おがさわらピアノ教室|東京都練馬区

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シエナ・ウインド・オーケストラ

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文京シビック大ホールで開催されたシエナ・ウインド・オーケストラのコンサート<ブラスの祭典2025>を聴いてきました。私とデュオを組んでいるフルーティストが所属しているプロのウインドオーケストラで、弦楽器なし管楽器と打楽器のみのオケで、主席指揮者が佐渡裕さんです。ピアノが専門の私はウインドオケにはあまり縁がなく、シエナのコンサートも初めてでしたが、とても楽しい活気に溢れたコンサートでした。全国ツアーもあるようで、部活などで吹奏楽を練習している全国の中高生には憧れの舞台なのでしょう。観客と演奏者が交わる楽しい企画もありました。プログラムは、A.リード:吹奏楽のための交響的素描<オセロ>、音楽のおもちゃ箱(佐渡裕のトークと音楽)、J.デ=メイ:交響曲第1番<指輪物語>。

音楽のおもちゃ箱では、おそらくユーモア溢れる佐渡さんが企画していると思われる愉快な催しが..... パーカッションの男性4人が身体を使ったリズムアンサンブルを展開、それを観客にもやらせるのですが、観客が難しいリズムをこなすのに驚きました(^O^☆)他にも映画音楽が出てきたり、マンボを会場のお客さんも巻き込んで踊ったり、音楽の楽しさ一杯、お祭りのような弾けた時間です。こういう演奏会は楽しいなぁ.....♪(´ε` ) と言って、クラシックの演奏家がマネできる内容ではないですが......(笑)

ウインドオーケストラでは、クラリネットやサクソフォンが低音域の楽器も駆使します。弦楽器の入るオケよりも華やかさ、キラキラ感があるように感じました。後半の「指輪物語」はトールキンの小説「指輪物語」に因んだものでしたが、映画「ロード・オブ・ザ・リング」とは全く違う作品で、小説の世界観を表現しています。「ロード・オブ・ザ・リング」は私の一番好きな映画の1つで数十回は見ているかしらん?....... 音楽を少し聴いただけで場面がパッと浮かんでしまうほどですが、J.デ=メイの「指輪物語」を聴きながら、あ〜これはあの場面かなと想像を膨らませて楽しみました。最後のアンコール曲「星条旗よ永遠なれ」は、どうやら毎年恒例の行事らしく、楽器を持ってきた観客が舞台に上がって一緒に演奏する趣向でした。当然舞台はぎゅう詰めのラッシュ状態、でもとっても楽しそう!!客席も手拍子で参加し、舞台と客席が一つになりました。アンコールのみ撮影OKだったのでパシャリ。

 アンコールで IMG_0564_コピー

 


                            
          


                          


            
                 
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2025年11月11日 23:18

スーパースタートリオ(パユ、ル・サージュ、ジャン=ギアン・ケラス)の演奏を聴いて

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王子ホールでチェロのジャン=ギアン・ケラス、フルートのエマニュエル・パユ、ピアノのエリック・ル・サージュ、スーパースター三人によるトリオの演奏を聴いてきました。世界のスペシャリストの何とも贅沢なトリオ、パユ&ル・サージュのデュオの一夜についで興奮する演奏会でした。ジャン=ギアン・ケラスは超イケメンの世界的なスーパースターのチェリストですが、ハイドンのトリオではバスをなぞるようなパートを奏でる訳で、こんなことさせて良いの?と思いきや、バスをただなぞるだけの音がゾクゾクするような良い音でした♪( ´θ`)
ピアノトリオの曲は沢山ありますが、フルート、ピアノ、チェロの組み合わせのトリオは少なく、ヴァイオリン、ピアノ、チェロのトリオの曲のフルート版です。でも元々フルートのために書かれた編成なのかと思わせるような、とろけるような調和の取れた演奏でした。

