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2025年6月の記事:ブログ

ル・カインの額絵&さくらももこ「憧れのまほうつかい」

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楽しみに待っていた絵が美術館から届きました。先月行ったエロール・ル・カイン展で購入した「いばらひめ」の額絵です。2ヶ月ほどかかる予定だったのが随分早く届き、嬉しくてすぐレッスン室に飾ってみました。ル・カインの絵本は既にコレクションしていますが、原画は絵本より深みがあり、丹精込めて描いた心の息吹が感じられます。数十年前、この絵本に出会った時の感動は現在も変わらず続いており、何度見ても癒されます♪( ´θ`)特にお気に入りなのは「いばらひめ」「おどル12人のおひめさま」「キューピッドとプシケー」。「シンデレラ」の挿絵もとても素敵で、馬車でお城に向かう場面など、河に映って馬車が逆さまになっているアイデアが素晴らしい!!

ル・カインの挿絵はどれも美しいですが、この「いばらひめ」の1枚はとりわけイメージに満ちて雰囲気抜群!!ル・カインは東洋風、中国風、日本風、アメリカ風、中東アラビア風など、本の中身に応じて全く違うイメージの絵を描く挿絵画家ですが、この絵はヨーロッパのクラシカルな感じです。「眠りの森の美女」と内容は同じで、王女の誕生を祝うパーティーに招かれた仙女たち一行が、夜の森を抜けてお城に向かう一場面です。この12人の仙女たち、とっても素敵な衣装に身を包み、ユニコーンの背に乗ったり、鳥に乗っていたり、自身の翼で飛んでいたり、籠に乗っている二人を3人が運んでいたり、孔雀に乗っていたり..... よくもまぁこんな想像力豊かな空間が浮かんでくるなぁと魅入ってしまいます。パーティーに招かれなかった仙女が恨めしげに木陰から覗いていたり..... 御伽話の絵本と言えども侮るべからず!見る人がその世界に入り込んで想像力を膨らませることのできる芸術性の高い作品で、こんなに夢中になったり童心に帰れるものは幾つになっても大事にしたいものです。

エロール・ル・カイン展では、私と同じくこの画家に夢中になった「さくらももこ」さんが執筆した「憧れのまほうつかい」も展示してありました。「ちびまる子ちゃん」で有名な漫画家さんですね。この本は、若かりし頃のさくらももこさんがエロール・ル・カインの本に出会って夢中になり本を買い集め、原画の蒐集家と出会い、ル・カインの絵をもっと普及させるべく、その軌跡を追って渡英したりと、とてつもないル・カインへの情熱愛を極めた体験談の本で大変面白かったです。こんなにル・カインの絵に惚れ込む人がいたんだわぁ( ´∀`)と嬉しくなりました。ももこさん独特の小気味よい文体で面白おかしく語るイギリスでの体験談は、ひと息に読めてしまいます。爆笑シーンもあり.....)^o^(  ただ、命を削って絵の仕事に打ち込むル・カインの妻が芸術に何の理解もない女性だったと知って悲しくもなり..... 芸術家の妻たる者、その芸術の価値を一番理解して応援する存在となるべし!o(`ω´ )o エロール・ル・カインの絵本が日本で知られるようになったのは、実はさくらももこさんのお陰もあったと知り、ももこさんにも個人的親近感を覚えてしまいました。日本未発売のル・カインの「グランマ」、英語版でもいいので近々出版してほしい.... ♪(´ε` ) 
            
                 
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2025年06月25日 11:45

「藤田嗣治」展

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新宿のSONPO美術館で開催されている「藤田嗣治」展に行きました。数ある展示の中で人物画が圧倒的に多く、自画像をこんなに描く画家がいるのだと驚きましたが、そのデッサンの上手さにビックリ!人の身体の柔らかさを線ひとつでこんなに描けるものかと思ってしまいます。個人的には人物画よりも風景画の方に惹かれるせいか、一番気に入った絵は「ヴォジラール、パリ」という作品でした。建物の巧みさに驚嘆するばかりでなく、1階の出入り口からひょいと人が出てくる気配、年数の経った建物で人が生活している様子が想像でき、その地域の雰囲気が漂ってきます。人物画が圧倒的に多い画家ですが、風景画をもっと見てみたいなぁ.....♪( ´θ`)ノ人物画は乳白色のような色がベースとなり、この何とも言えないほのかな乳色が印象的でした。モディリアー二とも親交があったようで、「あれ?これはモディリアーニの人物画に似ている?」と思わせる作品もありました。 

