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パユとバックスのデュオの演奏会について

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9月28日に行った、フルートのエマニュエル・パユとピアニストのアレッシオ・バックスのデュオの演奏会の感想を、忙しさに紛れて書き忘れたのを思い出し、遅ればせながら書くことにします。パユは、スーパースター的なフルート奏者で世界中で活躍していますが、何度聴きに行っても、感動に溢れて興奮してしまいます。今回のピアニストは、私の大好きなエリック・ル・サージュではなく、バックスというピアニストでした。ル・サージュは室内楽のスペシャリストで、その音色の柔らかさが他の楽器と溶け合うようなピアノを弾くのですが、バックスは、また違った個性で素晴らしいものがありました。

この日のプログラムは、フランクのヴァイオリンソナタ(フルート用に編曲したもの)が前半のメインでしたが、原曲のヴァイオリンソナタが名曲なので、フルート&ピアノ版だと正直どうなのかなぁ?と思っていました。でもそんな心配をよそに、パユとバックスの濃密なやり取りや、真に心の底から湧き出る情熱と色っぽさにすっかり魅了され、拍手しすぎて手が痛くなってしまう程でした。音楽として非常に説得力があり、桁違いの技術ももちろんあるのですが、それが全面に出るのではなく、言葉として伝わってきます。

あまりに高い技術を持っていると、それが全面に出過ぎて意外に面白くない演奏も多いのですが、一体、あのパユの音楽に対する情熱の持続力はどこから来るのでしょうか? 年を経ても音楽の瑞々しさを失いません。フルートという楽器は、フルートのために書かれた作品が非常に少なく、プログラミングが大変なのですが、パユはいつも趣向を凝らして毎回観客を歓喜させてくれます。私もフランクのソナタを弾いてみたくなってしまいました。次回のフルートとのデュオコンサートでプログラミングしてみようかしらん?

            
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2023年11月01日 11:03

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