ハイドンのトリオ2曲の後、日本人の作曲家である細川俊夫さんの「レテの響き」という作品が演奏され、この曲がプログラムの中で一番強烈な印象でした。ゾワゾワするような狂気をもつ独特の雰囲気、お能のような幽玄な世界観が見え隠れし、まるで古事記の一場面が目の前で繰り広げられているようでした。目の前にコバルトブルーの空間が現れ、濃い霧が立ち込めた竹藪の中にいるようにも感じました。「レテ」というのはギリシャ神話に登場する忘却の河を指すとのこと、消失の悲しみと生成の希望が同時に存在する世界が表現されているようです。この作曲家の作品を他にも聴いてみたいなぁ.....フルートとピアノのデュオの作品はないかしらん?

王子ホールの会場で販売していたジャン=ギアン・ケラスの著書「バッハ<無伴奏チェロ組曲>との旅」という本が面白そうだったので購入し、読むのが楽しみです。J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲は大好きで、車で移動中によく流しますが、ケラスの<無伴奏チェロ組曲>がとても気になり、CDも買ってしまいました。室内楽はソロと違う難しさや魅力がありますが、スペシャリストの演奏会を2晩も聴けて本当に勉強になりました。


    ジャン=ギアン・ケラス著書 IMG_0466_コピー
           
                            
          


                          


            
                 
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2025年10月03日 22:12

世界のスペシャリスト パユ&ル・サージュのデュオを聴いて

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銀座の王子ホールで世界のスペシャリスト二人の演奏を聴いてきました。フルーティストのエマニュエル・パユとピアニストのエリック・ル・サージュのデュオです。このお二人の演奏は何度も聴いていますが、今年も唸るばかりの演奏で超興奮の時間でした。フルートとピアノ、お互いの心が通じ合っているのが手に取るようにわかり、フルートもピアノも信じられない程、音の色彩が変化します。音には色がありますが、こんなにも変化するものかしらん......多彩な音色を自在に操り、デュナーミクも場面展開の凹凸もドラティック、これ以上ないほど勉強になると同時に、うーん、どうしたらあんなに色彩感溢れる音が出せるのかしら?と驚嘆してしまいます。まぁ世界のスペシャリストなので、それも練ったプログラムを日本に持ってくる筈だし当然なのかもしれませんが、あまりにもレベルの高い演奏で唖然でした…..Σ('◉⌓◉’)

前半はモーツァルトのヴァイオリンソナタのフルート&ピアノ版を2曲でしたが、語り口が美しく、ル・サージュのppが本当に涙が出るほど繊細で、フルコンのスタインウェイを一体どうしたらあんな風に扱えるのかと不思議なくらいです。モーツァルトの影の部分は、本当に心から曲の中に入り、演奏家自身の祈りのような、内面の奥底から出る心情で弾かないと、観客に伝わらないように感じます。どんなに巧みなテクニックをしても、明るいモーツァルトの心の闇のような部分はなかなか......パユもル・サージュも恐ろしく感受性が豊かで、日々その感性を更に磨く毎日を過ごしているに違いありません☆*:. o(≧▽≦)o。.:*☆

後半、ライネッケの「ウンディーネ(水の精)」は、来年の2月にゆめりあホールで開催予定のデュオリサイタルで私もプログラムに入れる曲なので、全身全霊の全集中!!で聴き入りました。弱音ペダルの使い方、ドラマの作り方、色の変え方、全てが新鮮でショッキング!!練習中のこの曲がガラリと変わるような目の覚めるような演奏でした。ドイツ文学の小説家フーケが書いた「ウンディーネ」からインスピレーションを受けてドイツのライネッケが作曲した作品ですが、パユとル・サージュの演奏は水の精と人間とのドラマが目の前で繰り広げられているかのよう、非常にドラマティックで水しぶきが飛んできそうな感じ!!うーん、あんな風に弾いてみたいものだわぁ.....(T ^ T) 聴いている観客が、まるで映像を見ているような、場面展開に吸い込まれてどうにかなっちゃうような、そんな演奏でした。あぁ〜練習を一からやり直さなきゃ......ʅ(◞‿◟)ʃ でも何と素敵な一夜だったことでしょう。来年も、何が何でも日本に来てもらわなくちゃ.....♪(´ε` )  演奏会後、二人のサイン会が1階ロビーであり、出待ちをしてちょっと写真を撮らせて頂き、でもCDは既に家に沢山あるので買わず.....でも同じCDをもう1枚買ってでもサイン貰えば良かったかしらん?なーんて幸せな悩みを抱えながら浮かれ気分で帰途につきました♪( ´θ`)ノ