SONPO美術館には、特別に場所が設置されて鎮座ているゴッホの「ひまわり」があります。この日もお目にかかることができました。ただ......ゴッホのひまわりは、個人的にはちょっと....(^.^) 今まで何度も見ていて、見る度にすごいなぁと存在感と迫力に圧倒され、決して嫌いではないのですけれども.....「ひまわり」の圧が強すぎて、美術館で椅子に座って観るのなら安心して見れますが、例えレプリカだったとしても家に飾ったら気持ちが落ち着けない気がします。まるで見られているような......ゴッホの絵は以前、運動靴を描いた作品で、その靴が絵から飛び出て歩き出してくるようなゾッとするリアル感を感じたこともありましたが、異常にこちらに出てきます。パリの夜のカフェを描いた絵などは好きですが、「ひまわり」はその存在感が強烈なんですもの......('◉⌓◉’) 凄いなぁと尊敬するけれど、隣にいるのは無理....って感じかしらん。でもSONPO美術館の次の展示が秋のユトリロ展なので、また近々会うことになるでしょう。


            
                 
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2025年06月17日 23:12

プレトニョフ ピアノリサイタルを聴いて

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サントリーホールで開催されたミハイル・プレトニョフのピアノリサイタルを聴いてきました。毎回行く度に音楽の意味や深さを思い知らされ、これほど心に染み透る演奏が存在することに感動します。今回のプログラムは、前半がベートーヴェンのソナタ「悲愴」と「月光」の2曲、後半がグリーグの抒情小品集からの16曲でしたが、ベートーヴェンでは衝撃を受け、グリーグでは時間が止まっているような美しい光景が目の前に浮かびました。プレトニョフの弾くベートーヴェンは、テンポの運びなども自由でみずみずしく、全てが言葉に聞こえてきます。どこをどう感じ「これはこういう話をしているのです」というのが手に取るように伝わる演奏でした。いわゆる正統派のかっちりしたベートーヴェンを聴き慣れているとギョッとしますΣ('◉⌓◉’) しかし自由でありながらもベートーヴェンの持つ圧倒的な説得力や深い沈静があり、プレトニョフの真の言葉でした。「悲愴」の冒頭・導入部が特に印象的で、疑問提起と納得感、心の揺れ幅の大きさに心を打たれました。「月光」の1楽章の達観した静寂、2楽章の木漏れ日のような穏やかな時間、3楽章の怒涛は意外に静けさも存在し、ベートーヴェンとプレトニョフの人生観が重なるようにも聞こえました。あんなベートーヴェンもいいなぁ......♪(´ε` )
                                                
グリーグの抒情小曲は、日記のように37年間に渡って書き続けられた珠玉の作品集です。ショパンのマズルカの在り方と似ているかも.....? グリーグが、ある日のふとした感情、ある日の光景、ふとした瞬間などを切り取って形にしたものを、プレトニョフが追体験して見えた光景を映像化しているかのように感じました。それはそれは美しかった........ ♪( ´θ`)観客がプレトニョフの世界にワープして同じ光景を見ているようで........ 行ったこともないノルウェーの大自然が浮かびます。客席の真っ暗に近い照明の中でプログラムの曲名と照らし合わせるのが大変でしたが(笑)、「小鳥」「郷愁」「過ぎ去った日々」「夏の夕べ」が特に印象に残りました。「過ぎ去った日々」は、痛みを伴う過去の思い出、心の底にじんわり存在する後悔、そんなものが垣間見られ、シュトルムの小説「みずうみ」がふと浮かんだり...... 誰しも心の中に「あの時違う行動をしていたらどうなっていただろう....」という想いを持っているものですが、プレトニョフも、ロシアを深く愛しながらも脱出せざるを得なかった芸術家であり、重なるものがあるのかもしれません。

聴く人の音楽に対する姿勢をガラリと変えてしまうような影響力を持つプレトニョフ。こんな人が世界に他にいるかしらん? 帰り道に偶然、東フィルの友人に会い、プレトニョフがオケのリハでどんな指示をするのか尋ねたら、「ほとんど何も言わないの。でも自然に良い音楽になっていくのよねぇ」とのことでした。なるほど......同じプログラムを二度でも三度でも聴きたくなる演奏をする芸術家とはそういうものかもしれません。

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2025年06月05日 23:15

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