わせの際も、二人で大笑い o(≧▽≦)o  縦横無尽にルバート(テンポを揺さぶる)できる曲想のため、この作曲家の語り口に振り回されてしまいます。慣れるまで少し時間がかかりそう.....でもとても楽しい合わせになりました。

                          


            
                 
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2025年04月04日 11:05

フルトヴェングラー「音と言葉」

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高校生の頃、オーケストラ曲が好きで毎日のように何かしら聴いていました。中でもフルトヴェングラー指揮のベートーヴェン、ブルーノ・ワルター指揮のモーツァルトの交響曲など、古い録音だけれど心がザワザワしました。フルトヴェングラーという指揮者はあまりに偉大で有名ですが、ベートーヴェンの「運命」など、のっしのっしと足を踏み鳴らしてこちらに出てくるかのよう、と何かで表されていたのを覚えていますが、本当に生きた巨人のように感じます。この偉大な指揮者の著書に「音と言葉」があります。恐ろしく中身のある本ですが、なかなか頭に入っていかない部分もある難解な内容で、ベートーヴェンやバッハ、その他について幾つもの篇に分かれている音楽評論です。でも一節だけピンポイントで拾って読めるのが良く、難しいけれど何度も行きつ戻りつ読んでいると、だんだん味がわかってくるスルメのような本です⊂((・x・))⊃。この本の「バッハ」について書かれた項目をふと読みたくなり、本棚の単行本を手に取って読み始めたところ、「あれ?んんん?」と違和感が....... 昔読んで感動したはずの言葉がどこにも見当たりません。はて、おかしいなと思い、もう一冊の古い文庫本の同じ本を探したら、翻訳した方が全く違っていてビックリ('◉⌓◉’)

かつて繰り返し読んで感動した文庫本のバッハの一節に、『バッハの音楽は、「近さの体験」とともに「はるけさを聴く」感覚を織りまぜた音楽』とあります。この「はるけさ」という言葉は、新潮文庫の文庫本で芳賀檀さんという翻訳者が訳された言葉で、バッハの世界を言い得て妙、と感じてお気に入りでした。はるか彼方を見つめた視線を感じる、ということなのでしょう。一方、白水社出版の「音と言葉」という単行本も持っており、こちらは文庫本がボロボロになってきた為、単行本も一冊ストックしておこうと買った本で、芦津丈夫さんの翻訳です。同じ文が、芦津さんの訳だと『「遠聴」と「近覚」とを同時に果たす音楽』となります。どちらがピッタリするかは人によって違うと思いますが、フルトヴェングラーの言葉は特に難航されたのだろうと想像されます。

バッハの音楽はどこまでも永遠に続くような普遍性があるとよく言われますが、クラヴィーア作品を実際に弾いていても、天に向かって淡々と語りかけるような感覚を覚えます。それはドビュッシーのような浮遊感とは違い、地に足のついた人間の感情が根底に存在し、ドラマティックです。しかしそれはベートーヴェンやモーツァルトのような人間臭さとは違い、まるで歴史家が史実を語っているような感覚に陥ることが良くあります。史実を語るような作品としてもマタイ受難曲やヨハネ受難曲などがあり、マタイ受難曲の有名なアルトのアリアなどは何度聴いても心を揺さぶられますが、クラヴィーア作品などでも、地平線の彼方に視線が向いているような感じを受けます。そこがバッハの一番好きなところなのですが...... これがベートーヴェンだと「ここに向かって進んで行くぞ!」という強い意志や方向性があり、モーツァルトだと「こっちに行くかと思ったらあっちに行ったり」と多重人格のように気分屋さんだったり.....♪(´ε` )でもタイムマシンに乗って過去の人物に一人だけ会いに行けるとしたら、私は間違いなくJ.S.バッハさんだなぁ......☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
                          


            
                 