サイン会場で IMG_0159_コピー     IMG_0160_コピー


                          


            
                 
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2025年09月28日 23:12

田代慎之介ピアノリサイタルを聴いて

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上野の東京文化会館小ホールで開催された「田代慎之介ピアノリサイタル」を聴いてきました。今回のプログラムは何とリストの超絶技巧練習曲を全曲!!今まで数々の演奏会に行きましたが、リストの超絶技巧練習曲を全て聴くリサイタルは初めてです。演奏会までの練習過程を想像するだけでなんて恐ろしい.....Σ('◉⌓◉’) プログラム冒頭はモーツァルトの短調のロンド、これはスーッと心地よく胸に響く前菜。その後、リストの超絶技巧が12曲、休憩を挟んで演奏されました。よくありがちなリストの演奏は、名人芸的ピアニズムが「これでもかぁ〜」と全面に出て、時に強過ぎるエネルギーがギラギラとキツく感じられる場合もあるのですが、昨夜の演奏会では全くそんなことは無く、ずうっと聴いていられるリストでした。何と言っても「超絶技巧」ですからピアノの最高峰のメカニックを駆使した難曲ばかり。全曲通すだけでもゾッとしますが、その中で今回の演奏会は、リサイタルを通して何か一貫した信念があるように感じました。

リストはスーパースター的ピアニストの華やかな面が有名ですが、哲学的、宗教的な面や深い思索もあります。昨夜の演奏会では、超絶技巧の作品ながらもリストのそういったコアの部分を壮大な歌に仕上げようとしていたように感じました。以前、ゴーギャンの<我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか>という絵が日本に来た時、見に行った会場で動けなくなるような、何かを突きつけられるような衝撃がありましたが、その絵を見ていた時にふと、リストのロ短調ソナタや「ダンテを読んで」とリンクするような錯覚があったのを思い出します。人間の人生とは何か?を問う姿勢のような...... 私の大好きなミレーの「羊飼いの少女」と言う絵も、少女と広い草原と羊たちを描いているのに、その絵の向こうに神への敬虔な祈りや感謝の心を感じます。一本貫く信念のようなものが根底にあると、それが演奏や作品を通して滲み出てくると言うことなのかもしれません。

リストのロ短調ソナタは憧れですが、私の小さな手では到底無理な話で......(T ^ T) だってリストは小指がなんと8センチ!!私の中指より長い!とんでもない指の長さですo(`ω´ )o 顔が超イケメンなのは知っていますが、きっと手足も長かったんでしょう。万博で見た足が1メートル以上あるチェコスロバキア館のお兄さんみたいに....

昨夜のコンサート、個人的には後半の8番〜12番がとても印象に残りました。8番「死霊の狩り」では独特の世界観に浸り、9番「回想」は繊細な美しさに魅了され、10番は非常に完成度が高くて壮大なスケールの歌に聴こえ、11番、12番は癒され...... 演奏会前、冷房の効きすぎた場所にいたせいか、気圧のせいか、軽い頭痛がしていたのに、なぜか演奏会が終わったら治っていました。音楽に惹き込まれて癒されたからかしらん?♪(´ε` )


                          
            プログラム IMG_0116_コピー

            
                 
