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アレクサンドル・タローのバッハCD

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昨年行ったアレクサンドル・タロー(ピアノ)とジャン=ギアン・ケラス(チェロ)の演奏会で買ったCDが最近とてもお気に入りです。アレクサンドル・タローのピアノソロのCDで、全てJ.S.バッハの曲ばかり、タロー編曲による曲も多く、原曲のジャンルも幅広いものになっています。このCD、冒頭から心に染み入るように美しく、まるで天上の音楽です。伸びやかで、自由に羽搏くような自由さと潤いに満ち、以前覚えた「はるけさ」という言葉が似合います。この「はるけさ」という言葉は、愛読書のフルトヴェングラーの「音と言葉」という本で覚えた、バッハの本質について書かれた記述の中の一節です。高校生の頃に初めて読んだ時、なんてピッタリな言葉かしらん♪( ´θ`)と嬉しくなり、以来お気に入りの言葉になりました。

このCDを聴いていたら、精神安定剤にしている教会カンタータBWV182の中の数曲とか、自分で編曲できたらなぁ......_:(´ཀ`):と思ったりもするのですが、こればかりはうーん何とも.......(˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ 作曲家と違ってこういう時に使えないのがピアノ科なのでして...... もしスコアから頑張ってアレンジできたとしても、いざリサイタルで弾くとなると、編曲⚪︎⚪︎⚪︎と名前を出すなんて恐ろしい事はとてもとても......(˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ といって誰か作曲家に頼むにしても、バッハをちゃんと研究している方でないとなかなか難しく....この企画は葬り去るしかありません(笑)

バッハが生涯で作曲した曲は大変な数で、カンタータだけでも200曲以上だったかな? 高校時代の恩師で芸大の作曲科出身の先生がバッハ大好き人間で、それがカンタータに出会ったきっかけでした。この先生がご自宅で開かれていた教会カンタータのレクチャーに何度となく通ったのを思い出します。小さい頃からバッハは好きでしたが、この先生にマタイ受難曲の色々な場面の説明やら、カンタータの魅力を教わってさらにバッハ好きに......( ´ ▽ ` )。高2の時の学園祭の演奏会では、伴奏法の授業で使っていたチェンバロを借りて、2本のヴァイオリンのための協奏曲を友人2人と演奏しました。あれは練習楽しかったなぁ.....ただ.......( T_T) !!本番の演奏は悲しい結果となりました。チェンバロという楽器、これは古楽器なので、現代の楽器と対等に演奏できるものではないのです。チェンバロの置いてある楽器庫で練習していた時はわからなかったのですが、良く響く演奏会ホールに出した途端、チェンバロの音はヴァイオリン2本の音に完全にかき消され、ほとんど聞こえなかったそうです。経験の浅い未熟な高校生ならではの出来事でした(笑)苦い思い出になりましたが、なかなかチェンバロなんて触れないので良い経験させてもらったなぁ....  社会人になってチェンバロという楽器を少し勉強し、ピアノでの演奏にも繋がっています。これも元を辿れば、高校の伴奏法の試験でチェンバロを使って古楽器の先生(通称ゴッツ)と演奏したバッハのフルートソナタでした。そして更に、そのフルートソナタが演奏したいなぁと思っていたらフルートの今の相棒に巡り合い.....人生、いろいろと数珠繋ぎになるものですね.....
                          


            
                 
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2025年02月05日 23:22

福田美術館 伊藤若冲の激レアな巻物

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年始に行った京都の最終日、以前から行きたかった福田美術館に立ち寄りました。この美術館は5年前にできたばかりで、嵐山の渡月橋が見渡せる位置に立地し、美術館のカフェからは非常に良い眺めです。開館5周年ということで、世界初公開の伊藤若冲の巻物など話題性もあった展示でしたが、なかなか素敵な美術館で面白かったです。伊藤若冲の水墨画も多く展示されており、筆のタッチの見事さに魅入ってしまいました。展示物の撮影は普段は禁止ですが、たまたまお正月だったせいか、全展示物が撮影可能の日でラッキー。若冲は独特のマニアックな観察力で描く動物が面白いですが、今回の目玉の巻物は、なんと野菜ばかり52種類も描いた「果蔬図巻(かそずかん)」という巻物でしたo(≧▽≦)o  しかしこの巻物が面白く、若冲の手にかかると野菜が生き物のようにも見えます。野菜をずらりと延々描くなんて、なんてマニアック!!しかもこれを描いたのは若冲75歳。若々しいというか、執着心や拘りが何とも凄い75歳です。この「果蔬図巻」は、ヨーロッパの個人の所蔵だったものが、日本に里帰りして福田美術館のコレクションに入ったそうです。美術館所蔵となると、また見られる機会もありそうで嬉しい( ´∀`)。他にも鯉が飛び出て来そうな水墨画や、お得意の鶏や鳳凰の絵もありましたが、ちょっと面白かったのが僧侶の托鉢を描いた絵でした。ぞろりと列を成して托鉢する僧侶たちの表情が、それぞれ異なり、和気あいあいと楽しそうです。