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2025年03月10日 12:02

アレンジいろいろ

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フルートとピアノのデュオコンサートで演奏する曲を色々と模索中ですが、今回はメンデルスゾーンのピアノ曲のアレンジ版を1曲入れてみようかという話になりました。フルートという楽器は、他の楽器に比べて曲が本当に少なく、特にロマン派の作品が圧倒的に無いので困っています_(´ཀ`」おそらくロマン派の時代にフルートの名手が現れず、フルートの為の曲が全然作曲されなかった、というのが理由のようです。そこで現代のフルーティストのスーパースター達が、ヴァイオリンソナタやクラリネットソナタなど、フルートとピアノで演奏できそうな曲をあの手この手で演奏会プログラムやCDに用いています。そんな中、メンデルスゾーンのピアノ曲「ロンド カプリッチョーソ」という曲のフルート&ピアノ版のアレンジ楽譜が出版されているのを知り、練習してみようかという事になりました。フルートの相棒と私がまず自分のパートを練習して、いざ合わせに臨むわけですが、初合わせまで約10日という頃、彼女からLINEが来ました。彼女が持っているアレンジ版の楽譜が2冊あり、ふと比べて見たら楽譜の中身がまるで違ってびっくり(˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾  どの版で練習してますか?とのこと。それを聞いた私もビックリ!!私が練習してるのはこの版だけど.....と伝えると、何と彼女が練習していたのは違う版......(笑)

ヴァイオリンソナタやクラリネットソナタをフルートとピアノ版で演奏する場合、元の楽譜と音はさほど変わらないのですが、原曲がピアノ曲となると、そりゃ編曲によって全く異なるのは当たり前で、二人で大笑い......彼女が私の方に頑張って合わせてくれました。このあたりが、作曲や編曲を手がけたことのない演奏家のちょっと抜けているところなのでして.....( ˊ̱˂˃ˋ̱ )ただ、2冊の編曲を比べてみて、な〜るほど('◉⌓◉’)と面白かったのは、片方は原曲を忠実にフルートとピアノで分け合って無難にこなしているもの。もう片方は、新しいパッセージや和音が入り、編曲者の個性や粋な計らいが感じられるもの。う〜ん、こんなに違うのかぁ.....⊂((・x・))⊃  さてどちらを選んだか?結果は後者となりました。各自の練習もやり直しです(笑)

フルーティストのスーパースターであるパユやブリアコフは、曲が少ないのをカバーするべく、ご自身でアレンジしたり、作曲家に頼んだりしてどんどん新曲を開拓しています。いいなぁ!私たちもそれを模倣してやりたいのですが、そういうスーパースターは、アレンジ楽譜を自分の為だけに作るので、楽譜に仕立ててくれません( *`ω´) 出版してくれたら沢山買ってあげるのに....... 自分で編曲なんて曲芸はできないし.....知り合いの作曲家は何人かいますが、アレンジ?えぇ〜それだったら自分の作品を演奏して欲しいなぁ....なーんて言われそうだし......なかなか難しいところです。他にも何かピアノ曲をアレンジできないかしらん?悩みは尽きません.....



                          


            
                 
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2025年02月20日 23:33

アレクサンドル・タローのバッハCD

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昨年行ったアレクサンドル・タロー(ピアノ)とジャン=ギアン・ケラス(チェロ)の演奏会で買ったCDが最近とてもお気に入りです。アレクサンドル・タローのピアノソロのCDで、全てJ.S.バッハの曲ばかり、タロー編曲による曲も多く、原曲のジャンルも幅広いものになっています。このCD、冒頭から心に染み入るように美しく、まるで天上の音楽です。伸びやかで、自由に羽搏くような自由さと潤いに満ち、以前覚えた「はるけさ」という言葉が似合います。この「はるけさ」という言葉は、愛読書のフルトヴェングラーの「音と言葉」という本で覚えた、バッハの本質について書かれた記述の中の一節です。高校生の頃に初めて読んだ時、なんてピッタリな言葉かしらん♪( ´θ`)と嬉しくなり、以来お気に入りの言葉になりました。

