現代作曲家の空間
近江の名所を回ろうと湖東に来ましたが台風接近で雨が強く、予定変更で観光を減らし、琵琶湖を眺めながら読書&温泉三昧に.....これもまた一興です。土砂降りの空模様と琵琶湖を眺めて過ごす中、こちらに来る直前に聴いた友人の演奏会プログラム解説を読み返しながら余韻に浸りました。普段、友人の演奏会に行くことは多々あっても、近しい友人について何やかや言うのはおこがましく、書かないようにしていますが、少なからず刺激を受けたのでちょっと例外的に....
五人の現代作曲家による演奏会を聴きましたが、そのうち二人が知り合いで一人は親しい友人、もう一人は古い友人。近しい友人は電子音楽で作品を創る現代作曲家で映像を伴うものが多く、そのパートナーとの共作が多いですが、今回の作品も映像付き、なんとも不思議な感覚に襲われるものでした。聴く前に作品解説を読む時間はあったものの、しっかり頭に入りきらないまま演奏を聴くハメに....... すぐ理解するにはなかなか難しい解説で(笑).....でもいざ演奏が始まると、その独特な異世界空間に頭をシュッと持って行かれ、ワープしたような感覚に...... そうなると予習した解説の中身からは完全に離れ(怒られるかしらん......ごめんなさい....笑)、自分がその空間にすっぽり入り込む錯覚に陥ります.... 目まぐるしく模様が変化する映像の途中で現れた建造物が妙に新鮮で、解説にあった「架空の妖精」の気配を感じたり...... 岩肌の映像が続く場面では、いつかテレビで見たヨルダンの世界遺産が頭に浮かんだり.....とまぁ見る側の想像力で全く違うものに感じられる音楽というのでしょうか.... 聴き終わった後、頭の中が真っ白にリセットされたフレッシュ感がありました。面白かった!作曲家の頭の中がどうなっているのか私には検討もつきませんが、たまに会って話すと非常に面白く、もっと話す機会が欲しいなぁと思う友人です。お互い忙しくてなかなか時間が取れないけれど.....
もう一人、今は付き合いはないけれど古い友人の作品も刺激的でした。こちらはソロピアノの作品が2つ。1曲目は深淵からゆったりとうねり出るような普遍性を感じる美しい曲。以前聴いた他の曲に登場した琴線細工のような響きもあり、浮遊しているような遠い空間を感じます。2曲目は、幼い娘さんからインスピレーションを受けた作品と解説にありましたが、小さな子供が遊びながら鍵盤を叩くような音型が散りばめられ、軽やかで茶目っ気のある作品に感じました。後半に現れたタリ〜リラ〜タリ〜リラ〜と付点か逆付点?が続く部分では、思わずクスリと笑ってしまう、何とも楽しげでチャーミングな微笑ましさがあり温かい気持ちに...... もしかして娘さんが遊んで叩くピアノの音を聴音?或いは娘さんが大きくなった時、君はこんな感じでピアノで遊んでたんだよ....というエピソードを形に残したかったとか....?などと余計な想像もしましたが、演奏されたピアニストもとても素敵でした。