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2025年09月04日 11:05

プレトニョフ ピアノリサイタルを聴いて

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サントリーホールで開催されたミハイル・プレトニョフのピアノリサイタルを聴いてきました。毎回行く度に音楽の意味や深さを思い知らされ、これほど心に染み透る演奏が存在することに感動します。今回のプログラムは、前半がベートーヴェンのソナタ「悲愴」と「月光」の2曲、後半がグリーグの抒情小品集からの16曲でしたが、ベートーヴェンでは衝撃を受け、グリーグでは時間が止まっているような美しい光景が目の前に浮かびました。プレトニョフの弾くベートーヴェンは、テンポの運びなども自由でみずみずしく、全てが言葉に聞こえてきます。どこをどう感じ「これはこういう話をしているのです」というのが手に取るように伝わる演奏でした。いわゆる正統派のかっちりしたベートーヴェンを聴き慣れているとギョッとしますΣ('◉⌓◉’) しかし自由でありながらもベートーヴェンの持つ圧倒的な説得力や深い沈静があり、プレトニョフの真の言葉でした。「悲愴」の冒頭・導入部が特に印象的で、疑問提起と納得感、心の揺れ幅の大きさに心を打たれました。「月光」の1楽章の達観した静寂、2楽章の木漏れ日のような穏やかな時間、3楽章の怒涛は意外に静けさも存在し、ベートーヴェンとプレトニョフの人生観が重なるようにも聞こえました。あんなベートーヴェンもいいなぁ......♪(´ε` )
                                                
グリーグの抒情小曲は、日記のように37年間に渡って書き続けられた珠玉の作品集です。ショパンのマズルカの在り方と似ているかも.....? グリーグが、ある日のふとした感情、ある日の光景、ふとした瞬間などを切り取って形にしたものを、プレトニョフが追体験して見えた光景を映像化しているかのように感じました。それはそれは美しかった........ ♪( ´θ`)観客がプレトニョフの世界にワープして同じ光景を見ているようで........ 行ったこともないノルウェーの大自然が浮かびます。客席の真っ暗に近い照明の中でプログラムの曲名と照らし合わせるのが大変でしたが(笑)、「小鳥」「郷愁」「過ぎ去った日々」「夏の夕べ」が特に印象に残りました。「過ぎ去った日々」は、痛みを伴う過去の思い出、心の底にじんわり存在する後悔、そんなものが垣間見られ、シュトルムの小説「みずうみ」がふと浮かんだり...... 誰しも心の中に「あの時違う行動をしていたらどうなっていただろう....」という想いを持っているものですが、プレトニョフも、ロシアを深く愛しながらも脱出せざるを得なかった芸術家であり、重なるものがあるのかもしれません。

聴く人の音楽に対する姿勢をガラリと変えてしまうような影響力を持つプレトニョフ。こんな人が世界に他にいるかしらん? 帰り道に偶然、東フィルの友人に会い、プレトニョフがオケのリハでどんな指示をするのか尋ねたら、「ほとんど何も言わないの。でも自然に良い音楽になっていくのよねぇ」とのことでした。なるほど......同じプログラムを二度でも三度でも聴きたくなる演奏をする芸術家とはそういうものかもしれません。

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2025年06月05日 23:15

ジャン=ギアン・ケラス&アレクサンドル・タロー デュオを聴いて

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王子ホールで開催されたジャン=ギアン・ケラス(チェロ)とアレクサンドル・タロー(ピアノ)のデュオを聴いてきました。以前から行きたいと思いながら今回初めてでしたが、何とも興奮した夜になりました。ジャン=ギアン・ケラスの何とパワフルなこと!チェロってこんなに鳴る楽器だったかなぁ('◉⌓◉’) 楽器も相当なのだと思いますが、パワフルさだけでなく、囁くような音、想いの籠った音、多彩な音色を自在に操る様を堪能しました。そしてピアノのアレクサンドル・タローのピアニズムがこれまた素敵......(*´◒`*) チェロに寄り添い、この二人はもしかして恋人かしらん?と思わせるような絶妙なコミュニケーションでした。小鳥のさえずりを思わせるようなピアノで、高音のppの何と美しいこと!!王子ホールのスタインウェイは何度か弾いた事がありますが、うーん、これ同じピアノよねぇ(^◇^;)とため息です。