このCDを聴いていたら、精神安定剤にしている教会カンタータBWV182の中の数曲とか、自分で編曲できたらなぁ......_:(´ཀ`):と思ったりもするのですが、こればかりはうーん何とも.......(˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ 作曲家と違ってこういう時に使えないのがピアノ科なのでして...... もしスコアから頑張ってアレンジできたとしても、いざリサイタルで弾くとなると、編曲⚪︎⚪︎⚪︎と名前を出すなんて恐ろしい事はとてもとても......(˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ といって誰か作曲家に頼むにしても、バッハをちゃんと研究している方でないとなかなか難しく....この企画は葬り去るしかありません(笑)

バッハが生涯で作曲した曲は大変な数で、カンタータだけでも200曲以上だったかな? 高校時代の恩師で芸大の作曲科出身の先生がバッハ大好き人間で、それがカンタータに出会ったきっかけでした。この先生がご自宅で開かれていた教会カンタータのレクチャーに何度となく通ったのを思い出します。小さい頃からバッハは好きでしたが、この先生にマタイ受難曲の色々な場面の説明やら、カンタータの魅力を教わってさらにバッハ好きに......( ´ ▽ ` )。高2の時の学園祭の演奏会では、伴奏法の授業で使っていたチェンバロを借りて、2本のヴァイオリンのための協奏曲を友人2人と演奏しました。あれは練習楽しかったなぁ.....ただ.......( T_T) !!本番の演奏は悲しい結果となりました。チェンバロという楽器、これは古楽器なので、現代の楽器と対等に演奏できるものではないのです。チェンバロの置いてある楽器庫で練習していた時はわからなかったのですが、良く響く演奏会ホールに出した途端、チェンバロの音はヴァイオリン2本の音に完全にかき消され、ほとんど聞こえなかったそうです。経験の浅い未熟な高校生ならではの出来事でした(笑)苦い思い出になりましたが、なかなかチェンバロなんて触れないので良い経験させてもらったなぁ....  社会人になってチェンバロという楽器を少し勉強し、ピアノでの演奏にも繋がっています。これも元を辿れば、高校の伴奏法の試験でチェンバロを使って古楽器の先生(通称ゴッツ)と演奏したバッハのフルートソナタでした。そして更に、そのフルートソナタが演奏したいなぁと思っていたらフルートの今の相棒に巡り合い.....人生、いろいろと数珠繋ぎになるものですね.....
                          


            
                 
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2025年02月05日 23:22

映画「海の沈黙」

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久しぶりに映画館に行き「海の沈黙」を鑑賞しました。昔からファンだった倉本聰さんが60年も温め続けた集大成の脚本、そして題材が芸術の話となると、劇場で観ない訳にはいきません。北海道が舞台の倉本さんの富良野ドラマ3部作「北の国から」「優しい時間」「風のガーデン」は大好きで何度も録画を見返していますが、今回の映画はそれを上回る渾身の作品かもしれません。「美」というものの価値、芸術の真の評価とは何か?、など中身のある題材がテーマですが、キャストが名優さん達ばかり、その魂のこもった演技に惹き込まれ、こういう映画を多くの人に見て欲しいなぁと切に感じました。美術を題材にした映画なので、さて一体どういう絵が登場するのだろう?と興味深々でしたが、出てきた絵に驚きました。凄みがあり、佐伯祐三を思い起こさせるような荒々しくザラッとした質感、一度見たら忘れない存在感です。高田啓介さんという画家の作品で、見る者をざわざわと揺さぶる厳しい絵でした。実際にあの絵を生で見てみたい......

