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2024年12月の記事:ブログ

映画「海の沈黙」

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久しぶりに映画館に行き「海の沈黙」を鑑賞しました。昔からファンだった倉本聰さんが60年も温め続けた集大成の脚本、そして題材が芸術の話となると、劇場で観ない訳にはいきません。北海道が舞台の倉本さんの富良野ドラマ3部作「北の国から」「優しい時間」「風のガーデン」は大好きで何度も録画を見返していますが、今回の映画はそれを上回る渾身の作品かもしれません。「美」というものの価値、芸術の真の評価とは何か?、など中身のある題材がテーマですが、キャストが名優さん達ばかり、その魂のこもった演技に惹き込まれ、こういう映画を多くの人に見て欲しいなぁと切に感じました。美術を題材にした映画なので、さて一体どういう絵が登場するのだろう?と興味深々でしたが、出てきた絵に驚きました。凄みがあり、佐伯祐三を思い起こさせるような荒々しくザラッとした質感、一度見たら忘れない存在感です。高田啓介さんという画家の作品で、見る者をざわざわと揺さぶる厳しい絵でした。実際にあの絵を生で見てみたい......

映画のストーリーとしてはミステリータッチで、人の愛憎、嫉妬心などが美術界に絡んで描かれています。テーマである芸術の評価や価値は、美術だけでなく音楽その他、どの芸術にも共通してつきまとう話です。世間で話題になったり、コンクールで賞を沢山取ったからと言って、その人の表現が人の心を打つかというと、それはまた違う世界です。音楽の演奏会でも、技術的にはとても達者で文句なし、でもなぜか心に響いてこない......ということが良くあります。心の中から感じるものを、素直に感じるまま表現し、イマジネーションに富んでいる人の演奏は、有名人でなくても感動することもあります。画家や作曲家は何もない無から心の生き様を形にしますが、そこには、その人に取ってとても大事な人の存在が潜んでいたり、それが心の根源になり得ることもあります。それらが集約されたような映画作品でした。

倉本聰さんがこの脚本を書きたいと思われたきっかけが、鎌倉時代に作られて重要文化財に指定されていた古陶器の壺が、実は現代の陶芸家の作品だったと分かり、重文から外された、という話だそうです。昨日まで皆が美しい美しいと言っていたのに、時代が違うとわかった途端、評価が一変して価値が下がるのは変じゃないか?と......  ものの価値は、それぞれの人がそれぞれの感性でもって、あぁいいなぁ、これ素敵!と感じることに意味があり、そこに評価がついてくるものですが、悲しくもメディアの報道に振り回されることもしばしば見受けられます。

芸術の価値とは何なのか、真の美を見極めるとはどういうことなのか?、こういう中身の濃い本物の映画が日本アカデミー賞の最優秀作品賞を取って欲しいです。私自身も芸術に携わる人間として、自分の感性でものを感じ、真の美を理解できる人間でいたいものです。そうそう、映画を見ながら「このチェロいいなぁ.....」と思っていたら、間接的に知っていて何度か演奏を聞いたことのあるチェリストの奥泉貴圭さんでした。音楽は住友紀人さん。

倉本聰さんの書く脚本にはいつも色々考えさせられますが、録画した以前のドラマがまた見たくなりました。画質の良い「優しい時間」の再放送を長年待っているのですが...... このドラマで登場した窯元「皆空窯」には何度も足を運び、少しずつ食器を集めて日々使っています。


    皆空窯「優しい時間」マグカップ   IMG_6165_コピー
  
           
                          


            
                 
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2024年12月09日 11:15

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