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若冲の他にも竹が描かれた屏風絵もあり、水墨画の一筆書きのほとばしる様な生命力が見事でした。鶴亭浄光(かくていじょこう)という知らない画家の絵でしたが、失敗のきかない墨のタッチのシュッとした伸びやかさ、大胆さに目を奪われます。

鶴亭浄光「梅・竹図押絵貼屏風」IMG_6283_コピー  

京都で素敵な美術館を見つけた喜びに浸りながら、夕暮れ時の渡月橋周辺を散歩して帰途に着きました。またいつか来館することになるでしょう。

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2025年01月08日 23:12

京都・奈良 初旅

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明けましておめでとうございます。年末年始に京都奈良で初詣や古寺巡りをしてきました。京都の晴明神社や京都御所、梨木神社、奈良では大好きな秋篠寺、唐招提寺、新薬師寺、東大寺に行き、悠久の歴史を感じる時間を過ごしました。晴明神社は、去年の大河ドラマ「光る君へ」でも登場した安倍晴明が祀られた神社で、鳥居に陰陽師のトレードマークの星型が付いており、お守りやおみくじにも同じく星型がありました。映画「陰陽師」で主演を務められた野村萬斎さんや、陰陽師の振り付けで金メダルを取られた羽生結弦さんもこちらでご祈祷を受けられたようです。京都御所が近かったので散歩をしようと立ち寄ったら、あまりに広くてびっくり\(( °ω° ))/  紫式部が源氏物語を書いていた時代、ここを牛車が行き来していた時代にタイムスリップできました。

奈良では唐招提寺に行き、大好きな千手観音像を拝んで来ました。お正月の三が日だけ無料で配って頂ける千手観音様の小さなお守りを頂けました。手が本当に1000本近くあり、修復の際はとてつもなく大変だったそうです。千手観音像にも色々ありますが、こちらの像は大きくて少し俯き加減、見ていると静かな気持ちになります。境内の御影堂には、東山魁夷画伯の襖絵がありますが、こちらは鑑真の命日前後だけご開帳になるので、普段は見られません。以前、ご開帳になる日に観に行ったことがありましたが、これは日本画好きには一生に一度、必見です。画伯が精魂込めて描いた数十枚の絵で、美しい岩絵具独特の色で描かれた雄大な海、深い山林が描かれたものを、来場者は膝をついて間近でにじり寄りながら見ていきます。


唐招提寺 IMG_6228_コピー

 
唐招提寺から車で20分ほどの所に秋篠寺があり、こちらには日本で唯一存在する芸術の神様の仏像「伎芸天」があります。芸術に関わる者としては奈良に行ったら行かなければなりません。しなやかでふっくらとし、ほのかに色香が漂う仏像で、大変美しい仏像です。お正月だけ許されている境内の鐘をつき、びっしりと生えた苔の庭に佇んでいると静かな気持ちになれます。奈良は、東大寺や春日大社、薬師寺などの大きなお寺や神社以外は、お正月でも人混みにならず、とても静かにゆったりと過ごせます。

秋篠寺 IMG_6232_コピー  IMG_6230_コピー_コピー

 
とは言え、お正月に奈良に来て東大寺の大仏様にお詣りしない訳にも行かないので(笑)、東大寺にもお詣りして来ました。何度行っても、下から見上げる南大門の高さに驚嘆し、運慶や快慶らによって造られた南大門の阿形像、吽形像に見惚れ、大仏様の大きさに圧倒されます。ここから春日大社の方に斜めに歩いていくと、春日大社の本殿の手前から分かれる昔ながらの散歩道があり、こちらを通って新薬師寺に行きました。奈良には数十の古い散歩道があり、山の辺の道、滝坂の道、ささやきの路、などと名前が付いています。今回はあまり時間がなかったので、短い「中の禰宜道」を散歩しながら新薬師寺へ向かいました。「中の禰宜道」は短い散歩道ですが、なかなか風情もあり、森林や木の根に囲まれています。春日大社からショートカットして新薬師寺に辿り着く道です。新薬師寺は、小さいながらも心落ち着くお寺で、日本最古の十二神将像があります。薬師如来像をぐるりと十二神将が取り囲み、回って参拝します。このお寺が登場する、松本清張の「球形の荒野」という小説が好きで何度も読みました。松本清張さんの小説は学生時代にハマりにハマって、60作ほど読んだ記憶がありますが、中でも一番好きなものが、奈良が舞台になった「球形の荒野」です。松本清張さんも古寺巡りが好きだったそうで、各地のお寺や神社が小説に出てきます。
奈良から東京に戻るといつも、行って来たばかりなのにあぁまた奈良に行きたい.....と思うのが自分でおかしくなりますが、また来年も訪ねたいと思います。

中の禰宜道 IMG_6252_コピー 
 新薬師寺 IMG_6257_コピー


                 
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2025年01月06日 13:02

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