映画のストーリーとしてはミステリータッチで、人の愛憎、嫉妬心などが美術界に絡んで描かれています。テーマである芸術の評価や価値は、美術だけでなく音楽その他、どの芸術にも共通してつきまとう話です。世間で話題になったり、コンクールで賞を沢山取ったからと言って、その人の表現が人の心を打つかというと、それはまた違う世界です。音楽の演奏会でも、技術的にはとても達者で文句なし、でもなぜか心に響いてこない......ということが良くあります。心の中から感じるものを、素直に感じるまま表現し、イマジネーションに富んでいる人の演奏は、有名人でなくても感動することもあります。画家や作曲家は何もない無から心の生き様を形にしますが、そこには、その人に取ってとても大事な人の存在が潜んでいたり、それが心の根源になり得ることもあります。それらが集約されたような映画作品でした。

倉本聰さんがこの脚本を書きたいと思われたきっかけが、鎌倉時代に作られて重要文化財に指定されていた古陶器の壺が、実は現代の陶芸家の作品だったと分かり、重文から外された、という話だそうです。昨日まで皆が美しい美しいと言っていたのに、時代が違うとわかった途端、評価が一変して価値が下がるのは変じゃないか?と......  ものの価値は、それぞれの人がそれぞれの感性でもって、あぁいいなぁ、これ素敵!と感じることに意味があり、そこに評価がついてくるものですが、悲しくもメディアの報道に振り回されることもしばしば見受けられます。

芸術の価値とは何なのか、真の美を見極めるとはどういうことなのか?、こういう中身の濃い本物の映画が日本アカデミー賞の最優秀作品賞を取って欲しいです。私自身も芸術に携わる人間として、自分の感性でものを感じ、真の美を理解できる人間でいたいものです。そうそう、映画を見ながら「このチェロいいなぁ.....」と思っていたら、間接的に知っていて何度か演奏を聞いたことのあるチェリストの奥泉貴圭さんでした。音楽は住友紀人さん。

倉本聰さんの書く脚本にはいつも色々考えさせられますが、録画した以前のドラマがまた見たくなりました。画質の良い「優しい時間」の再放送を長年待っているのですが...... このドラマで登場した窯元「皆空窯」には何度も足を運び、少しずつ食器を集めて日々使っています。


    皆空窯「優しい時間」マグカップ   IMG_6165_コピー
  
           
                          


            
                 
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2024年12月09日 11:15

シューベルト「冬の旅」

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サントリーホールで開催されたマティアス・ゲルネ(バリトン)とマリア・ジョアン・ピリス(ピアノ)のデュオリサイタルを聴いてきました。普段、声楽の演奏会を聴く機会は少ないのですが、非常に勉強になりました。シューベルトの「冬の旅」を休憩なしで90分、通して演奏する形のプログラムでしたが、最初のワンフレーズから魅了されました。私がピアノ科なので、どうしてもピリスのピアノの方に耳が吸い付いてしまうのですが、ピアノの音がこれほど色が豊かで色彩が変化するのか.....Σ('◉⌓◉’)と驚嘆するばかりです。音数が少ない曲ほど、一音一音に込められた音への想いや内容の濃淡の違いが現れますが、ピリスのピアノは音数の少ない曲ほど、物言うものでした。歌の内容に応じて、一つの和音でガラッと雰囲気が変わり、シューベルトの悲哀さや人生観が伝わってきます。ドイツ語の歌詞の内容が私にはわからなかったのが残念でしたが、どういう音を語ろうとしているのか、何を思って演奏しているのかが手に取るように伝わるものでした。ピリスは現在80歳、最近は体調が優れない時もあるようですが、90分通しの演奏は本当に見事でした。

学生の時、シューベルトのハ短調のソナタを試験に弾いたことがありますが、ヴァシャヘーリ先生という外人の先生に、「死の舞踏」という言葉を何度も言われました。20代の学生にその内容を想像しろと言われても到底難しく、非常に苦労した覚えがあります。シューベルトは極貧生活を送る中、死の世界が理想郷、という面があります。普通にのうのうと生きている人間には想像すらできない環境から生まれた音楽ゆえに、人の心に響くのでしょう。シューベルトの即興曲でもまた弾いてみようかしらん....._(´ཀ`」)

                  
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2024年11月04日 23:02

おがさわらピアノ教室

【電話番号】 080-8132-4676

【住所】 〒177-0044
東京都練馬区上石神井3丁目

【営業時間】 <レッスン時間>13:00-20:30
<受付時間>11:00-21:00

【定休日】 不定休

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