プログラムは、前半がマラン・マレというフランスの作曲家のヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)曲集の組曲、第3巻と第4巻より。後半がフォーレのエレジー、夢のあとに、蝶々と、プーランクのソナタでした。前半の曲は初めて聴きましたが、マラン・マレは17世紀半ば〜18世紀にフランスで活躍したヴィオール弾きだそうで、バッハのパルティータの組曲と似た形式でした。プレリュード、アルマンド、サラバンドなど。古楽器の曲ですが、そこに現代の楽器でケラスとタローの演奏では斬新さが加わり、フレンチバロックと現代が融合され色鮮やかに甦った印象でした。手持ちのお気に入りCDに、カザルスがピアノのバウムガルトナーと録音したJ.S.バッハのヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ集がありますが、これは古めかしくて渋く、特に3番が素敵です。ケラスとタローの演奏は、これとは全く違い、いつか見た平等院鳳凰堂が、昔は古くて色褪せていたのに、数年前に当時の彩色に塗り直したら鮮やかでびっくり!!そんな感じかなぁ.....

フォーレの3曲は色っぽさが際立ち、うるうるする演奏でしたが、個人的にはもう少し渋くて懐古的な方が好きかも? でも最後のプーランクのチェロソナタは圧巻でした。これも好きな曲の1つですが、プーランクの軽妙さ、お洒落な色彩感、超弩級のリズム感、全てがセンス抜群で唸ってしまいました o(≧▽≦)o リズムに身体がついつい動いてしまい....(笑)あの曲、いつか演奏してみたいなぁ......アンコールの2曲も素敵で、特に2曲目のハイドンは、タローのピアノが凄すぎて仰天でした...... 速い小刻みの連打をどうしたらあんな軽やかに、まるで鳥の爪先立ち走りみたいに弾けるのかしらん? 違うプログラムの第2夜のチケットも取れば良かったとちょっと後悔......このお二人、超イケメンなのでチケットすぐ売り切れちゃうのです。きっと来年また来日してくれることでしょう。


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2024年11月30日 23:45

シューベルト「冬の旅」

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サントリーホールで開催されたマティアス・ゲルネ(バリトン)とマリア・ジョアン・ピリス(ピアノ)のデュオリサイタルを聴いてきました。普段、声楽の演奏会を聴く機会は少ないのですが、非常に勉強になりました。シューベルトの「冬の旅」を休憩なしで90分、通して演奏する形のプログラムでしたが、最初のワンフレーズから魅了されました。私がピアノ科なので、どうしてもピリスのピアノの方に耳が吸い付いてしまうのですが、ピアノの音がこれほど色が豊かで色彩が変化するのか.....Σ('◉⌓◉’)と驚嘆するばかりです。音数が少ない曲ほど、一音一音に込められた音への想いや内容の濃淡の違いが現れますが、ピリスのピアノは音数の少ない曲ほど、物言うものでした。歌の内容に応じて、一つの和音でガラッと雰囲気が変わり、シューベルトの悲哀さや人生観が伝わってきます。ドイツ語の歌詞の内容が私にはわからなかったのが残念でしたが、どういう音を語ろうとしているのか、何を思って演奏しているのかが手に取るように伝わるものでした。ピリスは現在80歳、最近は体調が優れない時もあるようですが、90分通しの演奏は本当に見事でした。

学生の時、シューベルトのハ短調のソナタを試験に弾いたことがありますが、ヴァシャヘーリ先生という外人の先生に、「死の舞踏」という言葉を何度も言われました。20代の学生にその内容を想像しろと言われても到底難しく、非常に苦労した覚えがあります。シューベルトは極貧生活を送る中、死の世界が理想郷、という面があります。普通にのうのうと生きている人間には想像すらできない環境から生まれた音楽ゆえに、人の心に響くのでしょう。シューベルトの即興曲でもまた弾いてみようかしらん....._(´ཀ`」)

                  
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2024年11月04日 23:02

ケマル・ゲキチ ピアノリサイタルを聴いて

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武蔵野音楽大学のベートーヴェンホールで開催された、ケマル・ゲキチ ピアノリサイタルを聴いて来ました。ケマル・ゲキチ氏は武蔵野音楽大学の客員教授でもあり、毎年のように日本に来日して演奏活動もしていますが、そのピアニズムは非常に強烈で、一度聴いたら忘れない、というインパクトの強さがあります。今までにも何度か聴いており、その強靭なタッチは記憶に新しいですが、非常に納得させられる演奏でした。

今回のプログラムは、ショパン、リスト、ゲキチ氏の作品、で構成されていましたが、前半のショパンは、とても美しいピアニズムでした。極上のピアニッシモのパッセージなど、非常に高い技術が根底にあることは勿論なのですが、自分の眼で作品を精緻に見極めているなぁ、というのが全体を通しての驚きでした。ショパンの中でも一番有名なノクターン作品9−2、華麗なる大円舞曲、子犬のワルツ、幻想即興曲、など、一見して大衆受けするようなプログラムになりがちですが、非常に客観的で静謐な、でも聴き手に語りかけ、心に沁みいる演奏でした。ショパンという作曲家の内面性が、さらに一層吟味され、深淵をみつめているような姿勢が、前半を通してずっと貫かれていたように感じます。

中でも驚いたのは、舟歌でした。左手の波を表す音形が、普通なら揺れるような感じで演奏される事が多いのですが、水の動きは感じるのだけれども、限りなく静かに水面が震えるような、まるで夢の中の遠い出来事を話しているような錯覚に捉われました。個性的な解釈にもかかわらず、スッキリと聴こえ、静かな映像作品を見せられているようでした。美しかったです♪(´ε` )

後半は、ショパンと対照的な個性のリストと、ゲキチ氏の作品でした。どれも聴衆が一体になるような演奏でしたが、ゲキチ氏の「対話」という曲が個人的に印象深かったです。この人は心の中に、神秘的な深淵を持っているんだなぁ、と感じました。ここまで音楽を追求して掘り下げるのか.....と非常に勉強になり、同時に自己反省もさせられた晩でした(-_-b)


                          


            
                 
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2024年07月04日 13:08

北斎とドビュッシー

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先日、葛飾北斎にまつわる映画を見てから、ちょっと飛び火して過去の美術展カタログを引っ張り出して楽しんでいます。260年経った現代でも、北斎の想像力豊かな世界は私達を楽しませてくれます。北斎の活躍した江戸時代、浮世絵は海外に渡り、西洋の画家モネ、ゴッホ、ゴーギャン、ロートレックなどの画家に大きな影響を及ぼし、ドビュッシーも北斎に夢中でした。

2012年にブリジストン美術館(現 アーティゾン美術館)で開催された「ドビュッシー、音楽と美術」展では、ドビュッシーの所蔵品が展示され、その1つに蒔絵がありました。ドビュッシーのピアノ曲「映像」の「金色の魚」のイメージになった蒔絵で、金色の鯉が泳いでいる様が生き生きと描かれ、あぁ〜この蒔絵からあの曲がイメージされたのか♪( ´θ`)と感慨深かったのを覚えています。
2017年には、北斎と印象派の芸術家たちとの繋がりをテーマにした「北斎とジャポニズム」という展覧会が催されました。北斎と似た構図の絵、北斎が模倣されている構図などが並べて展示されていて、こんなに世界中の画家に衝撃を与えていたのか.....と驚くものがありました。

7〜8年前には、ドビュッシーの音楽と北斎の絵がコラボする演奏会があり、狂喜しながら(*≧∀≦*)聴いたのを覚えています。北斎美術館の開館記念としてトリフォニーホールで開催されたパスカル・ロジェのピアノリサイタルは、ドビュッシーの24の前奏曲を、1曲ごとにロジェ自身が選んだ北斎の24枚の絵を見ながら演奏を聴くという催しで、あれは本当に楽しい演奏会でした.....( ´∀`)  ドビュッシーの前奏曲は1つ1つ名前がついていますが、それぞれの曲のイメージに合った絵が映し出され、聴き手のイマジネーションが広がるものでした。

ドビュッシーに限らず、ピアノを弾いていて目の前に映像が浮かんでくることがありますが、ドビュッシーの前奏曲は具体的な資料が残っているので参考になりますね。ただ、うーんこれは.....と個人的に思う曲もあります。前にリサイタルで第1集を弾こうかな?と考えた事がありましたが、う〜ん....「ミンストレル」が......(-᷅_-᷄๑) ちょっとふざけたユーモア溢れる曲ですが、どうも男性が弾いた方が様になる気がしてしまいます.....

世界の芸術家達に衝撃を与えた葛飾北斎ですが、90歳で死ぬ間際に「あと5年生きられたら真の絵師になれたのに」と言ったとか...... 何とも凄まじい言葉です。絶筆となった水墨画は、長野県・お布施の北斎館で見ましたが、富士山と昇天していく龍が描かれた完成度の高い絵で、まるで天と魂が繋がっているように感じました。あと5年生きたらどんな絵を描いていたのでしょうか......

      北斎とジャポニズム展カタログ IMG_5625_コピー
                        


            
                 
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2024年02月27日 21:01

室内オペラ「人魚姫」の公演

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11月18日(土)に国際基督教大学内のホールで行われた室内オペラ「人魚姫」の公演に行ってきました。友人の作曲家、笠松泰洋さんが作曲した作品で、2011年に初演されたものです。今回はウクライナの歌手による英語版での公演でした。以前に録音を聴いたことはありましたが、生で聴いたのは今回が初めてです。舞台音楽を多く手がけている笠松さんの作品は色々と観ていますが、このオペラは代表作と言えるもので、とても素敵な作品です。音楽の編成は、歌がソプラノとバリトンの2人、楽器がハープと弦楽四重奏、それに1人のダンサーが加わるものになっています。

美しい音楽とウクライナの2人の歌手の思いの籠った熱演に、観客は惹き込まれ、会場もとても盛り上がりました。笠松さんの美しいメロディは、一度聴いたら忘れられない耳に残るもので、潤いがあります。お話は、アンデルセンの人魚姫の有名な話のストーリーなのですが、浄化的に終わらない人間的な最後の場面が面白いところです。

私はハープという楽器は詳しくないのですが、ハープがこんなに活躍する曲は聴いたことがなく、ハープという楽器の魅力と美しさにも目を見張ってしまいました。勿論、演奏者が素晴らしいのですが.....歌と弦楽器とハープという編成の音楽は珍しいですが、海の情景が美しく描かれ、ハープが大変効果的でした。できればもう一度、日本語版の生演奏を聴いてみたいです。

この室内オペラ「人魚姫」の英語版の初演は2019年にウィーンで行われ、その初演で人魚姫役を務めたウクライナ出身のナタリア・ステパニヤクさんというソプラノ歌手が、母国ウクライナで再演しようとして、一度はコロナで不可能になり、その次はロシアとの情勢で不可能になったそうです。軍事侵攻の戦時下にあるリヴィウで上演を目指していると聞いた日本の関係者が、支援したいと応えて日本での再演が実現したとのことでした。

戦時下という状況の中、音楽が心の支えになって活動している音楽家の思いが伝わる公演を聴いて、帰り道、北風の寒い日だったにも関わらず、心温まるものがありました。





                          


            
                 
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2023年11月20日 11:05

おがさわらピアノ教室

【電話番号】 080-8132-4676

【住所】 〒177-0044
東京都練馬区上石神井3丁目

【営業時間】 <レッスン時間>13:00-20:30
<受付時間>11:00-21:00

【定休日】 不定休

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